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不況に強い!「一休.com」のビジネスモデルの秘密

~ECサイト最強ブランドの成長の軌跡と今後の展望

更新日 : 2009年12月14日 (月)

第2章 高級ホテルの空き部屋という“究極の在庫”に着目

森正文氏

森正文: ある日、新宿を歩いているとき、ふと有名高級ホテルのビルを見上げました。思いのほか、部屋の電気がまばらでした。「これは究極の在庫だ」とひらめき、すぐオークションサイトの営業でそのホテルに掛け合うと、なぜか簡単にOKが出ました。

ありがたいことに、そのホテルのライバルも次々に参加してくれ、ホテル予約のオークションサイトを始めたのが99年の10月です。スイートルームのオークションが非常にウケました。しかし、Yahoo!もオークションを開始……。大手とは戦わないと決めていたし、もうダメだとがっくりきました。

翌2000年1月は、年始挨拶でホテル訪問し、とにかく「何か悩みはないですか?」と聞いて回る日々でした。するとあるホテルの担当者が「我々は毎日テナントを募集しているビルみたいなもの。ツインやダブル、禁煙フロアなどマトリクスもあるから、普通の部屋をきめ細かく売りたい」と言うのです。

そこでとにかくブランド重視で、同じレベルのホテルを集めようと高級ホテルばかりを回り、2000年5月に『一休.com』をスタートさせました。ただ会社にはお金がなかったので、札幌に営業に行くときも名古屋や大阪、福岡へも日帰りで出張しました。

営業の手法はシンプル。最初のホテルで「おたくのライバルは?」と聞いて、すぐにそこに飛び込む方法で、1日8契約ぐらいとれました。なにしろ、早くサイトをスタートしてコミッションをもらわないと、会社がつぶれてしまう状態で、ホテルの担当者には常に「今日のうちに決めてください」と迫りました。

お客さまからは「温泉や高級旅館も入れてほしい」という要望もあり、朝4時ごろに起きて、レンタカーで伊豆半島の温泉街も回りましたし、京都の有名旅館にも行きました。

タクシーの運転手が「京都で一番の旅館は柊屋か俵屋だ」というので柊屋に飛び込んで、女将さんに不躾ながら「入る可能性があるならお話ししますが、その気がないのに『お茶でもどうぞ』と京都流で断られるくらいなら、ほかの旅館に行きます。これ以上聞きますか?」と掛け合いました。すると女将さんは、その場で契約してくれたのです。

これが一番効率的な営業でした。最悪なパターンでは、何度行っても名刺すら突き返された旅館もありました。でも逆に、何としてでも入ってほしいというファイトも湧きました。

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不況に強い!「一休.com」のビジネスモデルの秘密

~ECサイト最強ブランドの成長の軌跡と今後の展望~

不況に強い!「一休.com」のビジネスモデルの秘密
森 正文 (株式会社一休 代表取締役社長)
神原弥奈子 (株式会社ニューズ・ツー・ユー 代表取締役)

森 正文(株式会社一休代表取締役)
高級ホテル・高級旅館の宿泊予約サイト「一 休.com」を中心としたEコマース事業を展開する森氏にビジネスモデル誕生の背景から成長の軌跡、新しい事業への取り組みと今後の展開までお話いただきます。


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