オピニオン・記事

0円の仕事~NO LIFEWORK, NO LIFE.~

箭内道彦が語る「タダでもやりたい仕事」

更新日 : 2015年09月02日 (水)

第6章 箭内道彦の0円の仕事 in 福島


 
約束したことは必ず実現する

箭内道彦: 福島に関連する活動を少しご紹介します。

【LIVE福島 風とロックSUPER野馬追(のまおい)】
東日本大震災の直後から、「誰も、何も約束してくれない」と感じていました。いつになれば、家に戻れるのか。いつになれば、放射線への不安がなくなるのか。自分達の暮らしていた街はどうなるのか。誰もはっきりとした期限を示して、約束してくれない。

それなら僕が「本当にできるの?」を言われるほど大きな約束をし、必ず実現しようと思いました。誰にも相談しないまま、何のあてもないまま、「2011年9月、福島で大きなライブイベントをやります」とTwitterで発表しました。すると、僕の友人でもあるミュージシャンや俳優さんだけでなく、地元の行政や青年会議所、福島県内のメディア、福島に縁のある企業など、多くの方々が僕の思いに賛同し、協力してくれました。

2011年9月14から19日にかけ、福島県の西から東に向かって1日1カ所ずつ、6日間連続で野外ライブを行う「LIVE福島 風とロックSUPER野馬追」を開催しました。それ以前から「風とロック」の名を冠したライブは行っていましたが、来場するのはロック好きの若い人が中心でした。しかしこの時は、おじいちゃんやおばあちゃんもたくさん来てくれました。6日間で約3万人が来場し、YouTubeでもリアルタイム配信したところ、再生回数は190万回以上に達しました。

福島の人達に少しだけ日常から離れ、大声で歌ったり、泣いたり、笑ったりできる1日を届けたい。そのような思いから始まったイベントですが、わずかながらも福島の人達を元気にすることができ、福島の思いを世界に発信できたように感じています。

【風とロックLIVE福島 CARAVAN日本】
「LIVE福島 風とロック SUPER野馬追」が終わった頃、「阪神・淡路大震災の時、自分は何ができただろう。広島や長崎のことを、自分はどれほど知っているのか。沖縄の人達が抱えてきた思いに、目を向けてきただろうか」。そういう思いが胸をよぎりました。

2012年12月から2013年9月にかけ、沖縄、札幌、長崎、東京、神戸、広島、宮城、岩手でライブツアーを行いました。各会場では、様々なミュージシャンのライブとともに、映画監督の是枝裕和さんに監修していただいた「風とロック LIVE福島 CARAVAN日本」のドキュメンタリーも放映しました。全国を巡る中で様々な世代の人達と語り合い、それぞれが歩んできた道を知りました。同時に、福島に対する思いもたくさん受け取りました。それを届けるため、ファイナルは福島でライブを行いました。

【風とロックCARAVAN福島】
2013年9月から月1回行っているライブイベントです。福島県内59市町村を1カ所ずつ巡り、ライブと同時に、その様子をラジオ福島から生放送で届けています。「風とロックLIVE福島 CARAVAN日本」が終わった後、「今度は福島県内を回ります」と約束したことから始まったイベントです。毎月1カ所ずつということで、5年かけて行う息の長いプロジェクトです。

【風とロック芋煮会】
前述した福島民報社創刊115周年記念の特集広告をきっかけに、2009年秋から、福島県の各地で風とロックのイベントを開催しています。最初の頃はロックフェスと銘打っていましたが、2010年から東北の秋の恒例行事である「芋煮会」になりました。

2010年9月に裏磐梯高原で開催した時、福島県出身者によるバンド「猪苗代湖ズ」を結成しました。メンバーはTHE BACK HORNの松田晋二くん(東白川郡塙町)、TOKYO No.1 SOUL SETの渡辺俊美さん(双葉郡川内村生まれ富岡町育ち)、サンボマスターの山口隆くん(会津若松市)、そして、僕(郡山市)。東日本大震災の直後には、この4人で『I love you & I need you ふくしま』という歌をレコーディングして、福島に届けました。

毎回、ライブはもちろん、ミュージシャンによる屋台や様々なお楽しみ企画、福島のお母さん達が本物の芋煮を振る舞うコーナーなど、盛りだくさんのイベントです。2014年は「音楽と野球の融合」をテーマに掲げ、ミュージシャンと観客の選抜チームによる試合も行いました。復興支援という肩肘張ったイベントではなく、「福島の一年間の中で一番楽しい日に」という思いを込め、毎年開催しています。

【福島をずっと見ているTV】
2011年6月から毎月第1土曜深夜、NHK Eテレで放送している番組で進行役を務めています。依頼をくれたのは、当時担当プロデューサーだった嘉悦登さん。阪神・淡路大震災の時は、NHK大阪支局に勤めていたそうです。「神戸が東京から離れているせいか、震災直後に地下鉄サリン事件などがあったせいか、次第にマスメディアは震災を取り上げなくなり、人々の関心が薄れてしまった。マスメディアの人間として、とても後悔している」。依頼を受けた時、嘉悦さんはそう説明してくれました。この言葉を聞いて僕は依頼を引き受け、そして、どちらかが死ぬまで続けようと約束しました。


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六本木アートカレッジ 0円の仕事~NO LIFEWORK, NO LIFE.~
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「0円でやる仕事」、それが「ライフワーク」。なりたい職業より、やりたいこと。箭内流のライフワークの考え方、見つけ方についてお話しします。



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