オピニオン・記事

ブックオフの危機を救った社会貢献プロジェクト

Room to Readとの協業「BOOKS TO THE PEOPLE」

ライブラリーイベント
更新日 : 2011年05月09日 (月)

第1章 マイクロソフトの元役員が設立したNGO「Room to Read」とは?

「急成長のひずみ」とマスコミに叩かれた2007年、ブックオフは自らの存在意義を問う自分探しの旅に出ます。そのときRoom to Readと出会い、買い取り冊数に応じて寄付するキャンペーン「BOOKS TO THE PEOPLE」を開始。この社会貢献活動が経営とマネジメントに与えた大きな好影響について、佐藤弘志社長が語ります。

講 師:
小川宏 Room to Read 東京チャプター 企業パートナー開発委員会 リーダー
佐藤弘志 ブックオフコーポレーション株式会社 代表取締役社長

ライブラリーネットワーキングイベント BOOK PARTY 会場の様子

小川宏: 最初に少しだけRoom to Readについてお話しさせていただきます。Room to Readはネパールやバングラデシュ、インドといった開発途上国の子どもたちに対して、学校や図書館などの教育インフラを提供している国際NGOです。創設者はマイクロソフトの元役員、ジョン・ウッド。彼は休暇中に訪れたネパールで、学校の図書館に1冊も本がないことにショックを受け、会社を辞めて2000年にRoom to Readを立ち上げたのです。

世界には約7億7,000万人も読み書きできない人がいて、学校に通えない子どもたちが約1億人もいます。Room to Readは「2015年までに1,000万人の子どもたちに、生涯の贈り物としての教育を提供する」というビジョンを掲げて活動しています。支援している地域はアジアの7カ国、アフリカの2カ国の計9カ国で、これまでに約1万の図書館・図書室を設立し、1,000以上の学校を建てました。教育の機会を提供した子どもの累計数は、現在410万人(2010年4月時点)に到達しており、2010年度末には500万人に到達する予定です。

その活動資金調達を行うため、チャプターと呼ばれる支部が全世界に47カ所あり、東京チャプターは2007年4月に設立されました。先日、上部組織の「Room to Read Japan」が正式にNPO法人として認可されましたので、東京チャプターは今後そちらに移行します。

私はサラリーマンですが、ジョン・ウッドの著書を読んで感銘を受け、2008年1月から東京チャプターでプロボノとして参加しています。現在は企業パートナー開発委員会のリーダーとして、企業とのアライアンスを推進しています。ブックオフ様とは2009年から「BOOKS TO THE PEOPLE」というプロジェクトをご一緒しています。

Room to Readの特徴を一言で申し上げれば、ジョン・ウッドがマイクロソフトで培ったビジネススキルをNGOの世界に持ち込んでいることです。具体的には、「寄付金の透明性」「低コスト運営」そして「高い目標設定」です。

まず「寄付金の透明性」については、レストランのメニューと同じように、寄付プログラムに金額が明記されているのです。例えば、図書室1つが4,000ドル、学校1棟が30,000ドル、女子奨学金10年間分が2,500ドルというように、透明性を確保しています。それから「低コスト運営」を方針とし、現在、間接費を17%に抑えています。例えば100万円の寄付金なら、83万円が実際のプログラムに使えるのです。NPOを評価するCharity Navigatorという機関にこの点を評価され、4年連続、4つ星の最高評価をいただいています。また、プログラムごとに「高い目標設定」をし、チャプター同士が競争し、チャレンジし合っています。

現在、多くの企業、個人の方からご支援・ご支持いただいています。企業からは社会貢献活動の最適なパートナーとして、個人からは寄付をするにふさわしい団体であると認識してもらっているのではないかと思っております。

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