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国連(UNHCR)が挑む難民支援の仕事

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更新日 : 2015年07月08日 (水)

第1章 いま、世界で起きていること~難民支援の現場から

世界各地で難民支援を行うUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)。その駐日事務所で広報官を務める守屋由紀さんは、「世界で起きていることを知る。それが最初の一歩になる」と語ります。難民が生まれる理由、支援の最前線などを通じて、私たちにできることを一緒に考えてみませんか。

講師:守屋由紀(国連難民高等弁務官・駐日事務所広報官)


 
私が「国連」で働くことを選んだ理由

守屋由紀: この地球上では日々、様々な問題が起こっています。日本で暮らしていると、それらは遠い海の向こうで起こっていること、などと思いがちです。でも、本当は私達にとって、とても身近な問題なのです。この機会にぜひ、世界で起きていることを知っていただき、皆さん一人ひとりができることを考えてもらえれば、本当に嬉しく思います。

私は国連機関の1つ、UNHCR(United Nations High Commissioner for Refugees/国連難民高等弁務官事務所)駐日事務所で広報官を務めています。UNHCRの仕事は、「難民」を保護・支援すること。本部はスイスのジュネーブにあり、世界126カ国、442カ所に現地事務所があります。職員は約7,000人いますが、9割近くの職員は世界各地の難民キャンプなど支援の最前線で働いており、その中には日本人職員も80名以上含まれています。

そもそも、なぜ私はUNHCRで働くことを選んだのか? そこからお話ししていきましょう。

東京で生まれた私は、父親の転勤に合わせ、幼稚園から中学1年までを香港、メキシコ、アメリカで過ごしました。当時は転校ばかりの生活がイヤでしたが、振り返れば、幼い頃に多様な文化を経験できたことが、現在の仕事にとても役立っているように思います。

例えば、海外で生活していると、自分が「日本人」であることを強く意識させられます。海外の人からすれば、私は外国人。何かあるたびに「あなたは日本人だから」と言われました。でも、私は日本で暮らした期間が短いため、「日本人」であることがよく分からず、不思議な気持ちがしたものです。

中学2年生の頃、憧れの日本に戻ることができました。本当に嬉しくて「よし、日本人になろう!」と思いました(笑)。高校では剣道部に入部し、心技体の精神や礼儀作法など、日本の文化を学びました。大学では法律を学びつつ、野球部のマネージャーも務めました。選手が常に最高の状態でプレーできるよう、裏方としてサポートする。この経験も、現在の仕事に役立っています。

やがて、就職を考える時期になりました。幼い頃から様々な国で生活し、英語もそれなりにできる。「国連で働いてみたいな」。ふと、そんなことを思いつきました。
小学生の頃に過ごしたメキシコは、現在よりも貧富の差が激しく、両親とレストランに行くと、自分と同じ歳くらいの子どもが店の外に立ち、お金や物をねだってきました。最初は「イヤだな」と思いましたが、成長するにつれ、「貧しいのはあの子や親のせいではなく、国や社会が良くないからでは?」と考えるようになり、社会が抱える問題を解決する仕事に憧れるようになったのです。

国連で働きたい。でも、どうすればいいのか分からない。そこで、東京にあるUNIC(国連広報センター)に押しかけ、「国連に就職したい」とお願いしました。すると、「あなたは何ができますか?」と質問されたのです。国連は、普通の会社のように、学校を卒業した人が色々と教えてもらいながら成長していく、という場所ではありません。国連に入る時点で、何らかの専門的な技術や知識、経験を持ち、即戦力として働ける人が求められていたのです。

私はひとまず夢を諦め、語学が生かせる商社や法律事務所で働きました。こうした職場では、ビジネスにおける海外とのコミュニケーション方法など、たくさんのことを学ぶことができましたが、その一方で、当時の日本の会社では何事にもおいても男性の力が強く、「女性は活躍できないのかな」と感じることも数多くありました。

そうした時、テレビ番組で緒方貞子さんの活躍が紹介されていました。日本人、さらには女性として初めて国連機関(UNHCR)のトップに就任し、世界の難民支援を力強くリードした方です。私は、「国連なら女性でも活躍できる!」と思い、もう一度、夢にチャレンジすることを決めたのです。

チャンスは突然やって来ました。偶然目にした『The Japan Times』という英字新聞にUNHCRの求人広告を見つけたのです。すぐに応募し、採用していただいた時は本当に飛び上がって喜びました。けれども、実際に働き始めると、考えていた以上に世界の問題は深刻で、本当に大変な仕事だなと痛感しました。そんな私を支えてくれたのが、世界中からやって来た熱い思いを持つUNHCRの仲間達です。現在はこうした仲間に囲まれ、大きなやりがいを感じながら働いています。

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