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おもてなしの天才 
全米屈指のレストラン「ユニオン・スクエア・カフェ」の創業者が語るホスピタリティ・ビジネスの本質

更新日 : 2009年02月09日 (月)

第2章 『ザガットサーベイ』で1位を維持している秘密

ダニー・マイヤーさん

マイヤー:  私は27歳で『ユニオン・スクエア・カフェ』をオープンさせました。10年後に2店目の『グラマシー・タヴァーン』をオープンさせて以降、だいたい3年ごとに新しいレストランを出しています。例えば、インド料理店『タブラ』、『イレヴン・マディソン・パーク』というニューヨーク・フレンチ風の店、近代美術館にある高級レストラン『ザ・モダン』などです。その他、ジャズクラブやケータリング系のレストランも持っています。

従業員は25人から、現在1,800人までの規模になりました。これだけ規模が大きくなると、従業員全員に「私の心を読め」というのは無理です。私は分析的というよりも直感的なリーダー。心で感じながら仕事をしていますから、直感が利くようになりました。ただ私自身ができるからといって、従業員もできるとは限りません。そこで、いろいろなことがうまくいっている間に、私にとって大事なことを本にしてみようと思いました。

著書を出した後、思いがけないことが起きました。何と『ニューヨーク・タイムズ』でベストセラーになったんです。そして銀行や投資会社、病院、ホテル、航空会社、フィットネスクラブ、また母親や父親など、レストランとは関係のない世界中の人が読んでいることがわかりました。手紙もたくさんもらいましたが、「本を読んで新しいことを学んだ」という人は一人もいません。皆さん「これまで何年も感じてきたことが何だったのかがわかるようになりました。そういう言葉を学びました」と書いてくれます。

ダニー・マイヤーさん
ニューヨークは新しいレストランが10時間ごとにオープンし、10時間ごとにレストランが消えていく街です。そして東京と同じように本当に競争の激しい世界です。「流行の先端」が好まれますから、長く営業していればいるほど生き残るのが難しくなります。

私は23年間、レストランを閉めたことがありません。現在7つ持っていますが、5店が『ザガットサーベイ』(2007年版)で「ニューヨーカーの最も好むレストラン」のトップ20に入っています。そのうえ、『ユニオン・スクエア・カフェ』と『グラマシー・タヴァーン』はこの10年間、連続して1位2位の座を守っています。

『ザガットサーベイ』は、毎年約3.5万人のニューヨーカーを対象に調査をします。自分が行ったことのあるレストランについて「料理」「内装」「サービス」、「ニューヨークの中で一番好きな5つのレストラン」という4つを質問するのです。私たちのレストランは、とりわけ「一番好きな5つのレストラン」でいい評価を得ています。1985年にオープンした『ユニオン・スクエア・カフェ』は料理が13位、サービスが14位、内装が85位でした。

13位+14位+85位で1位になった秘密は、ホスピタリティです。『ザガットサーベイ』は「ホスピタリティ」については調査し忘れています。『ザガットサーベイ』の総責任者ティム・ザガット氏に電話し、「来年はホスピタリティという項目を入れてください」と言ったら、「サービスの項目があるのに、なぜホスピタリティを入れるんだい?」という答えが返ってきました。

その日から、個人的な使命としてホスピタリティについてすべてを学ぼうと決めたわけです。

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全米屈指のレストラン『ユニオン・スクエア・カフェ』の創業者が語る
ホスピタリティ・ビジネスの本質
Danny Meyer (ユニオン・スクエア・ホスピタリティグループ(USHG)の最高経営責任者)

「ニューヨークで最も予約が取れないレストラン」として名を馳せるユニオン・スクエア・カフェの創業者ダニー・マイヤー氏は、27歳で起業して以来、ニューヨーカーを惹きつけて止まない数々のレストランビジネスを成功させてきました。 「おもてなしの心がもつ力を理解し、うまく活用したいという思いが、成功の鍵とな....


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