記事・レポート
ビジネスマンのための「経営力」養成講座
更新日 : 2009年01月27日
(火)
第7章 現場のギャップへの対処法
小宮一慶: そろそろ質問をお受けすることにしましょうか。難しい質問はだめですよ(笑)。
会場からの質問: 「人を動かすことが一番難しい」ということですが、ビジョンなどいろいろ足りない経営者の方を動かすにはどうしたらよいのでしょうか?
小宮一慶: 難しい質問ですね。上司とうまくつき合うというのは大事だと思います。私、実は銀行員時代、こういう生意気な話をしたら申しわけないですが、上司を出世させてやろうという気持ちだったんです。上司に恵まれていたということもあったと思います。1つだけ自慢できることがあるとすれば、会社を3回変わっているのですが、独立したときに3社とも顧問契約をしてくれたんです。
上司はなかなか変えられない、変われというのは難しいと思います。自分の考え方をしっかり持つことだと思います。
会場からの質問: 私も小さな会社を経営しているのですが、無能な上司と有能な部下を幸せにするというのは、どうしたらいいのでしょうか?
小宮一慶: 小さな会社では、会社のレベルに合った人しかいませんから、その組み合わせは成り立ちません。無能な上司の下に有能な部下がいると、部下の方が辞めます。私のアドバイスとしては、無能な上司を何とかした方がいいと思います。
ただ、「辞めさせる」ということではなくて、人の長所を活かすことが大事だと思うのです。それからもう1つ、多くの方が間違うのは、長くいる人に地位で報いようとすることです。西郷隆盛は、功績に対してはお金で報いろと言っています。出世させるかどうかは人格です。人格が優れていたら上司として何とかなると思います。ただ、そうでなかったら、その人を部下のいない地位につけてあげた方がみんな幸せだと思います。
会場からの質問: 私の会社は、自社の強みみたいなところの意見が結構割れています。自社の強みというのを見つけるコツみたいなものがあったら教えていただきたいのですが。
小宮一慶: 簡単なのは、お客さまに聞くことです。自社内では違った判断していることって結構あるんですよ。
ある社歴の古い会社なのですが、「ずっとお客さまがつき合ってくれているのはなぜか」というのを、社内の人は「サービスがいいからだろう」と言っていたのですが、「お客さまのところに行って聞いてきなさい」という話をしたのです。そうしたら、「昔からつき合っているから」という理由で昔からつき合っていたと分かりました(笑)。自分たちで判断する限り、あまり見えないんですね。
それから、強みは1つではない可能性が結構あります。強みと言うと難しくなってしまうので、お客さまに対してQPSの組み合わせを出すために、活かせる強みは何かというアプローチの仕方があります。つまりSWOT分析でいう、Strength、Weaknessの反対側にOpportunityと Threatがありますが、Opportunityのサイドから見て活かせる強みは何かということを、もう一度考えてみると違う答えが出てくるかもしれないですよ。
(その8に続く、全8回)
会場からの質問: 「人を動かすことが一番難しい」ということですが、ビジョンなどいろいろ足りない経営者の方を動かすにはどうしたらよいのでしょうか?
小宮一慶: 難しい質問ですね。上司とうまくつき合うというのは大事だと思います。私、実は銀行員時代、こういう生意気な話をしたら申しわけないですが、上司を出世させてやろうという気持ちだったんです。上司に恵まれていたということもあったと思います。1つだけ自慢できることがあるとすれば、会社を3回変わっているのですが、独立したときに3社とも顧問契約をしてくれたんです。
上司はなかなか変えられない、変われというのは難しいと思います。自分の考え方をしっかり持つことだと思います。
会場からの質問: 私も小さな会社を経営しているのですが、無能な上司と有能な部下を幸せにするというのは、どうしたらいいのでしょうか?
小宮一慶: 小さな会社では、会社のレベルに合った人しかいませんから、その組み合わせは成り立ちません。無能な上司の下に有能な部下がいると、部下の方が辞めます。私のアドバイスとしては、無能な上司を何とかした方がいいと思います。
ただ、「辞めさせる」ということではなくて、人の長所を活かすことが大事だと思うのです。それからもう1つ、多くの方が間違うのは、長くいる人に地位で報いようとすることです。西郷隆盛は、功績に対してはお金で報いろと言っています。出世させるかどうかは人格です。人格が優れていたら上司として何とかなると思います。ただ、そうでなかったら、その人を部下のいない地位につけてあげた方がみんな幸せだと思います。
会場からの質問: 私の会社は、自社の強みみたいなところの意見が結構割れています。自社の強みというのを見つけるコツみたいなものがあったら教えていただきたいのですが。
小宮一慶: 簡単なのは、お客さまに聞くことです。自社内では違った判断していることって結構あるんですよ。
ある社歴の古い会社なのですが、「ずっとお客さまがつき合ってくれているのはなぜか」というのを、社内の人は「サービスがいいからだろう」と言っていたのですが、「お客さまのところに行って聞いてきなさい」という話をしたのです。そうしたら、「昔からつき合っているから」という理由で昔からつき合っていたと分かりました(笑)。自分たちで判断する限り、あまり見えないんですね。
それから、強みは1つではない可能性が結構あります。強みと言うと難しくなってしまうので、お客さまに対してQPSの組み合わせを出すために、活かせる強みは何かというアプローチの仕方があります。つまりSWOT分析でいう、Strength、Weaknessの反対側にOpportunityと Threatがありますが、Opportunityのサイドから見て活かせる強みは何かということを、もう一度考えてみると違う答えが出てくるかもしれないですよ。
(その8に続く、全8回)
※この原稿は、2008年7月8日にアカデミーヒルズで開催したRoppongi BIZセミナー『ビジネスマンのための「経営力」養成講座』を元に作成したものです。
ビジネスマンのための「経営力」養成講座 インデックス
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第1章 企業戦略に必要なのは、方向付けと他社との差別化
2008年10月22日 (水)
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第2章 経営の本質の1つ「企業の方向づけ」には、インプットと積み重ねが必要
2008年10月30日 (木)
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第3章 経営チェックに必要な9つのキーワード
2008年11月07日 (金)
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第4章 「この会社のために命を懸けてもいい」と、何人の社員が思ってくれるか
2008年11月20日 (木)
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第5章 肩書きや権威で動く人間は長続きしない
2008年12月04日 (木)
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第6章 「強い会社」は、ビジョンや理念が確立している
2008年12月16日 (火)
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第7章 現場のギャップへの対処法
2009年01月27日 (火)
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第8章 経営哲学の根幹は「人の幸せ」
2009年02月16日 (月)
該当講座
小宮一慶 (経営コンサルタント/株式会社小宮コンサルタンツ代表/明治大学大学院会計専門職研究科特任教授)
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