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安藤忠雄「組織の条件、リーダーの条件」

更新日 : 2009年05月26日 (火)

第4章 オリンピック招致の意義とは

建築家•安藤忠雄氏

安藤は今、2016年の東京オリンピック招致委員会理事として精力的に活動している。活動の原動力は、オリンピックに向けて「皆でチームを組み、東京を世界一美しい街にしたい」という熱い想いだ。その根底にあるのは、1964年に開かれた東京オリンピックの感動である。「東京オリンピックは、目標に向かうときの日本人のエネルギーと江戸時代からの文化力が結びついて開花した。だからこそ、感動や目標を失いつつある現代の日本にもう一度オリンピックを招致したい」。

安藤がいう「皆」とは、東京都民や日本人だけではない。世界中の人々を含んでいる。「世界中の人たちに参加してもらい、一緒にチームを組んで進めることが重要だ。オリンピック施設の設計も世界コンペにすべき。金融も経済も世界に開かれた東京にして、世界の人々が『東京に行けば可能性が開けるぞ』と集まってくるような都市にすることだ」。

建築家•安藤忠雄氏 米倉誠一郎 一橋大学教授
「世界中の人たちとチームを組んで達成する」という考えは、「海の森プロジェクト」でも貫かれている。これは、東京湾のゴミの山を、50万人から1,000円ずつ集めて地球の森に変えるというユニークな環境プロジェクトである。安藤はこのプロジェクトを通じて、多くの日本人が世界とチームを組む喜びや楽しさを知り、モノを大事にする心や日本人が本来もっていた自然に対する感受性を、次の世代に受け継いでもらいたいと願っている。

「海の森プロジェクト」には世界の著名人も共感し協力してくれている。例えば、フランスのシラク元大統領、「モッタイナイ」という日本語を世界に広げたケニアのワンガリ・マータイ、ロックバンドのU2のボノなどもそのひとりだ。ボノの招きで、ダブリンで講演したときも、3,000人近い聴衆の4割が募金に協力してくれたという。ボノは「海の森は地球の森という安藤の呼びかけは、この地球に根ざした地球人に対する強いメッセージだ」と語っている。

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安藤忠雄:組織の条件、リーダーの条件
安藤忠雄 (建築家)
米倉誠一郎 (日本元気塾塾長/法政大学イノベーション・マネジメント研究科教授/ 一橋大学イノベーション研究センター名誉教授)

安藤忠雄氏は1969年28歳の時に、たった2人の建築事務所を大阪に開設しました。それから40年、現在では精鋭25名、平均年齢30歳という若いスタッフを率いてヨーロッパ、アメリカ、中東、アジアなど国内外の多様なプロジェクトに日々真剣勝負を挑んでいます。 建築家安藤氏の活躍を知る機会はこれまで沢山あり....


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