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“感動”を生む組織づくり

ディズニーに学ぶ、企業価値を高めるCS向上のヒント

BIZセミナー経営戦略キャリア・人ビジネススキル
更新日 : 2014年12月03日 (水)

第1章 すべては“そうじ”からはじまった

「顧客満足(Customer Satisfaction)の原点は、人を喜ばせること」。こう語るのは、東京ディズニーランドの初代ナイトカストーディアル(夜間清掃部門)トレーナーを務め、その後はディズニー・ユニバーシティ(教育部門)で全スタッフの指導・育成を担当した鎌田洋氏。15年にわたりディズニーの組織づくりに携わってきた鎌田氏が語る、“感動”を生み出すCSのポイントとは? 人と組織を変革するためのヒントが散りばめられたトークです。

スピーカー:鎌田洋(株式会社ヴィジョナリー・ジャパン 代表取締役)

鎌田洋(株式会社ヴィジョナリー・ジャパン 代表取締役)
鎌田洋(株式会社ヴィジョナリー・ジャパン 代表取締役)

 
ディズニーに青春をかける!

鎌田洋: 私の原点は、いまから38年前、新婚旅行で訪れたカリフォルニアのディズニーランドにあります。パークに入った瞬間、目の前には夢から飛び出してきたような世界が広がり、私はたちまちディズニーの魔法にかかってしまったのです。周りを見ると、お客様はもちろん、一人ひとりのスタッフまで、誰もが幸せそうな笑顔を浮かべていました。

日本に帰国して間もなく、何気なく目にした新聞に「ディズニーランドが日本に上陸!」と書かれていました。米国で見た光景がフラッシュバックし、「わが青春をディズニーランドにかけよう!」と決めて、それまで勤めていた商社を辞めてしまいました。まだ採用される前に、です。

それまではB to Bの仕事で、B to Cにはまったく携わったことがなかったので、書類審査を通らず、3年越しの5回目でようやく内定通知が届きました。


「そうじの神様」と出会う

鎌田洋: 最初に告げられた配属先は、夜間清掃部門(ナイトカストーディアル)。清掃のせの字も知らなかったうえに、昼夜逆転の生活が始まることに、不安と悩みは尽きませんでした。

そんなとき、素晴らしい味方が現れました。米国ディズニーランドの初代カストーディアル・マネージャーを務めた、チャック・ボヤージンさん。ウォルト・ディズニーが心底惚れ込んだ「そうじの神様」です。そんな方が、2年半にわたり私を指導してくれたのです。

ウォルト・ディズニーは、チャックさんに清掃の仕事を任せる際、次のように言ったそうです。「子どもが床にポップコーンを落としても、躊躇なく拾って食べられるくらい、床をきれいにしてほしい」。

まさしく非現実的な話と言えますが、「すべてはゲスト(お客様)のために」という想いのもと、一切妥協のない清掃を行うことで、チャックさんはやり遂げました。私はそんなチャックさんから、ウォルト・ディズニーの想いとともに、仕事や人生において大切なことをたくさん学んだのです。

“感動”を生む組織づくり
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“感動”を生む組織づくり
~ディズニーに学ぶ 企業価値を高めるCS向上のヒント~
鎌田洋 (株式会社ヴィジョナリー・ジャパン 代表取締役)

鎌田 洋(ヴィジョナリー・ジャパン代表取締役)
成熟市場の中でも成長を続けるディズニー。驚異のリピート率の要因は?オリエンタルランドで全部門キャストの指導育成に携わり、顧客との関わりを追求してきた鎌田氏。ディズニーでの経験から、顧客満足(CS)向上のために欠かせない6つの要素と、企業の使命を再確認することの重要性や、ビジョンを理解し行動レベルに落としこむ現場リーダーの育成ポイントをお話いただきます。


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