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アイデアを形にする一点突破のプロフェッショナル in 日本元気塾

Toksy、prayforjapan.jpを生み出した次世代クリエイターに迫る

日本元気塾オンラインビジネスキャリア・人
更新日 : 2012年02月21日 (火)

第2章 個人間取引だから、支援物資と被災者のニーズがマッチする

山下博巨氏

山下博巨: Toksyの特徴は、まず1つ、出品者・被災者ともに無料で利用できることです。ただし、出品者は配送料を負担する必要があります。

それから、被災者が必要としている物だけが送られるので、需給がマッチします。被災地に行ったときに聞いたのですが、震災直後は支援物資がたくさん届いたけれど、実は必要ない物だったり、分けるに分けられなくて無駄になったりした物がたくさんあったそうです。また、お店がだんだん復活してくると、例えば大量に支援でノートを配ると文房具店のノートが売れなくなるから、やみくもに配ることはできないと。その点Toksyは個人対個人の取引なので、被災地の経済を壊さないんです。

支援物資が迅速に被災者の手に届くのも特徴です。支援物資を大口で届けるところは、いろいろなところを経由するので配られるまでに時間がかかってしまいますが、Toksyは「それ、ください」「はい、送ります」という個々のやり取りなので、早いものであれば翌日に届きます。しかも支援物資は電池1つでもいいので、支援者は気軽に参加できます。

あと、被災者の声を直に聞けるということもあります。募金箱や大きなNPOに支援物資を渡すと、本当に届いたのか、誰がどういう思いで受け取ったのか、その後のことがわからないですよね。Toksyでは、被災者がどういうことで困っているのか直に聞けたり、物資を受け取った方が支援者に感謝のメッセージを送ったりできるんです。そこから新たなコミュニケーションが生まれて「もっと必要な物、ないですか?」とか、「乾電池1個だと送料の方が高くつくので、ほかに必要なものがあったら言ってください」という感じで続けてやり取りしている方もいます。

僕の印象に残っているのは、「避難所を出たので支援物資が受け取れない」と言っていた方の話です。少しでも前に進むために避難所を出たのに「家のヘドロをどかすためにスコップとバケツが欲しい」と言っても、避難所を出たためにもらえず、買いに行くしかなかったそうです。こういう人がいる一方で、本当は家に帰ろうと思えば帰れるのに、避難所での支援に甘えてのんびり居続けてしまっている人もいたそうです。こうしたリアルな話を聞いて、支援者は「じゃあ、この人にあげよう」と選べるわけです。

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関連書籍

『PRAY FOR JAPAN ‐3.11世界中が祈りはじめた日』(講談社/prayforjapan.jp編集)

prayforjapan.jp
講談社


該当講座

未来をつくるイノベーションシリーズ  
第2回 アイデアを形にする一点突破のプロフェッショナル
山下博巨 (株式会社オンザボード最高情報責任者)
鶴田浩之 (株式会社Labit代表取締役 / 慶應義塾大学環境情報学部在籍中)
米倉誠一郎 (日本元気塾塾長/法政大学イノベーション・マネジメント研究科教授/ 一橋大学イノベーション研究センター名誉教授)

山下博巨(株式会社オンザボード最高情報責任者)、鶴田浩之(株式会社Labit代表取締役)
米倉誠一郎(日本元気塾塾長/一橋大学イノベーション研究センター長・教授) 
『Toksy』『prayforjapan.jp』、3.11東日本大震災後に立ち上がった2つの「日本を元気にする」WEBサービスの、生みの親である二人をゲストにお招きします。「技術力」という強い武器をもつお二人の、プロデューサー的視点、周りを巻き込むリーダーシップ、プロジェクトの進め方や、人の役に立つモノづくりへのこだわりを通じて、自分自身の強みをどう生かしたら「アイデアを形にする」ことができるのか考えていきます。


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