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おもてなしの天才 
全米屈指のレストラン「ユニオン・スクエア・カフェ」の創業者が語るホスピタリティ・ビジネスの本質

更新日 : 2009年03月31日 (火)

第7章 生まれてすぐに学ぶ、4つのホスピタリティ

ダニー・マイヤーさん

マイヤー:  ニューヨークにある22,000軒のレストランを、22,000個の電球に例えてみましょう。成功しているレストランを、最もたくさんの蛾を引き寄せることのできる電球というふうに考えてみたらどうでしょう。電球は光を放ちます。でも、それを見てどういうふうに感じるのかは別問題です。

スタッフにちょっとしたテストを行ってみました。電球と蛍光灯を見せました。どちらでも読書はできるし、明かりとしては同じ。「さあ、どっちにたくさんの蛾が寄ると思いますか?」と。結果は、電球に蛾が全部集まりました。なぜなら暖かかったのですね。蛍光灯は暖かみがなかった。ビジネスでも、明かりと暖かさ両方が必要なのです。

著書『おもてなしの天才』の導入部にも書いたのですが、4つのホスピタリティのギフトについてお話しして最後にしたいと思います。大学院ではホスピタリティについて教えてくれませんでした。でも、私たちが生まれて最初に学ぶのが、実はホスピタリティなのです。私たちが生まれてまもなく、生まれて7分ぐらいでそれは起きます。

私たちは意識的に考えなくても、この4つのギフトを常に求めています。それは、「アイコンタクト」「笑顔」「抱きしめられること」、そして「おいしい食事」です。

どんな生き方をしていても、「自分を見てもらいたい」「自分を見て喜んでもらいたい」と思うし、喜びの交換であるハグ、抱擁も大切です。そして、食事。だれかにちゃんとした物を与えてもらいたい。人のほとんどの喜びは、これらから来ていると思っています。

アカデミーヒルズで開催したセミナーの様子
会場からの質問:  ありがとうございました。2つ質問があります。採用の時、HQの高い方を見抜く方法は何でしょうか? それから、従業員を一番大事にしているということをどういうふうに示しているのかというところを教えてください。

マイヤー:  2つとも大変いい質問です。1点目ですけれど、私の会社の採用担当は、先ほど私が申し上げた6つのホスピタリティ・スキルが書かれたリストを持っていて、面接の前後にこれを読むことを義務化しています。こういうリストがあると、面接に集中できるようになります。

私たちは、「こういう質問をしてください」というものも用意しています。そして面接対象者について、楽観性や暖かさ、知性、関心の高さ、モラルなどに対して何を感じたのかを書くようにしています。

最も重要だと思うスキルは共感です。私が、例えば「これまでの仕事の中で、ご自分のリソースにおいて共感をどのように使いましたか?」と問いかけると、時に素晴らしい答えが返ってくるのです。ちょうど2週間前、面接をしました。この質問をしたところ、面接対象者は次のように話してくれました。

「病院で仕事をしていた時、足の悪い患者さんがいらっしゃいました。ちょうど退院されるところで、この方のお部屋に『さようなら』を言いにいったんです」と。すると面接対象者は病室に患者さんがバックを忘れているのを見つけました。しかしすでに患者さんは退院していたので、ご自宅までカバンを届けたそうです。これは共感という点では、とてもいい答えだと思いました。

仕事に対するモラルも大切です。これは質問しなくても、時間どおり面接に来たか、ヒゲをちゃんと剃ってきているか、きちんとした身だしなみをしているか、きちんと背筋を伸ばして座っているのか、などで見られます。

面接では普段以上によく見せようとしていますよね。ですから面接できちんとしていないと、あまり期待できませんね。

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全米屈指のレストラン『ユニオン・スクエア・カフェ』の創業者が語る
ホスピタリティ・ビジネスの本質
Danny Meyer (ユニオン・スクエア・ホスピタリティグループ(USHG)の最高経営責任者)

「ニューヨークで最も予約が取れないレストラン」として名を馳せるユニオン・スクエア・カフェの創業者ダニー・マイヤー氏は、27歳で起業して以来、ニューヨーカーを惹きつけて止まない数々のレストランビジネスを成功させてきました。 「おもてなしの心がもつ力を理解し、うまく活用したいという思いが、成功の鍵とな....


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