六本木ヒルズライブラリー

薄羽美江さんの『The Orbs-Japan.com』(三五館)
二十一世紀の可能性の境界線を融解させる<未知との遭遇>

写真・文 薄羽美江  翻訳 リサ・ヴォート

“MC Planning, Inc.”を設立され、司会やコンサルティング、出版企画など多岐にわたってご活躍中の薄羽美江さん。六本木ライブラリーでは、“新・日本の文化創造”“北極白くま写真集からうまれる対話創造”、そして今回書籍をご紹介する『Orb(オーブ)』について、ライブラリートークでお話いただいたり、天文ジャーナリストの青木満さんをお招きした『天空を視る・歴史を辿る・宇宙に遊ぶ』という宇宙を旅するような楽しいライブラリートークをプロデュースいただいています。
 光学的にも説明がつきにくいとされる、写真に現出する「光子」や「光球」「同心円モチーフ」の『Orb(オーブ)』。この『Orb(オーブ)』に関する近著をはじめ、薄羽さんの著書をご紹介します。


『The Orbs-Japan.com』(三五館)
薄羽美江【写真・文】
リサ・ヴォート【翻訳】

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三五館 紀伊国屋 amazon 

『The Orbs-Japan.com』を手に語らうひと時。(左からメンバー著者の岩田裕子さん、薄羽美江さん、二神壯吉さん)
20世紀から21世紀へと時代が変遷する1999年のこと。
薄羽さんは編集工学研究所の松岡正剛氏と宇宙物理学者の佐治晴夫氏の連続対談をプロデュース。
私たちの知と心のありどころを統合的・編集的にめぐる『二十世紀の忘れもの』という書籍出版を実現しました。

その対談は、過去から連綿と受け継がれている叡智の記憶から、私たちが相対する価値観を融合させトワイライトな新たな価値創造を探る可能性を満ちたものです。
それは、次世代に継承できる知と心の資源が何であるのか、その真価を問い直し、多角的に学びを深化させたいという強い思いから取り組んだ成果でした。

それから10年。
果たして、21世紀を迎えた私達は進化のプロセス過程にあるのかどうかと問いかけます。

現代に生きる私達は実際に目の前に見える数字や規模で計れる直接的でわかりやすいものに頼りがちです。
わずかなきざしや、かすかなものへの観察眼や想像力を鈍らせない。
『二十世紀の忘れもの』から『二十一世紀の贈りもの』へ。
新たな時代の不可視(インヴィジブル)なるものに可能性の意義を問う<未知との遭遇>をまとめたOrb写真集。世界初の試みとなりました。

薄羽 美江さん(株式会社エムシープランニング 代表取締役)


日本独自の美学を志向。研究論文は「美的体験における<気>」。
専ら不可視とさる認知領域に新たなアプローチを探索する。S.O.Sモデリングスタジオを経て、ソニーショールーム勤務後フリーアナウンサーとして企業情報に関わる。

MC・レポーター・キャスターをつとめ、企業の人財開発プログラムに従事する。
過去・現在・未来を通観し、情報編集視点から価値創造を導く『ヴィジョナリーコンサルティング手法』に定評があり、10年間に一万人以上のダイナミックラーニング機会を担う。


“大人の文化祭'09”メンバー著書のコーナーでは、著者の方との楽しい交流が行われました。
薄羽美江さん(左から3人目)、お隣はビジネスパートナーのリサ・ヴォートさん(異文化コミュニケーター&フォトグラファー)


薄羽 美江さんの著書

「販売の現場力」強化プロジェクト 収益を倍増するブランド教育のすすめ

薄羽美江
インデックス・コミュニケ−ションズ


先日ライブラリーメンバーの方がこの本に付箋をいっぱいつけて「今の仕事にとても役立ちます、読み込みました」と薄羽さんに声をかけられたことは、実に大きな喜びだったそうです。
ブランドの根本の存在意義に迫り、ブランドを単なる記号消費にとどめることなく、誰もがブランドエバンジェリスト(伝道師)として誠実に企業文化創造の担い手となることの可能性と、そこから得られる販売の現場力を説く一冊。ブランドコミュニケーションの原理原則と成功法則をわかりやすく数多くの事例から実証しています。


ホワイトギフト

リサ・ヴォート
木耳社


MC Planning, Inc.のクリエイティブディレクターであるリサ・ヴォートさんが、北極に4度足を運び撮影したPolar Bear(北極熊)の15000枚に及ぶ写真アーカイブを薄羽さんがプロデュースした大型写真集。地球の極北に広がる雪原の真っ白な純度を『White Gift』ー 愛ある贈りもの ー と題し、大切な人と共に1ページ1ページを味わい感じ合っていただきたい、そして、親から子へ。子から孫へと、代々世代をつないで受け継いでいただきたいという想いをこめて制作された愛にあふれる一冊。


二十世紀の忘れもの ~松岡正剛、佐治晴夫 対談集~

松岡正剛、佐治晴夫
雲母書房


薄羽さんが組織の人財開発業務に携わって10年、人事や教育、マーケティング手法を心得ているだけでは、何かが不足していると切実な自己批判を抱いた時期。「今、企業組織の教育開発者が知っておかなくてはならないことは統合的なリベラルアーツ」と考え、佐治晴夫氏と松岡正剛氏を迎え、2ヶ月に一度づつ、一年連続対談を実現。その対談録6冊分を一冊に書籍化。20世紀をふりかえり、「宇宙」というマクロから「量子」のミクロまで、自然・人文・社会を、科学と芸術のトワイライトな領域から縦横無尽にアプローチする知の粋が詰まった一冊となっています。


脳と日本人

松岡正剛, 茂木健一郎
文藝春秋


20世紀の終焉に『二十世紀の忘れもの』が出版され、過去・現在・未来を通観した時、薄羽さんは「社会不安の混迷の時代、私達は、幸福な未来に向かって進化してゆけるのだろうか」と疑問を抱き、あてどもない不安感が生じたといいます。そこで「近未来は私達の意識や脳にこそ可能性がある」と考え、二十一世紀を迎えた2000年、脳科学者の茂木健一郎氏と情報編集工学者の松岡正剛氏にご対談願い、マインドイノベーションを志向。その後、6年を経て、私達日本人の意識の源流を訪ねて再対談2006年秋に実施。那須二期倶楽部の暖炉の火を囲み、季節の森の美しい写真と共に収録した珠玉の対談集。


北極シロクマ南極ペンギン

リサ・ヴォート
大阪書籍


世界65カ国を旅して写真を撮り続けるリサ・ヴォートさんと薄羽さんが出逢い、共に協力し合う仕事をはじめて15年。いよいよ北極と南極の撮影を通じて地球を一つにつないでみようと大きな世界観から編集制作にのぞんだ一冊。シロクマは北極に棲み、ペンギンは南極に棲む。お互いに地球の果てで一生出会うはずのないいきものたち。けれども、その生態を写し撮ったリサさんの写真には、北極と南極それぞれに、あまりにも似通った愛ある親子の表情が溢れています。北極と南極を裏表にした大型ポスターも収録され、次世代を担う子どもたちの世界観を広げるために愛ある贈りものを志した写真集。


Polar Bear LOVE

リサ・ヴォート
ソニー・マガジンズ


北極でポーラーベアを撮影するリサ・ヴォートさんの目線はいたってナチュラル。それは夏目漱石が「則天去私」と語った境涯、自らを離れ目の前の存在と一体となり天からの恩恵に満ちた邂逅(であい)かのようだといいます。北極の雪原で、リサさんの眼前に突然やってきて展開されたという北極熊たちの愛ある姿。その数ある写真アーカイブから、ソニーマガジンズの女性編集チームが「この写真!」と厳選した81点のポーラーベアーの親子愛を中心に収録した写真集。思わずほほ笑んでしまう表情にあふれています。この写真集の売上の一部は北米のポーラーベア保護団体 Polar Bear Internationalに寄付されています。