六本木アートカレッジ

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語る、つなぐ 

~記憶のアンテナにふれるとき~

日時

2014年11月24日 (月)  11:20~12:20 (開場 11:00)
終了しています

内容

日本人にとって死者はとても近しい存在でした。日本の風習である「お盆」は、死者を迎え一緒に過ごす期間として古くから受け継がれてきましたが、これは日本独特の文化です。

650年前から続く伝統芸能「能」もその一例です。能の物語の多くは、 旅人である“ワキ”が、ある所に行き、亡霊や精霊である“シテ”と 出会うところから始まります。死者と語ることが、他の伝統芸能と異なる点であり、一度も途絶えていない芸能であることの理由なのかもしれません。しかし近代の思想では、論理的であることが重んじられ、論理に乗らないことは、認められず、なかったことになる。死者について語ることもなくなっていきました。

が、3.11以降、死者と私たちの関係が変わったように思われます。死者について語ること、死者とともに語ることがしばしば行われているように感じます。それは、生きている私たちの気持ちを慰める為ではなく、日本が昔から行っていた死生観に似ています。

今回のトークセッションでは、能をフックに古くから日本に語り継がれている文化、死生観など、私たちが忘れかけている大切なことについて、作家のいとうせいこう氏、能楽師の安田登氏にお話しいただきます。

講師紹介

スピーカー
いとうせいこう (いとう・せいこう)
作家・クリエーター

1961年、東京都出身。88年に小説『ノーライフ・キング』でデビュー。その後も小説、ルポルタージュ、エッセイなど、数多くの著書を発表する。99年、『ボタニカル・ライフ』で第15回講談社エッセイ賞受賞。近著に『想像ラジオ』『存在しない小説』『鼻に挟み撃ち 他三編』など。執筆活動を続ける一方で、宮沢章夫、竹中直人、シティボーイズらと数多くの舞台・ライブをこなす。みうらじゅんとは共作『見仏記』で新たな仏像の鑑賞を発信し、武道館を超満員にするほどの大人気イベント『スライドショー』をプロデュースする。また、音楽家としてもジャパニーズヒップホップの先駆者として活躍し、現在はロロロ(クチロロ)、レキシなどでの活動も話題に。テレビのレギュラー出演に「ビットワールド」(Eテレ)「オトナの!」(TBS)などがある。

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スピーカー
安田登 (やすだ・のぼる)
能楽師 ワキ方 下掛宝生流

Rolf Institute公認ロルファー。平城遷都1300年「日本と東アジアの未来を考える委員会(故・平山郁夫委員長)」企画委員。東京を中心に舞台を勤めるほか、海外公演も行う。『論語』を学ぶ寺子屋「遊学塾」を主宰し、東京をはじめ全国で出張寺子屋を行う。また能のメソッドを使った作品の創作、演出、出演も行う。「間(平城遷都1300年記念グランドフォーラム)」、『水の夢(御茶ノ水WATERRASのこけら落し公演)』など。なお、シュメール語と日本語による最新作『イナンナの冥界下り』はアーツカウンシル東京の助成でパリ、ロンドン公演を行う予定。著書『異界を旅する能(ちくま文庫)』、『あわいの力(ミシマ社)』、『イナンナの冥界下り(ミシマ社))』、『身体感覚で『論語』を読みなおす。(春秋社)』など。また、かつては『LightWave 3Dキャラクターアニメーション入門(アスペクト)』などの3DCGやゲームの攻略本、インターネット関連書籍なども執筆し、プレイステーションのゲームの制作にも携わる。

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