オピニオン・記事

戸田奈津子氏が語る「映画の魅力を表現する字幕翻訳」

~1秒4文字、10文字×2行の世界~

更新日 : 2010年04月01日 (木)

第3章 映画にも、若者の活字離れの影響が出ている

戸田奈津子氏

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戸田奈津子: 字幕は英語で「サブタイトル」というので、私が英語の名刺に職業を書くなら「サブタイトル・トランスレーター」になりますが、肩書きに「サブタイトル・トランスレーター」と刷れる人は、世界にわずか十数人いないでしょう。外国にはパートタイムでやる方はいますが、365日、それを職業としてやっている人はほとんどいません。それぐらい特殊な職業なんです。

映画好きの私は今までの生涯の大半を映画館の暗闇で過ごし、その数は何千本にもなるでしょう。でも最近は悲しいかな、日本の若者には活字離れ、それに伴う映画離れの現象が起こっています。

昔は、吹き替えがあったのは『ダンボ』や『白雪姫』など、アニメだけでした。それは子どもが観るから吹き替えていたのであって、そのほかの外国映画は全部字幕でした。ところが最近の若者は「字が読めない、読みきれない、耳で聞く方が楽」と言って、吹き替えを好むようになりました。

実際、レンタルショップに行くと、字幕と吹き替えのどちらでも借りられるようになっていますよね。映画館も、あっという間に吹き替えの世界になってきています。例えば『ダ・ヴィンチ・コード』や『天使と悪魔』など、ペダンチックな大人の映画でも吹き替えてしまうのです。

活字離れが進んで、新聞も読まれなくなったし、本も売れなくなっています。さらに映画界では「映画離れ」も進んでいて、若い子がそもそも映画館に行かなくなっています。私にとって映画は生活の全てでした。きょうここにいらしている方は、若いころは映画が少なくとも生活の“一部”だったのではないかと思うのですが、今の小・中学生は、親がそもそも映画離れの世代なので、子どもを映画館に連れて行きません。

そうした状況が重なって、今の子は映画を観る意欲がない、映画への興味を失っています。活字離れと共に、これは由々しき問題す。

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映画の魅力を表現する字幕翻訳
~1秒4文字、10字×2行の世界~
戸田奈津子 (映画字幕翻訳者)

戸田 奈津子(映画字幕翻訳者)
10月の六本木ヒルズクラブランチョンセミナーでは映画字幕翻訳者の戸田奈津子氏をお迎えします。「字幕翻訳者になりたい」と、夢を叶えるために、ゼロから出発し、門のない世界に挑み続け、字幕翻訳者として活躍するまでに20年間の歳月を振り返り、映画に魅せられたご自身の人生と、1秒4文字、10字×2行という厳しい文字制限の中から生まれる字幕翻訳の世界についてお話いただきます。


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