記事・レポート
『ケロッグ大学大学院 モーニング・セッション「異能の時代~ダイバーシティを活かした価値創造のマネジメント」』
BIZセミナーマーケティング・PR
更新日 : 2008年07月04日
(金)
第4章 ダイバーシティ・ディベロプメント・オフィスの設立
星野朝子: ダイバーシティの基本は「異なる新しい考え方」です。同じような人たちの集団では考え方が一つの方向に向きますから、「右だ」と言って一斉に右に動いた方がいいときには、ダイバーシティはない方が力を発揮するのですが、革新だとかクリエイティビティだとかで勝負し始める状態においては、いろいろな人がいろいろな意見を言う状況を許容する組織とか企業風土でないといけないわけです。そもそも全然違うことを言う人、またはタブーを言う人を排除しようとするのは人間の性なのです。
一方、労働人口は日本では今後ずっと減っていきます。そうなると、右といえば右に動くような、そういう人たちだけで本当にこれからのビジネスが戦えるんですか。それから工場もそうです。本当に日本の男性だけで賄えるんですか。海外の人も使わなければいけないし、もちろん女性も使わないといけないですよね、と。ダイバーシティには、そういう社会的な背景もあるということです。
日産のゴーンCEOと志賀COOは、今やいろいろなところでダイバーシティを牽引し、たぶん日本の中でもこの2人はその推進役としては相当有名になってきているようです。
以上がダイバーシティの説明です。
次は、日産自動車のダイバーシティです。5年間のパイロット在任中はさまざま提案をしましたが、今日はその中の3つに集中してお話をさせていただきたいと思っています。
最初、とにかくメンバーを集めて勉強するところから入ったのですが、まず提案したのがDDO(ダイバーシティ・ディベロップメント・オフィス)の設立でした。目的は、「女性のキャリア開発支援」「ワークライフバランス」「ダイバーシティマインドの定着」の3つです。
CFT(クロス・ファンクショナル・チーム)がチャレンジしていくのはいいのですが、ファンクションに対しては、ダイバーシティに関する専門家が責任をもってずっとウォッチしていかないといけません。また、女性のキャリア・ディベロップメントに関しては、やはりコーチングだとかメンター(指導者)だとか、いろいろなことを考慮していかないといけません。単にレット・イット・ゴー(なすがまま)では少しずつはよくなりますが、ブレークスルーしてよくなるということはありません。そこで、専門集団が絶対に必要ですと提案して、承認されたのです。
結局つくってみると、日産が日本で初めてこういう組織を持った会社となり、後日、表彰される理由の一つになりました。
一方、労働人口は日本では今後ずっと減っていきます。そうなると、右といえば右に動くような、そういう人たちだけで本当にこれからのビジネスが戦えるんですか。それから工場もそうです。本当に日本の男性だけで賄えるんですか。海外の人も使わなければいけないし、もちろん女性も使わないといけないですよね、と。ダイバーシティには、そういう社会的な背景もあるということです。
日産のゴーンCEOと志賀COOは、今やいろいろなところでダイバーシティを牽引し、たぶん日本の中でもこの2人はその推進役としては相当有名になってきているようです。
以上がダイバーシティの説明です。
次は、日産自動車のダイバーシティです。5年間のパイロット在任中はさまざま提案をしましたが、今日はその中の3つに集中してお話をさせていただきたいと思っています。
最初、とにかくメンバーを集めて勉強するところから入ったのですが、まず提案したのがDDO(ダイバーシティ・ディベロップメント・オフィス)の設立でした。目的は、「女性のキャリア開発支援」「ワークライフバランス」「ダイバーシティマインドの定着」の3つです。
CFT(クロス・ファンクショナル・チーム)がチャレンジしていくのはいいのですが、ファンクションに対しては、ダイバーシティに関する専門家が責任をもってずっとウォッチしていかないといけません。また、女性のキャリア・ディベロップメントに関しては、やはりコーチングだとかメンター(指導者)だとか、いろいろなことを考慮していかないといけません。単にレット・イット・ゴー(なすがまま)では少しずつはよくなりますが、ブレークスルーしてよくなるということはありません。そこで、専門集団が絶対に必要ですと提案して、承認されたのです。
結局つくってみると、日産が日本で初めてこういう組織を持った会社となり、後日、表彰される理由の一つになりました。
『ケロッグ大学大学院 モーニング・セッション「異能の時代~ダイバーシティを活かした価値創造のマネジメント」』 インデックス
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第1章 私が日債銀を辞めた理由
2008年06月11日 (水)
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第2章 CFTの目的は、各ファンクションへのチャレンジ
2008年06月19日 (木)
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第3章 ダイバーシティとは多様な人材を生かす戦略
2008年06月26日 (木)
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第4章 ダイバーシティ・ディベロプメント・オフィスの設立
2008年07月04日 (金)
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第5章 女性が生産ラインで働くと、"品質"が上がる?
2008年07月15日 (火)
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第6章 以前はマネージャー2,500人の内、女性は5人のみだった
2008年07月24日 (木)
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第7章 なぜ高品質・低価格に商品でも売れないのか
2008年08月01日 (金)
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第8章 "共感"には3つのプロセスモデルがある
2008年08月13日 (水)
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第9章 共感(エンパシー)は、同情(シンパシー)とは違う
2008年08月22日 (金)
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第10章 自分の価値観を押し付けてはいけない
2008年09月01日 (月)
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第11章 ケロッグで得た最大のものはネットワーク
2008年09月11日 (木)
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第12章 星野流「虎の威を借る」営業戦略
2008年09月25日 (木)
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第13章 「自分じゃないとだめ」という居場所探し
2008年10月03日 (金)
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第14章 ウィメンズフォーラムからの4つのメッセージ
2008年10月17日 (金)
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