記事・レポート
フリー、シェア、ソーシャルを活用して企業が成功するポイント
メディア化する企業はなぜ強いのか? 小林弘人氏が解説します
BIZセミナーオンラインビジネス
更新日 : 2012年07月19日
(木)
第1章 オウンド・メディアを軸に、トリプルメディアを攻略せよ
ソーシャルメディアのトレンドに振り回されて、どう活用すればいいのかわからない、と感じていませんか? 『ワイアード』や『ギズモード・ジャパン』など、紙とウェブの両方を手がけ、「フリー」や「シェア」の発想を日本に広めたメディアの仕掛け人、小林弘人氏が、企業のメディア化の考え方とテクニック、成功のポイントを解説します。
ゲスト講師:小林弘人(株式会社インフォバーン代表取締役CEO/株式会社デジモ 代表取締役 ソーシャル・トイ・ビジョナリー)
モデレーター:神原弥奈子(株式会社ニューズ・ツー・ユー 代表取締役社長)
小林弘人: きょうは拙著『メディア化する企業はなぜ強いのか?~フリー、シェア、ソーシャルで利益をあげる新常識~』を軸に、本に書いていないことも織り交ぜながらお話ししたいと思います。
最初に簡単に自己紹介をすると、もともと私は出版社出身です。日本のインターネットユーザーがまだ3万8000人ぐらいだった1994年に、インターネットがどう世界を変えていくかを伝える『ワイアード』という雑誌を創刊しました。
98年に株式会社インフォバーンを設立し、現在は企業とお客さんとのコミュニケーションを円滑にするお手伝いをしています。例えば、日本初の有料ブログサービス「ココログ」の立ち上げに協力し、当社で眞鍋かをりさんを著名人ブロガーとしてプロデュースしたり、某自動車メーカーの依頼で、商品名(車名)は出さずに「排出ゼロ」という思想と共に新型EV車を世界中に広めるキャンペーンのお手伝いをしたり。仕事の多くはB2Bです。
個人の活動としては、東京大学大学院の非常勤講師をしています。それから『フリー:〈無料〉からお金を生みだす新戦略』をはじめとする翻訳本の監修・解説・販促などもやっています。『フリー』は1万部の無料ダウンロードが話題になり、他の出版社にまねされましたが、実はそこはあまりポイントではありません。この本のサイトをつくってアンケートを行ったり、リアルな場でイベントを開催したりして、フリーに興味を持ったユーザーを支援する施策をいろいろ重層的にやったことでヒットしたんです。これは、きょうの話のポイントと重なるところです。
では、さっそく『メディア化する企業はなぜ強いのか?』という話に入ります。みなさんはトリプルメディアというのをご存知でしょうか? マーケティング業界では「企業がメディア戦略を考えるときに3つのメディアがある」と言われています。その1つは「Owned Media(オウンド・メディア)」で、企業が所有するメディアです。もう1つは「Earned Media(アーンド・メディア)」で、ソーシャルメディアのように評判を形成するためのメディアです。そしてもう1つは「Paid Media(ペイド・メディア)」で、媒体の広告枠を買って出稿するメディアです。
『メディア化する企業はなぜ強いか』ではOwned Mediaに焦点を絞り、Owned Mediaをつくるにはどうしたらいいかについて書きました。「じゃあ、Owned Mediaだけやればいいのか?」というと、そうではありません。すべてのメディアは切り離して考えられません。Owned Mediaをつくるには、Earned Mediaを設計し、その元の導線としてのPaid Mediaを考える必要があります。
私が考えるメディア化戦略とは、Owned Mediaをやりながら、Earned Mediaでお客さんを支援し、あわよくばPaid Mediaにお金を払わずに取り上げてもらおうというものです(笑)。Paid Mediaは「あわよくば」ですので、「絶対にお金を払わない」ということではありません。お金を払うとしても、メディア化戦略をとることでPaid Mediaが効果的に併用できますが、うまく活用できている企業は少ないでしょう。
最初に簡単に自己紹介をすると、もともと私は出版社出身です。日本のインターネットユーザーがまだ3万8000人ぐらいだった1994年に、インターネットがどう世界を変えていくかを伝える『ワイアード』という雑誌を創刊しました。
98年に株式会社インフォバーンを設立し、現在は企業とお客さんとのコミュニケーションを円滑にするお手伝いをしています。例えば、日本初の有料ブログサービス「ココログ」の立ち上げに協力し、当社で眞鍋かをりさんを著名人ブロガーとしてプロデュースしたり、某自動車メーカーの依頼で、商品名(車名)は出さずに「排出ゼロ」という思想と共に新型EV車を世界中に広めるキャンペーンのお手伝いをしたり。仕事の多くはB2Bです。
個人の活動としては、東京大学大学院の非常勤講師をしています。それから『フリー:〈無料〉からお金を生みだす新戦略』をはじめとする翻訳本の監修・解説・販促などもやっています。『フリー』は1万部の無料ダウンロードが話題になり、他の出版社にまねされましたが、実はそこはあまりポイントではありません。この本のサイトをつくってアンケートを行ったり、リアルな場でイベントを開催したりして、フリーに興味を持ったユーザーを支援する施策をいろいろ重層的にやったことでヒットしたんです。これは、きょうの話のポイントと重なるところです。
では、さっそく『メディア化する企業はなぜ強いのか?』という話に入ります。みなさんはトリプルメディアというのをご存知でしょうか? マーケティング業界では「企業がメディア戦略を考えるときに3つのメディアがある」と言われています。その1つは「Owned Media(オウンド・メディア)」で、企業が所有するメディアです。もう1つは「Earned Media(アーンド・メディア)」で、ソーシャルメディアのように評判を形成するためのメディアです。そしてもう1つは「Paid Media(ペイド・メディア)」で、媒体の広告枠を買って出稿するメディアです。
『メディア化する企業はなぜ強いか』ではOwned Mediaに焦点を絞り、Owned Mediaをつくるにはどうしたらいいかについて書きました。「じゃあ、Owned Mediaだけやればいいのか?」というと、そうではありません。すべてのメディアは切り離して考えられません。Owned Mediaをつくるには、Earned Mediaを設計し、その元の導線としてのPaid Mediaを考える必要があります。
私が考えるメディア化戦略とは、Owned Mediaをやりながら、Earned Mediaでお客さんを支援し、あわよくばPaid Mediaにお金を払わずに取り上げてもらおうというものです(笑)。Paid Mediaは「あわよくば」ですので、「絶対にお金を払わない」ということではありません。お金を払うとしても、メディア化戦略をとることでPaid Mediaが効果的に併用できますが、うまく活用できている企業は少ないでしょう。
関連書籍
メディア化する企業はなぜ強いのか?—フリー、シェア、ソーシャルで利益をあげる新常識
小林弘人技術評論社
フリー、シェア、ソーシャルを活用して企業が成功するポイント インデックス
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第1章 オウンド・メディアを軸に、トリプルメディアを攻略せよ
2012年07月19日 (木)
-
第2章 メディア化の目的は、お客さんにファンになってもらうこと
2012年07月20日 (金)
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第3章 メディアをつくる=コミュニティをつくる
2012年07月23日 (月)
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第4章 ユーザーにどんな情報を提供すればいいのか?
2012年07月24日 (火)
-
第5章 メディア化のテクニック
2012年07月26日 (木)
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第6章 メディア化の上級編はオープン・イノベーション
2012年07月27日 (金)
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第7章 やってはいけない「冷やし中華マーケティング」
2012年07月30日 (月)
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第8章 メディアの解釈をちょっと変えるだけで、可能性は無限に広がる
2012年07月31日 (火)
該当講座
メディア化する企業はなぜ強いのか?
~小林弘人氏に聞く、フリー、シェア、ソーシャルを活用して企業が成功するポイント~
小林弘人(インフォバーン代表取締役CEO)
「ワイアード」「サイゾー」などの紙媒体、「ギズモード」などのネットメディアの両方を手がけてきた、出版業界からインターネット業界にまたぐオピニオンリーダー、小林氏をゲストにお迎えします。
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