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『ケロッグ大学大学院 モーニング・セッション「異能の時代~ダイバーシティを活かした価値創造のマネジメント」』

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更新日 : 2008年10月03日 (金)

第13章 「自分じゃないとだめ」という居場所探し

ケロッグ大学大学院 モーニング・セッションの模様

モデレーター: 星野さんがやってこられたことを見ると、戦略的に迂回しながら、最後は見事なポジションにくるということをやっていらっしゃる気がします。昔、星野さんはどんな子どもだったのか。そのあたりをちょっと紹介していただけますか。お勉強、スポーツに対しては、どういう態度だったのですか?

星野朝子: エッ?(笑)今でもそうですけれど、基本は競争が好きなんです。ゲームとか競争とか。だから結構戦いが好きな子どもでした。

モデレーター: 競技スキーで優勝されたりとか、あとはテニスも優勝を?

星野朝子: いろいろな大会に出場しましたけれど、一番の思い出は、ギネスブックに載るといわれるほど大人数が出場する「関東学生大会」でベスト4まで進みまして、準決勝戦をデフォールト(棄権)したということです。団体戦があってそちらに出なければならなくて、個人より大学のテニスチームを優先したのが理由ですけれど、デフォールトしたが故に、戦っていたら勝っていたと自分では思っております(笑)。そういう意味では楽天的かもしれませんね。

モデレーター: 勉強でも、やれ全国で何番とかですね。とにかく勝負があれば常に勝ちたいという、そういう性格の方ですよね。それがいつの間か、もっと大きな迂回する戦略を描くようになったというように、客観的にそう見えるわけですけれど、ご自分の中での変化は何かございましたか?

星野朝子: やはり、あの会議室だと思うのですよ。それまでは本当に戦って勝ってきた人生だったのが、自分の力ではどうにもならないところで「だめだ」と言われた。おそらく人生で初めての経験で、そこからですかね。自分の居場所というか、自分でなければだめ、という場所を自分でつくらないといけないと。

戦いの世界をずっとやっていても、地位はリプレイスできるじゃないですか。「まあ、今回はあなたが一番かも知れないけれども、あなたがいなくなっても、次の人がいますよ」と。何というのかな……会議室で、そういう戦いじゃだめなんだというのを学んだというか、そういう感じですかね。だから、そのあとは自分の居場所探しですね。