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ビジネスマンのための「経営力」養成講座

更新日 : 2008年11月20日 (木)

第4章 「この会社のために命を懸けてもいい」と、何人の社員が思ってくれるか

小宮一慶さん

小宮一慶: 経営の本質の2つ目は「『資源』の最適配分」。実はこれが難しいのです。なぜ難しいかというと、人には私利私欲が働くからです。権限をもって会社を動かすわけです。結論から言うと、「For the Company—会社のために」という気持ちで意思決定できるかどうかです。「For Myself」ではだめです。

私が、「いい会社」というのは、新入社員さんから社長に到るまで「For the Company」という考えで意思決定ができている会社です。皆さん、これから偉くなるといっぱい権限が出てきますよ。人事権も出てくるし、物を買う権限も出てくるでしょう。そういうときに「For Myself」にならないこと、「For the Division」にもならないこと。

それから、公私混同しないということ、これはすごく大事なことです。人間って弱いですから、どうしても負けてしまう。そういうときに、「For the Company」という私の話を思い出してほしいのです。

経営の本質の3つ目は「人を動かす」。これもまた難しい。私は自分で言うのも何ですけれど、経営をこうやって語らせたら、日本で一番うまいと思います。いや本当です、ここは笑うところじゃないですよ(笑)。

ときどき、「小宮さん、そんなに話が上手だったら、大きな会社を経営してみたらどうですか?」と言われますし、たまにヘッドハンターが「社長しませんか?」とか来るのですが、私は自分の力量を知っていますから、引き受けないのです。

経営をしゃべることは、ある程度経験がありますから、私にとってそれほど難しくないのです。でも経営というのは実践なんですよ。特に、「人を動かす」というのは難しい。私が役員をしている8,000人を雇っている会社があります。その会社の社長には、8,000人の社員、その家族、それから提供しているサービスを受けている方々の人生や生活がかかっているんです。それだけの気持ちにならないと経営なんてできません。

つまり、誇りと信念を持てる会社をつくれるかどうか。会社にとって大切なことは、その会社が好きで、「この会社のために命を懸けてもいい」と思ってくれる人を、どれだけ持てるかなのです。皆さんもそうですよ、そういう会社で働けたら本当に幸せじゃないですか。

私の会社は、自分で設立した会社ですから、私のプライドの源泉で、命を懸けてこの会社のために働くのは当たり前の話なんです。でも、同じような部下をどれだけ持てるか。そのためには、皆さんが社長になったときに、誇りや信念を持てる会社になれるかどうかということがすごく大事なんです。


該当講座

ビジネスマンのための「経営力」養成講座
小宮一慶 (経営コンサルタント/株式会社小宮コンサルタンツ代表/明治大学大学院会計専門職研究科特任教授)

年功序列や終身雇用といったシステムが崩壊しつつある今、ビジネスマンにとって「経営者的視点」を持つことは、不可欠となりつつあります。 本講座では、経営に不可欠な3つの要素と、それぞれの要素に必要な能力について、『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』や『「一秒!」で財務諸表を読む方法』などベストセ....


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