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おもてなしの天才 
全米屈指のレストラン「ユニオン・スクエア・カフェ」の創業者が語るホスピタリティ・ビジネスの本質

更新日 : 2009年03月16日 (月)

第5章 「HQ」が高い人の6つの感情的スキル

ダニー・マイヤーさん

マイヤー:  従業員の採用でもホスピタリティをわかっている人間を選ばねばと思います。ホスピタリティとしてのIQが高いといったらいいのでしょうか。私たちはホスピタリティのIQバージョンとして「HQ」を使っていますが、やはり教えられてできるものではないと思うのです。それが何を意味し、何から成り立っているのかがはっきりわかれば、資質の高い人たちをチームにそろえることができます。

そういった人がチームにいるということは、素晴らしいことですね。誰かを幸せにすることが、その人自身にとっても最も幸福なことですから。私はHQが高い人の6つの感情的なスキルを特定しました。1つ目が楽天的な暖かさ。2つ目が知性、関心を高く持ち、常に新しいことを学ぼうとすること。そして3つ目が仕事に対するモラルが高いことです。何かをしなければいけないということではなく、できるだけ最高の形で仕上げようと思える人です。

4つ目が共感を持てる人、つまり他人がどう思うかということに対して思いを馳せられる人です。5つ目が誠実さ。これを定義するのは難しいのですが、英語ではインテグリティ(integrity)、「正しい選択をすることができること」です。日々、人生ではさまざまな道が私たちの前に横たわっています。正しいこともできるし、あるいはそうでないことを選ぶこともできる、誠実であれば常に正しい道を選べます。

ダニー・マイヤーさん
そして6つ目が自覚、自分自身の天気予報がどうなのかがわかることです。私たち人間はお天気と一緒で日々変わります。時には疲れていたり、悲しかったり、あるいは神経質であったり、あるいは何だか嫌なムードだったり……。HQが高い人とは、自分の天気が今どういう状態なのかわかる人なのです。それがわかっていれば、他の人にどういう影響を与えるかがわかります。

次に心掛けたことは、ホスピタリティを何で提供するのかということです。そこで気づいたのは、我々は5つのステークホルダーを抱えているということ。従業員、お客さま、共同体(コミュニティ、地域)、サプライヤーやメーカー、そして投資家です。どの業種にもこの5つのステークホルダーがいます。

ビジネスでは、5つのステークホルダーにどのようにして優先順位をつけるかが重要です。このことを理解すれば、必要なことはすべて心得たといってもいいぐらいですが、実はこれがとても難しいのです。今度はこの優先順位を考えました。

そして、従業員がまず1番目、お客さまが2番目、コミュニティが3番目、サプライヤーが4番目、投資家は5番目という順位にしたのです。そうすることで、2番目にもかかわらず、お客さまの満足度はどんどん高まりました。また5番目としたにもかかわらず、どんどん投資家が増えました。

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ホスピタリティ・ビジネスの本質
Danny Meyer (ユニオン・スクエア・ホスピタリティグループ(USHG)の最高経営責任者)

「ニューヨークで最も予約が取れないレストラン」として名を馳せるユニオン・スクエア・カフェの創業者ダニー・マイヤー氏は、27歳で起業して以来、ニューヨーカーを惹きつけて止まない数々のレストランビジネスを成功させてきました。 「おもてなしの心がもつ力を理解し、うまく活用したいという思いが、成功の鍵とな....


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