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グローバル・アジェンダ・シリーズ2017
第2のシリコンバレー:イスラエル流・起業家マインドの鍛え方

日本を飛び出したサムライが見たものとは?

更新日 : 2017年08月08日 (火)

第5章 海外で大切なのは「想い」を伝えること

TOEIC365点からのスタート


石倉洋子: 最初にイスラエルやユダヤ人に着目したという話でしたが、中国もイノベーティブな土地で、華僑などのネットワークがあり、ビジネスにも長けていますよね。

榊原健太郎: もちろん中国もすごいですが、すでに日本人がたくさん行っていました。いずれはチャレンジしたいと思いますが、まだ日本人が誰も行っておらず、日本にインパクトが与えられる場所を考えた結果、僕はイスラエルを選びました。

石倉洋子: イスラエルの方々は、働き方にしても日本と正反対ですね。

榊原健太郎: 非常に家族を大切にしますね。日本人の場合、両親と会うのはゴールデンウィークやお盆、年末年始ぐらいですよね。そう説明したら、「クレイジー。何のために生きているの?」と真剣な顔で言われてしまって。彼らは毎週のように家族に会っていますし、友人や所属するコミュニティなど、人のつながりも大切にしています。

石倉洋子: イスラエルは誰もが語学堪能という話でしたが、榊原さん自身はどうだったのでしょう?



榊原健太郎: イスラエルに渡る前、TOEICは365点でした。そんな僕がとった方法は、想定問答集をつくること。僕が会う人はたいてい起業家や投資家、役人の方々。ミーティングでのQ&Aもほぼ内容が決まっているため、想定問答集をつくり、あとはとにかく実地で訓練。一応、日本でも英会話学校に通いましたが、バイト感覚の講師と僕のモチベーションやテンションが合わず、現場で直接学んだほうが速いと思ってやめました。

メールで使いそうな定型文章もつくり、現地ではLinkedInを使って有名な起業家や投資家100人にダイレクトメールを送り、アポイントが取れれば、打ち合わせのアジェンダを送る。当日はもう英語を使わざるをえない状況ですが、基本的にアジェンダの流れで話すため、言わんとすることは雰囲気でつかめます。分からないことがあれば、“Just a moment, what do you mean?”などと言って会話を一旦止め、理解できるまで聞いてから次に進む。その繰り返しでした。実際、中学生レベルの単語と文法を組み合わせて話せば、疑問形の正しい文法が分からなくても“I want go to the toilet.”程度で十分伝わります。

大切なのは、相手に自分の想いとミッションを伝えること。英語はそのための一手段にすぎません。僕は面会時、最初に必ず“It is my responsibility to build a strong relationship between Japan and Israel.”と伝えました。もう1つのポイントは、訪問前に「僕は英語が下手だけど、頑張るから助けてね」と伝えておくこと。こちらの想いがきちんと伝われば、相手も安心し、信頼してくれます。

石倉洋子: 「○○がやりたいから、そのために英語を学ぶ」ことが本質で、目的もないままに何となく学ぶ、英語を話したいから英語を学ぶというのはナンセンスですよね。

榊原健太郎: 単純に、自分を追い込めばいいだけだと思います。「海外に行く」と宣言して引き返せない状況をつくり、思い切って現地に飛び込む。そこに伝えたいという想いがあれば、絶対に英語は話せるようになります。

石倉洋子: なるほど。今回はあまり知らなかったイスラエルのこと、現地の起業家マインドなどについて教えていただき、さらに会場の皆さんにとっても励みになるようなキーワードがたくさん登場しました。榊原さん、本日は楽しいお話をありがとうございました。(了)


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第2のシリコンバレー:イスラエル流・起業家マインドの鍛え方
第2のシリコンバレー:イスラエル流・起業家マインドの鍛え方

2008年にサムライインキュベートを設立し、ベンチャー支援を行う榊原健太郎氏。2014年には日本初のインキュベーターとしてイスラエルに支社を開設し、現地のスタートアップ約30社に出資するまでにビジネスを拡大しています。本セミナーでは、榊原氏に日本とイスラエルでの経験をもとに「起業家に必要なこと」や「組織にいながら起業家マインドを鍛える方法」など、石倉洋子氏のモデレートのもとお話いただきます。


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