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「ほっと一息」な7冊

更新日 : 2020年08月07日 (金)




梅雨もようやく明け、真っ青な空とつややかに光る緑の葉が目の前に広がるようになりました。けれど、うだるような暑さも、じわじわとそばに。やるせない状況が続くこともあり、身も心もすり減ってしまうよ…という方は少なくないでしょう。
 
そんなときに「無理せずにね。ほっと一息」と声をかけてくれるような本がそばにいたら、どれだけ救われるでしょうか。今回はそんな本を7冊、ご紹介いたします。



私は私のままで生きることにしたキム・スヒョン 著/吉川南 訳「ごく普通に生きる」こと。一言で表すと簡単そうに思えますが、目の前の現実社会で叶えられている人は果たしてどのくらいいるのでしょう。
結果や数字に詰められ、互いに見張りあい、気づけば人間らしさというものが失われていく世の中…。
本書はそんな世の中に目を背けるわけでも、自分勝手になるわけでもなく、あくまで主人公としての自分が増えることを希求する、味方のような本です。 かわいいイラストとあたたかく励ましてくれる人生論。締めくくりの言葉にこの本の想いが込められています。
「私たちに、健闘を祈る。」(「おわりに」より)

あやうく一生懸命生きるところだったハ・ワン 著/岡崎暢子 訳この文を読んでくださる方はきっと「一生懸命」生きておられる方と思います。毎日、全力で走り、小休止もつかの間、また走る…。真面目で誠実なその姿に胸を打つ方もいるはずです。
けれど、きっと心はボロボロ、身体もガタガタ。頑張りすぎてしまうかたは「無理」をしてしまいます。
そんな方へ、著者は実体験──「幸せになるどころか、どんどん不幸になっている気がする」(P.8)体験をもとに、優しく、ときに力強く無理をしないで、自分の道をゆっくり歩けば良いんだよと語ってくれます。
休むことに抵抗がある方に、ぜひお手にとって頂きたい一冊です。

気持ちが楽になるスヌーピーチャールズ M.シュルツ 著/谷川俊太郎 訳/片岡義男 解説みんなの人気者スヌーピー。実は、哲学者としての一面もあるのです。もっとも、分かりやすい答えなんてものは、すぐには出しません。
が、人生でちょっとつまずいたとき──ばくぜんとした不安や、暗やみに襲われたとき、あるいは離別・失恋・失敗など。そんなときこそ、結論は自分で決める。なんとなく。はっきりとではなく。
この本に登場するスヌーピーやピーナッツのメンバーたちは「わたし」と一緒に立ち止まってくれ、押し付けず、それでいて本質をついた提言をしてくれるのです。それはまるで、励ましのような。

生きる谷川俊太郎with friends 著谷川俊太郎の代表作とされる詩「生きる」。
本書は、その作品にすくわれた人たちがSNSのコミュニティで繋がり、各々にとっての「生きること」を表現した言葉を集めた詩集です。
「詩人たち」がのこした、やさしく心にスッと入ってくる言葉たち。何気ない日常の美しさをとらえた言葉たち。手に届く日々を愛おしく感じさせてくれる言葉たち。
詩は決して難しいものではなく、すべての「くたびれた」人の心を撫ぜてくれるものだと気付かせてくれます。
ふだん、詩に馴染みがない方にこそ、おすすめしたい一冊です。

小さな幸せをひとつひとつ数える末盛千枝子 著編集者・エッセイストの著者が「苦しさを受け入れながら、幸せを感じること」を、世界中の絵本の紹介を交えながら優しく語ってくれる一冊。
世の中にはこんなにも、悲しみに寄り添ってくれる絵本があるのかと感嘆せざるを得ません。
絵本ガイドとしてはもとより、著者の言葉も響きます。
希望はこころの持ちよう。誰にも等しく訪れる。苦しいことがあっても、もうちょっとだけ生きてみようと思わせてくれる、あたたかい本です。

もう泣かない電気毛布は裏切らない神野紗希 著若手俳人によるエッセイ集。自身の俳句や先代の俳人による言葉を引きながら、日常のこまごまとした出来事をゆるやかに、ときに切なく綴った一冊です。
表題は著者の句そのもの。この句から想起されるように、悲しくてつらくてやりきれないことの多い日々ですが、それでも優しく包んでくれるものを信じて前を向いていこう、と勇気を与えてくれます。
俳句の魅力を知ることができるのも、この本ならでは。

えーえんとくちから笹井宏之 著/穂村弘 解説約10年前。繊細な感覚をもって日常の日陰にぬくもりを、あるいはきらめきを与える歌を残してこの世を去った歌人、笹井宏之。
本書はその歌人の作品に、詩や俳句、エッセイをも加えたベスト盤と言える文庫本です。
31音で「生」の彩りを刻んだ作品は、乾いた心と体にきっと潤いをもたらしてくれるでしょう。すべての生きとし生けるものへの憂い。そのようなものを、著者の歌から感じてなりません。

以上、「ほっと一息」つきたいときに、そっと寄り添ってくれる7冊のご紹介でした。いかがでしたか。
無理しすぎず、時に肩の力を抜けば、近くのものの尊さや自分自身の尊さに気付くかもしれません。そのきっかけになれば、さいわいです。



私は私のままで生きることにした

キム・スヒョン : 吉川南
ワニブックス

あやうく一生懸命生きるところだった

ハ・ワン : 岡崎暢子
ダイヤモンド社

気持ちが楽になるスヌーピー

チャールズ・M.シュルツ【著】,谷川俊太郎【訳】
祥伝社

生きる—わたしたちの思い

谷川俊太郎
角川・エス・エス・コミュニケーションズ

小さな幸せをひとつひとつ数える

末盛千枝子
PHPエディターズ・グループ

もう泣かない電気毛布は裏切らない

神野紗希
日本経済新聞出版社

えーえんとくちから

笹井宏之
筑摩書房


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