記事・レポート
柴田励司氏が語る、いつかなりたい自分になるためのヒント
『どうしてあのヒトは、デキるのだろう。』
更新日 : 2010年12月09日
(木)
第1章 プロのコンサルタントとして
100社近くあった巨大グループ会社の統合を成し遂げ、新しい会社での活動を本格的に開始した柴田励司氏。セミナーやビジネス書にあまり関心がないという若い人を対象に、自分の若い頃の思いも込めて書いたという近著の内容を紹介しつつ、「いつかなりたい自分になるためのヒント」というテーマで語ります。
スピーカー:柴田 励司(株式会社Indigo Blue代表取締役社長)

柴田励司: 今日は、「いつかなりたい自分になるためのヒント」というテーマでお話をしますが、その前に私の経歴をお話してから、本題に入ろうと思います。
2007年5月に株式会社Indigo Blueを設立する以前は、マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング株式会社(現マーサー ジャパン株式会社、以下マーサー)の社長を7年間務めました。ここで私が担当したクライアントは、主に日本の大企業やグローバル企業の子会社、もしくは大型の地方公共団体などで、みな課題はありつつも、人材が豊富で資金もあり、知名度も高い会社ばかりでした。
ところが世の中を見渡してみれば、課題があり、資金はない、人材もいないといった会社が非常に多い。そして、「こうした会社を経験せずにはプロフェッショナルのコンサルタントとは言えない」という思いからマーサーを辞任し、Indigo Blueをつくったのです。
つい先日(2010年6月22日)、代表取締役COOを退任したカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下CCC)では、3年ほど経営に携わりました。当初CCCはグループ会社を含めて100社ほどあり、全体を把握して動くということができていませんでした。それぞれの会社の部分最適が優先されていたため、オフィスを変える、IT基盤をつくるといった、全体にかかわる意思決定がなかなかできないという弊害が起きていたのです。
再編・統合により、2009年10月1日時点で88社あった会社を4社にし、最終的には2社にしました。CCCと、Tポイントを貯めておく会社の2つだけです。後者は特殊な会社ですから、実質的には1社と言ってもよいでしょう。
88社を1社にするということは、いくつかの会社がなくなるということ。極端な言い方をすれば、社長87人がいなくなるということです。つまり、これは極めて高度な、難しい組織融合なのです。
こうした状況では、上から一方的に「やれ!」と言っても、必ず抵抗勢力がでてきて前に進みません。そこで、誰もが「やったほうがいいよね」と思えるような環境作りに力を注ぎました。特に、リーダークラスを集めた合宿は徹底的に行いました。一緒に食事や寝泊まりをして時間を過ごすとお互いをよく知るようになり、自然に視野が広くなるものです。そのうちに、「会社を1つにしたほうがいい」という発言が出てくるようになり、結果として大きな山が動き、統合が実現しました。
もちろん、統合にあたり問題がなかったわけではありません。CCCには過去の投資のけじめがついていなかった部分があり、これを処理する必要がありました。そうでないと健全とは言えない状態が続いてしまうからです。
統合、合併による税効果を活用しながら、不振の直営店の閉店や不良在庫の処分をしました。。
この税効果のおかげで、事業の整理整頓にかなりのコストをかけましたが、結果的には純利益は過去最高の94億円で終わることができました。こうして私の役目はほぼ終わり、CCCを退任したのです。
2007年5月に株式会社Indigo Blueを設立する以前は、マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング株式会社(現マーサー ジャパン株式会社、以下マーサー)の社長を7年間務めました。ここで私が担当したクライアントは、主に日本の大企業やグローバル企業の子会社、もしくは大型の地方公共団体などで、みな課題はありつつも、人材が豊富で資金もあり、知名度も高い会社ばかりでした。
ところが世の中を見渡してみれば、課題があり、資金はない、人材もいないといった会社が非常に多い。そして、「こうした会社を経験せずにはプロフェッショナルのコンサルタントとは言えない」という思いからマーサーを辞任し、Indigo Blueをつくったのです。
つい先日(2010年6月22日)、代表取締役COOを退任したカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下CCC)では、3年ほど経営に携わりました。当初CCCはグループ会社を含めて100社ほどあり、全体を把握して動くということができていませんでした。それぞれの会社の部分最適が優先されていたため、オフィスを変える、IT基盤をつくるといった、全体にかかわる意思決定がなかなかできないという弊害が起きていたのです。
再編・統合により、2009年10月1日時点で88社あった会社を4社にし、最終的には2社にしました。CCCと、Tポイントを貯めておく会社の2つだけです。後者は特殊な会社ですから、実質的には1社と言ってもよいでしょう。
88社を1社にするということは、いくつかの会社がなくなるということ。極端な言い方をすれば、社長87人がいなくなるということです。つまり、これは極めて高度な、難しい組織融合なのです。
こうした状況では、上から一方的に「やれ!」と言っても、必ず抵抗勢力がでてきて前に進みません。そこで、誰もが「やったほうがいいよね」と思えるような環境作りに力を注ぎました。特に、リーダークラスを集めた合宿は徹底的に行いました。一緒に食事や寝泊まりをして時間を過ごすとお互いをよく知るようになり、自然に視野が広くなるものです。そのうちに、「会社を1つにしたほうがいい」という発言が出てくるようになり、結果として大きな山が動き、統合が実現しました。
もちろん、統合にあたり問題がなかったわけではありません。CCCには過去の投資のけじめがついていなかった部分があり、これを処理する必要がありました。そうでないと健全とは言えない状態が続いてしまうからです。
統合、合併による税効果を活用しながら、不振の直営店の閉店や不良在庫の処分をしました。。
この税効果のおかげで、事業の整理整頓にかなりのコストをかけましたが、結果的には純利益は過去最高の94億円で終わることができました。こうして私の役目はほぼ終わり、CCCを退任したのです。
関連書籍
どうしてあのヒトは、デキるのだろう。
柴田励司PHP研究所
柴田励司氏が語る、いつかなりたい自分になるためのヒント インデックス
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第1章 プロのコンサルタントとして
2010年12月09日 (木)
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