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六本木アートカレッジ・セミナー
シリーズ「これからのライフスタイルを考える」第10回
そもそも“人”とは何か?

気鋭の研究者が読み解く「ポストヘルス時代」の生き方

更新日 : 2017年07月18日 (火)

第2章 ジーンクエストの遺伝子解析サービス

高橋祥子(株式会社ジーンクエスト 代表取締役)


研究とビジネスのシナジーを回す

高橋祥子: 私は元々、病気の予防に興味があり、大学では遺伝子解析を通じて代謝系疾患などの生活習慣病の予防メカニズムを研究していました。そのうちに、「研究をもっと加速させたい」「研究成果を社会に役立てるしくみがつくりたい」という思いがわき出し、博士課程在籍中の2013年に遺伝子解析サービスを行う株式会社ジーンクエストを立ち上げました。

私自身、ビジネスには全く興味がありませんでした。研究成果を活用したサービスをつくり、それによって新しいデータを得て、研究を加速させる。その研究成果によってさらにサービスを進化させ、社会に還元していく。研究とサービスのシナジーを大きく回せる方法を考えた結果、起業という答えにたどり着いたわけです。

ジーンクエストが行う個人向けの遺伝子解析サービスは、お申し込みのあったお客様に試料採取キットを送付し、唾液を入れて返送していただくと、約1カ月後に解析結果をお知らせする、というサービスです。唾液からDNAを抽出・解析し、体質や病気の発症リスクなど、約300項目の遺伝情報をご提供することで、生活改善や予防の参考にしていただくというものです。

また、ゲノム研究は世界中で行われ、日々発展し続けています。そのため、新たな研究成果が活用できるようになった場合、一度利用されたお客様の情報を無料でアップデートし、ご提供しています。なお、サービスを通じて蓄積されたデータは、お客様の同意を得た上で匿名化し、研究に役立てています。

丸幸弘: 日本でも、企業の健康診断の項目に入れたらいいと思う。

高橋祥子: 実際、アメリカでは企業の福利厚生として遺伝子解析サービスが利用されているケースも出てきていますね。

丸幸弘: 将来的にはHR Tech(Human Resource×Technology)のアイテムとしても役立ちそう。

高橋祥子: そうですね。現在は法人向けのサービスも始めていますので、ご興味のある方はぜひお問い合せください。創業から4年ほど経ちましたが、蓄積したデータを活用して大学や研究機関、企業との共同研究も始めており、ようやく研究とサービスのシナジーが回り始めたという段階です。

丸幸弘: ちなみに、会場で遺伝子解析サービスを利用されたことがある方は? なるほど。まだ少ないですね。一般的には「遺伝子解析って何?」という方が大多数だと思いますので、今後は研究者が先頭に立って啓発的な取り組みを行うことも必要ですよね。

該当講座


六本木アートカレッジ 「そもそも“人”とは何か?」
六本木アートカレッジ 「そもそも“人”とは何か?」

丸幸弘(リバネス)×山田拓司(メタジェン)、仲木竜(Rhelixa)、高橋祥子(ジーンクエスト)
10回シリーズの最終回のテーマは「人とは何か?」です。医療分野のテクノロジーの進化により、様々な病気について、治療はもちろん予防も現実的になってきています。その結果、健康に対する考え方、生命観も問われ始めています。今回は、「ポストヘルス時代」における人のあり方を思索する研究所、ヒューマノーム研究所の若手研究者をお招きして、そもそも「人とは何か?」について多様な観点から議論します。


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