記事・レポート

環境とビジネスは両立するか?

~答えはYes。具体策を提示します~

更新日 : 2010年01月08日 (金)

第6章 なぜ日本はエネルギー効率が高いのに、世界から誉められないのか

竹中平蔵氏

竹中平蔵: 三橋さんは今回の世界同時不況を「資源収奪型成長の終わり」とおっしゃいました。その中で日本は一体どのように位置づけられるのでしょうか。資源収奪型の観点からすると、1990年以降のスウェーデンと日本の違いはあるにせよ、絶対水準からすれば日本はエネルギー効率が非常に高いと思うのです。

日本は資源収奪型の世界の中でどういう位置づけにあるのでしょうか、あるいはどういう位置づけにあったのでしょうか。

三橋規宏: 日本の場合は、石油にしても木材にしても、お金を出せば外国から買えるということでどんどん買ってきました。それで今日まで何とかもってきたわけですが、その過程で「日本は世界の木材を伐採して環境悪化を推進している国じゃないか」という批判も出てきました。石油についても、「日本がどんどん買うから価格が高くなってしまうんだ」と。

石油があと何年で枯渇するかは、予想される埋蔵量を現在の消費量で割るのですが、現在の消費量が半分になれば、あと40年といわれていたものが80年に延びるわけです。エネルギーとしての石油の燃費効率は新エネルギーよりもはるかに優れていますが、石油は過小資源になりつつあるのですから燃料として使うのではなくて、モノを作るための素材、材料として使う、燃焼して終わらせるのではなく、材料として残しておくべきではないかという議論があります。そういう形で石油についても取り組みを変えていくべきではないかと思います。

ガソリン1リットルで10km走る車を技術革新によって20km走る車をつくれば、CO2の排出量は2分の1に削減できます。しかし、車の利用台数がこれまでの2倍に増えれば、全体としてのCO2の排出量は変わりません。自動車1台あたりの燃費効率を高める技術では、日本の技術は進んでいると思います。しかし、全体として自動車が排出するCO2が増えてしまえば、温暖化を加速させてしまいます。部分的な技術開発と全体との調和が必要です。

関連書籍

よい環境規制は企業を強くする —ポーター教授の仮説を検証する—

三橋規宏
海象社


該当講座

環境とビジネスは両立するか
三橋規宏 (千葉商科大学政策情報学部教授/環境・経済ジャーナリスト)
竹中平蔵 (アカデミーヒルズ理事長/東洋大学教授/慶應義塾大学名誉教授)

三橋 規宏(環境・経済ジャーナリスト)×竹中 平蔵(アカデミーヒルズ理事長)
従来は相反すると考えられてきた「環境と経済」をどのようにすれば両立させられるのか、三橋氏と竹中理事長にお話いただきます。


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