記事・レポート

行政のムダを斬る「事業仕分け」の本番はこれからだ!

~行政刷新会議事務局長が目指す本当の改革~

注目のオピニオン
更新日 : 2010年05月19日 (水)

第1章 事業仕分けの誕生背景~有識者会議は機能しない~

事業仕分けには、予算削減以上に重要な目的があるのをご存知ですか?それは行政改革、おかしな国のルールを変えること。例えば地方の生活道路は工夫すれば1m3千円で造れるのに、国の決まりがあるために多くが約11万円で造られています。真の無駄撲滅を実現するために、納税者として税金の使われ方をチェックしませんか?

講 師:加藤秀樹(構想日本代表/行政刷新会議事務局長/東京財団会長)

加藤秀樹氏

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加藤秀樹: きょうは事業仕分けの“本質”についてお話しますが、その前に私が代表を務める「構想日本」について、ごく簡単にご説明したいと思います。

「構想日本」は非営利独立の政策シンクタンクで、(2010年)3月末で設立から丸13年になります。組織としてはNPOですが、私たちは“政策ベンチャー”と称しています。これまで官庁だけが担ってきた政策市場に競争を持ち込もう、という意味です。

シンクタンクと一口に言ってもいろいろなタイプがあります。「構想日本」は政策理論というよりも、使えるもの、つまり実際の法案に近いものを出して、それを政治家に働きかけて実現させる活動に重きを置いています。

昨年(2009年)までの12年間で、法律や閣議決定の中に提言を入れることができたという意味で、制度改正に反映され、具体的な形で実現できたものが18個、何らかの影響力を与えたと考えられるものが197個あります。主に様々な分野の行政制度の改革に関して本当にいろいろなことをやってきました。その一環として始めたのが事業仕分けです。

行政改革や地方分権、規制改革などいろいろな言葉が使われていますが、実はこれらの議論は何十年も前からずっとやってきてるんです。今でも内閣府には行政改革関連の委員会の事務局が全部で20個ほどあり、300人ほどのスタッフが働いています。審議会や委員会で議論をして、各省に対して「こういうことをやりなさい」と言い、各省がそれに従っていろいろな作業をする。こうしたことを何十年にもわたって続けてきました。しかし実際に行政改革や中央分権が進んだかというと、ほとんど進んでいません。これらの行政コストだけでも莫大なので、これそのものが行革の対象になるほどです。それでどうすれば実際に行政改革や規制改革、地方分権が進むかずいぶん考え、構想日本の仲間とも議論しました。そこで出てきたのが行政の事業仕分けだったのです。

それまで行革について何十年も何をやっていたかというと——いわゆる有識者に集まってもらって議論をしてもらう。その議論を事務局が報告書にまとめる。そこには大抵各省のお役人が出向しています。そこで彼らがつくった報告書を大臣か総理に渡す。すると大臣か総理が「わかりました、ありがとうございます」と言って受け取る。あとはその実現が官僚と政治家の手に委ねられる。そういうことを繰り返していたのです。

つまり「議論するところ」と「報告書をつくるところ」と「実行するところ」が違うわけで、そこに2つの大きな断層があるわけです。そのためいくらいい議論が行われても、報告書の中にはその半分ぐらいしか出てこなかったり、報告書を実行するところでほとんど実現していかなかったりしたのです。

そんなことを繰り返すぐらいなら、都道府県や市町村の現場サイドから「本当にこれは要るのか、要らないのか」と事業を1個1個チェックしていった方が早いのではないか。立派な肩書きを持った人たちによる抽象的な議論の繰り返しになるよりも、ウサギとカメではありませんが、膨大な数ではありますが個々の事業をチェックする方が着実に実行できるのではないかと思って始めたのです。

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加藤秀樹 (構想日本代表/行政刷新会議事務局長/東京財団会長)

加藤 秀樹(行政刷新会議 事務局長/構想日本代表/東京財団会長)
2009年11月に全国民の注目を集めた国の「事業仕分け」。テレビや新聞などメディアで連日大きく報道されました。しかし、実際に事業仕分けについて理解している人は少ないのではないでしょうか。
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