記事・レポート
安藤忠雄「組織の条件、リーダーの条件」
更新日 : 2009年04月01日
(水)
第1章 自由と責任、夢と好奇心
建築家•安藤忠雄の活動領域は広い。2016年の東京オリンピック招致活動や「海の森プロジェクト」の牽引役として社会に積極的に関わり、世界とチームをつくろうと東奔西走している。また、世界中のクライアントや現地の人々とチームを組み、多くの建築をつくりあげてきた。そうした安藤が考える「組織の条件、リーダーの条件」とは? アカデミーヒルズでの講演から安藤イズムのエッセンスを紹介する。
(文中敬称略/文・フリーライター 太田三津子)
安藤忠雄は「個人の自由と責任感があってこそ、リーダーが生まれる」と語り、リーダーの条件として「夢と好奇心」を挙げる。しかし、日本は1970年代から経済的に豊かになり、さまざまな条件が満たされてしまった。そのために、日本人は夢や好奇心を失いつつあるのではないかと危惧する。
夢を実現するためには組織(チーム)が必要である。さまざまなチームがあるが、最小単位はふたり。その例として、画家のゴッホと、その創作活動を経済的精神的に生涯支え続けた弟のテオの関係を挙げた。また、豊臣秀吉を支えた千利休と竹中半兵衛、長年にわたって小泉純一郎元総理のパートナーを務めた飯島勲など、古今東西の例を挙げ、リーダーが夢を達成するうえでパートナーの存在がいかに重要かを語った。都市という単位でも、パートナーが重要であり、「昨今のドバイの失速は、経済というパートナーだけで、文化や都市のパートナーがいないからだ」と指摘する。
夢を実現するためには組織(チーム)が必要である。さまざまなチームがあるが、最小単位はふたり。その例として、画家のゴッホと、その創作活動を経済的精神的に生涯支え続けた弟のテオの関係を挙げた。また、豊臣秀吉を支えた千利休と竹中半兵衛、長年にわたって小泉純一郎元総理のパートナーを務めた飯島勲など、古今東西の例を挙げ、リーダーが夢を達成するうえでパートナーの存在がいかに重要かを語った。都市という単位でも、パートナーが重要であり、「昨今のドバイの失速は、経済というパートナーだけで、文化や都市のパートナーがいないからだ」と指摘する。
安藤忠雄「組織の条件、リーダーの条件」 インデックス
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第1章 自由と責任、夢と好奇心
2009年04月01日 (水)
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第2章 世界の人々とチームを組む
2009年04月16日 (木)
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第3章 直島で見た福武のリーダーシップ
2009年05月08日 (金)
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第4章 オリンピック招致の意義とは
2009年05月26日 (火)
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第5章 暗闇に一筋の光を追う
2009年06月12日 (金)
該当講座
安藤忠雄氏は1969年28歳の時に、たった2人の建築事務所を大阪に開設しました。それから40年、現在では精鋭25名、平均年齢30歳という若いスタッフを率いてヨーロッパ、アメリカ、中東、アジアなど国内外の多様なプロジェクトに日々真剣勝負を挑んでいます。 建築家安藤氏の活躍を知る機会はこれまで沢山あり....
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