オピニオン・記事

六本木アートカレッジ・セミナー
シリーズ「これからのライフスタイルを考える」第10回
そもそも“人”とは何か?

気鋭の研究者が読み解く「ポストヘルス時代」の生き方

更新日 : 2017年07月18日 (火)

第1章 最先端の知を集め、「人とは何か?」を探究する

アート、カルチャーなど、毎回多彩なテーマを取り上げてきたシリーズ「これからのライフスタイルを考える」。最終回のテーマは「そもそも“人”とは何か?」です。近年、遺伝子解析やiPS細胞、ゲノム編集技術などが登場し、「不治の病」の治療や予防も現実味を帯び始めています。今後、健康が当たり前となった時代を迎えたとき、私たちのくらしは、そして生き方はどう変わるのか? 気鋭の起業家・研究者集団「ヒューマノーム研究所」のメンバーをゲストに、これからの「人」の未来を考えていきます。

モデレーター:丸幸弘(サイエンスブリッジコミュニケーター®株式会社リバネス代表取締役CEO)
スピーカー:仲木竜(株式会社Rhelixa 代表取締役社長)
スピーカー:高橋祥子(株式会社ジーンクエスト 代表取締役 )
スピーカー:山田拓司(株式会社メタジェン 取締役副社長CTO)

気づきポイント

●「人生100年時代」が到来すれば、社会的な指標としての実年齢はあまり意味をなさなくなる。
●「人とは何か?」を考えるためには、その議論ができる社会的な土壌をつくり出す必要がある。
●今を生きる我々がどんな未来を思い描くかによって、「ポストヘルス時代」の生き方は定義されていく。


丸幸弘(サイエンスブリッジコミュニケーター®株式会社リバネス代表取締役CEO)


リバネス・ヒューマノーム研究所

丸幸弘: 僕は大学で藻類を、大学院でマメ科植物や微生物を研究していました。今後、人類が70億人から100億人に増えていく中で、食糧は大きな課題になる。そこに貢献できるものを生み出したいという思いが原点にありました。

しかし、次第に「大学に居続けても、本当にやりたい研究をやるには時間がかかり、世の中も変えられない」と考えるようになり、同じ思いを持つ大学生・大学院生15名とともに、2002年、リバネスを起業しました。その後は様々な事業やプロジェクトと並行し、技術顧問や経営顧問として40社以上の研究開発型ベンチャーの起業に携わりました。「ミドリムシ」で有名になった株式会社ユーグレナもその1つです。

とはいえ、僕が見据えるゴールは起業でも株式上場でもありません。様々な分野の「最先端の研究」を事業化し、それらを1つのエコシステム、大きな研究所として融合することで、科学技術の発展と地球貢献を実現する。それが僕の思い描くゴールであり、2016年4月にヒューマノーム研究所を立ち上げた理由でもあります。

ヒューマノーム研究所は、医療・ヘルスケア技術の進歩によって「健康」が約束された未来(ポストヘルス時代)に向けて、「人とは何か?」という根本的なテーマについて探求する研究所です。壮大なテーマだけに、あらゆる分野の知見が必要になります。そのため、ゲノム、エピゲノム、腸内細菌、免疫学、脳科学、心理学、人工知能等、様々な領域の研究者に参加していただきました。

メンバーは全員、博士号を持つ各分野のスペシャリストであり、その多くは起業家でもありますが、「一緒に面白いことをやろうぜ!」と声をかけて集まった、緩やかなネットワークであることが最大の特長です。本日は、そのメンバーでもあるお三方と一緒に「人とは何か?」について考えていきたいと思います。

「人生100年時代」はすぐそこに



丸幸弘: 戦後、平均寿命が60歳を超えた理由は、栄養状態が解決されたから。きちんと栄養がとれるようになれば、人間は60歳まで生きられるわけです。その後、80歳まで延びた理由は、経済活動によって治療と薬が進化したから。そして今後は、予防医療などの進化に合わせてますます寿命が延び、健康が当たり前の時代になっていくことで、いよいよ人類は「人生100年時代」を迎えることになるでしょう。

そうなれば、健康に対する考え方はもちろん、私たちのくらし方、生き方などにおいて従来の常識や概念は通用しなくなり、定年や引退という枠組みも変化していくはずです。そうなったとき、私たちはどう生きるのか? 何のために生きるのか? 現在は私たちの未来の生活を考える上で、大きな転換期を迎えているのかもしれません。

リバネスも人生100年時代に向けた実験として、「第三新卒」の採用を開始しました。心の豊かさ、すなわち「パッション」に基づいた活動を続けることが今後の人類のあり方ではないかと考え、始めた取り組みです。企業や大学などに長年勤め、高度な専門性を身につけた方、かつ「年齢にこだわらず、世界を変えるために挑戦したい!」という思いを持った方を募集しています。


該当講座


六本木アートカレッジ 「そもそも“人”とは何か?」
六本木アートカレッジ 「そもそも“人”とは何か?」

丸幸弘(リバネス)×山田拓司(メタジェン)、仲木竜(Rhelixa)、高橋祥子(ジーンクエスト)
10回シリーズの最終回のテーマは「人とは何か?」です。医療分野のテクノロジーの進化により、様々な病気について、治療はもちろん予防も現実的になってきています。その結果、健康に対する考え方、生命観も問われ始めています。今回は、「ポストヘルス時代」における人のあり方を思索する研究所、ヒューマノーム研究所の若手研究者をお招きして、そもそも「人とは何か?」について多様な観点から議論します。


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