セミナー・イベント

ネイチャーセンス展:日本の自然知覚力を考える3人のインスタレーション
連続対談「ネイチャー・セッション」
吉岡徳仁、篠田太郎、栗林隆
3人のアーティストが日本の自然観、展覧会作品について語る!

カルチャー&ライフスタイル 文化

日時

2010年08月08日 (日)  14:00~18:00
終了しています

内容

吉岡徳仁、新作のためのドローイング、2010年
篠田太郎、新作のためのドローイング、2010年
栗林 隆、新作のためのドローイング、2010年
日本の自然と芸術は、古くからとても近しい関係にありました。四季の自然の観察は、歌に詠まれ、物語に書かれ、障壁画に描かれました。その独自の自然観は、気候や地形といった風土に加え、古代の自然崇拝、呪術や祭祀などのアニミズムやシャーマニズム、神話の世界にも見られる自然の神々といった宗教観の影響も受けています。この伝統的な自然観は、近代化、都市化の進んだ現代の日本では、どのように知覚され、認識されているのでしょうか。さらに、その自然観を現代のアーティストやデザイナーがどのように作品に反映させているのでしょうか。

 吉岡徳仁、篠田太郎、栗林隆という3名のアーティスト・デザイナーによるインスタレーションを体感する展覧会「ネイチャー・センス」では、この日本の自然観の再考をテーマにしています。展示のなかでは、雪、風、光、水、滝、大地、林といった、不定形でしばしば眼に見えない自然現象やそこから生まれた地形や景観などが抽象化され、インスタレーションに投影されています。そこでは人間は自然に包みこまれるように空間の一部になり、その空間が広大な宇宙にも繋がっているような感覚を覚えます。

このような自然観や宇宙観はしばしば体験したり、感じたりすることによって非論理的、非合理的に認識されていきますが、連続対談「ネイチャー・セッション」では、展覧会の出品作が各アーティストのどのような考え方に基づいたものなのかを、それぞれ異なるゲストとの対談によって紐解きます。また、セッションに先立ち、展覧会のキュレーターが日本の自然観と日本の現代アートとの関係性についてご紹介します。

*日英同時通訳

カリキュラム

タイムテーブル

イントロダクション: 片岡真実(森美術館チーフ・キュレーター)

対談1 吉岡徳仁(デザイナー・アーティスト)×新見 隆(武蔵野美術大学芸術文化学科教授)
質疑応答

休憩

対談2 篠田太郎(アーティスト)×重森三明(美術家、重森三玲庭園美術館館長)
質疑応答

対談3 栗林 隆(アーティスト)×清水 穣(批評家、同志社大学言語文化教育研究センター教授)
質疑応答

講師紹介

スピーカー
吉岡徳仁 (よしおか・とくじん)
デザイナー・アーティスト

倉俣史朗、三宅一生に師事後、吉岡徳仁デザイン事務所設立。紙の椅子「Honey-pop」や光そのものをデザインした照明「ToFU」など、数々の作品がニューヨーク近代美術館(MoMA) を初めとする主要美術館で永久所蔵されている。デザインマイアミ/デザイナー・オブ・ザ・イヤー 2007 受賞。そのほか、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」への出演や、『Newsweek』誌日本版では「世界が尊敬する日本人100 人」に選ばれている。

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スピーカー
新見隆 (にいみ・りゅう)
武蔵野美術大学芸術文化学科教授

慶應義塾大学文学部フランス文学科卒業。インディペンデント・キュレーター。ミュージアム&アート・コンサルタント。イサム・ノグチ庭園美術館学芸顧問。1982年から1999年2月まで、西武美術館・セゾン美術館の学芸員として、展覧会の企画を担当。主な著作に『モダニズムの庭園と建築をめぐる断章』(2000年)。

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スピーカー
篠田太郎 (しのだ・たろう)
アーティスト

見事な手作業によるメカニックな彫刻やインスタレーションで知られている。「庭」や「人間と自然の新しい関係」をテーマに、日常の風景から宇宙まで触手を広げ、独自の感性で時代を感受する。REDCAT(ロサンジェルス)、広島市現代美術館などでの個展、釜山ビエンナーレ(2006)、イスタンブール・ビエンナーレ(2007)など国際展多数。

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スピーカー
重森三明 (しげもり・みつあき)
美術家、重森三玲庭園美術館館長

京都芸術短期大学専攻科修了、パリ国立高等美術学校卒業。1997 年に帰国後、CCA北九州のリサーチ・プログラムを修了。2000~2001 年、生家、重森三玲旧邸においてアートプロジェクト「Shima/Islands」を共同企画。2006年秋、「重森三玲庭園美術館」開館、館長に就任。現代美術、庭園など「場のアート」の研究、設計、創作を行う。

撮影:重森三玲庭園美術館

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スピーカー
栗林隆 (くりばやし・たかし)
アーティスト

1993 年武蔵野美術大学日本画科卒業後、2002 年にクンストアカデミーデュッセルドルフ(ドイツ)でマイスターシューラー取得。日本画の二次元空間で、境界線によって二分される領域やレイヤーの多義性に向けられた関心を、渡欧以降は三次元へと発展させている。ケルン市立美術館(2003)やシンガポール国立博物館 (2007)での個展のほか、国際展への参加多数。十和田市現代美術館に収蔵展示(2009)。

撮影:志津野 雷

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スピーカー
清水穣 (しみず・みのる)
批評家、同志社大学言語文化教育研究センター教授

『美術手帖』、『ART iT』といった美術雑誌、写真集や画集、美術館カタログに批評文を定期的に寄稿。主な著書に『写真と日々』『日々是写真』(2006年、2009年)。1999年、栗林隆のデュッセルドルフ・アカデミー時代の個展に着目、当時の展評で取り上げている。

撮影:タカザワケンジ

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講座趣旨

※森美術館とは

文化都心 六本木ヒルズのシンボルとして、森タワーの最上階に位置する美術館。 「現代性」と「国際性」をテーマに、現代アート、ファッション、建築、デザイン、写真、映像など様々なジャンルの斬新な展覧会を開催しています。
展覧会会期中は休館日がなく、また22時まで開館(火曜日を除く)しているほか、同じチケットで展望台 東京シティビューにも入館できます。


※MAMCメンバーとは
MAMC(マムシー)メンバーとは、森美術館(Mori Art Museum)と、現代(Contemporary)美術を、よりお楽しみいただくためのメンバーシップ。展覧会の無料入館や、メンバーイベントへのご案内など、特典を多数ご用意しています。
MAMCメンバーの詳細は、森美術館ウェブサイトをご覧ください。


募集要項

日時 2010年08月08日 (日)  14:00~18:00
受講料 1,000円

※一般の方のみ受付します。
「森美術館MAMCメンバー(個人・法人)」、「学生」の方は割引のため、森美術館ウェブサイトよりお申込ください。


定員 150名

注意事項

複数名で一緒にご参加いただく場合にも、一括でお申込を頂くことはできません。お一人様ずつウェブ上のお申込みフォームよりご登録いただくことにより、お席を確保させて頂いております。
恐れ入りますが、参加されるご本人にお申込いただくか、又は代理でご参加者の情報をご登録くださいますようお願い申し上げます。 なお、その際に同一のメールアドレスはご利用いただけません。必ず人数分のメールアドレスをお手元にご用意の上お申込ください。

主催
会場 アカデミーヒルズ40(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー49階)

※都合により49階に変更する場合、受講生には直接ご案内いたします。

お支払い方法

一般の方のお支払い方法はクレジットカードによるお支払いのみです。
※いかなる理由においても、お申込み後のキャンセル及び返金は承っておりません。
※クレジットカードはVISA、MASTER、JCB、AMERICAN EXPRESSのみのお取扱となります。
※お支払方法は「一回払い」のみとなります。(「リボルビング払い」「分割払い」等はご利用いただけません)

森美術館展覧会情報

「ネイチャー・センス展」 会期:2010 年7 月24 日(土)-11月7 日(日)
「ネイチャー・センス展」 会期:2010 年7 月24 日(土)-11月7 日(日)

国際的に活躍する吉岡徳仁、篠田太郎、栗林隆3名の新作インスタレーションを通して、現代日本人の感性や文化的記憶と自然との関係性を考えます。彼らが採用している自然をある意味で抽象化する手法は、より感覚的に自然を捉えて来た日本の文化を彷彿させ、日本人の伝統的な感性を喚起させるでしょう。関連書籍約400冊を集めた「ネイチャー・ブックラウンジ」も会場内に開設します。


「MAMプロジェクト012:トロマラマ」 会期:2010 年7 月24 日(土)-11月7 日(日)
「MAMプロジェクト012:トロマラマ」 会期:2010 年7 月24 日(土)-11月7 日(日)

MAM プロジェクトは森美術館が世界各国の才能豊かな若手アーティストを応援するプロジェクト・シリーズ。トロマラマは、インドネシアのバンドゥンを中心に活動する3人組のアーティスト・ユニット。400枚以上の木版画の版木、大量ボタンやビーズなど身近な素材とストップモーションの技術でユニークなアニメーションを制作しています。本展では新作を含むビデオ・インスタレーションを出品し、オリジナリティあふれる彼らの....




石倉洋子のグローバル・ゼミ
六本木アートカレッジ
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