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今だからできる失われた20年からの大転換
~日本のGDPを3%上げる、企業と人を成長させる新しい発想~
経営戦略キャリア・人マーケティング・PRオンラインビジネス
更新日 : 2012年01月24日
(火)
第1章 日本が発展しないのは、新しい技術を使わないから
TwitterやFacebookが盛り上がりを見せるなか「SNSを始めるだけでは絶対に儲からない」と言うのは、いま最も元気な女性起業家、石黒不二代氏です。氏は企業を成長させるには、SNSに「デジタルマーケティングとソーシャルCRM」を加えることが必要で、そうすれば日本のGDPは3%上がると言います。果たしてその方法とは?
講師:石黒不二代(ネットイヤーグループ株式会社 代表取締役社長兼CEO)

石黒不二代: バブル崩壊後「失われた10年」と言われていたものが、気がつけば20年続いて、何となく世の中ずっと低迷している感じがします。聞こえてくるのは「日本のここがダメ」「あそこがダメ」という話ばかり。「どうしたら良くなるのか」「どうしたら再び成長できるのか」という話はなかなか出てきません。そこできょうは「今だからできる失われた20年からの大転換」というテーマで、私どもが家業にしているデジタルマーケティングとソーシャルCRMで日本のGDPを3%上げられる、というお話をしたいと思います。
突然ですが、質問です。「G-mail、Twitter、Facebook、Skype」これらは一言でいうと何でしょうか? コミュニケーションツールだ、ソーシャルメディアだ、という声が聞こえてきます。確かに。でも、もっと重要な共通点があります。これらは震災のときに強かった「クラウドベースのアプリケーション」です。
90年代後半にクラウドという考え方が登場すると、アメリカはそのクラウドをどんどん使って発展しました。日本ではなかなか使われなかった。クラウドに限らず、日本の会社が発展しない理由の1つに、新しい技術を使わないということがあげられます。アメリカはすぐ使います。だから技術開発をするスタートアップのベンチャー企業が発展するし、そうして出てきた新しいツールを使うことで大企業も発展する。そういうエコシステムができています。
日本がクラウドに対して慎重だった1つの理由に、セキュリティを気にする人が多かったということがあります。彼らは、情報を手元に置いておきたいと言っていました。しかし、どうですか? 東日本大震災で手元にあった情報はなくなってしまいました。紙はもちろん、PCも。ある人は、サーバーが日本にないと心配だと言っていました。地震大国にサーバーを置くことが果たして正しい選択でしょうか? 仮にサーバーを日本に置いてもいいが、少なくとも、リスク分散の必要はありそうです。
私はこの震災を機に、クラウドというものが見直されたと思っています。クラウドにある情報はなくなりませんでした。クラウドは、サーバーとのやり取りが発生するのでつながりにくい、アクセスが遅いと思っている人もいました。しかし、震災のとき、携帯電話や携帯メールもつながらなくなったとき、さくさくつながったのはクラウドベースのコミュニケーションアプリだったのです。
そして、GoogleやFacebookなど、クラウドベースのアプリケーションを提供する企業は非常に儲かっていることに私たちは注目しなくてはなりません。こうした企業を「プラットフォーマー」と私たちは呼んでいます。その中に日本の企業は、残念ながらありませんが、私たちが成長するためには、このプラットフォーマーにならなくてはいけないということなのです。
インターネットの世界は基本的に数の勝負です。たくさんの人が使ったり参加したりすることで、アプリケーションやプラットフォームの価値が上がります。「ということは、もうすでにプラットフォームビジネスの勝負はついている。日本はこのおいしいビジネスに参入できない。もう終わりだ」とみなさんがおっしゃいます。でも、私は、今からでもチャンスはあると申し上げたい。
突然ですが、質問です。「G-mail、Twitter、Facebook、Skype」これらは一言でいうと何でしょうか? コミュニケーションツールだ、ソーシャルメディアだ、という声が聞こえてきます。確かに。でも、もっと重要な共通点があります。これらは震災のときに強かった「クラウドベースのアプリケーション」です。
90年代後半にクラウドという考え方が登場すると、アメリカはそのクラウドをどんどん使って発展しました。日本ではなかなか使われなかった。クラウドに限らず、日本の会社が発展しない理由の1つに、新しい技術を使わないということがあげられます。アメリカはすぐ使います。だから技術開発をするスタートアップのベンチャー企業が発展するし、そうして出てきた新しいツールを使うことで大企業も発展する。そういうエコシステムができています。
日本がクラウドに対して慎重だった1つの理由に、セキュリティを気にする人が多かったということがあります。彼らは、情報を手元に置いておきたいと言っていました。しかし、どうですか? 東日本大震災で手元にあった情報はなくなってしまいました。紙はもちろん、PCも。ある人は、サーバーが日本にないと心配だと言っていました。地震大国にサーバーを置くことが果たして正しい選択でしょうか? 仮にサーバーを日本に置いてもいいが、少なくとも、リスク分散の必要はありそうです。
私はこの震災を機に、クラウドというものが見直されたと思っています。クラウドにある情報はなくなりませんでした。クラウドは、サーバーとのやり取りが発生するのでつながりにくい、アクセスが遅いと思っている人もいました。しかし、震災のとき、携帯電話や携帯メールもつながらなくなったとき、さくさくつながったのはクラウドベースのコミュニケーションアプリだったのです。
そして、GoogleやFacebookなど、クラウドベースのアプリケーションを提供する企業は非常に儲かっていることに私たちは注目しなくてはなりません。こうした企業を「プラットフォーマー」と私たちは呼んでいます。その中に日本の企業は、残念ながらありませんが、私たちが成長するためには、このプラットフォーマーにならなくてはいけないということなのです。
インターネットの世界は基本的に数の勝負です。たくさんの人が使ったり参加したりすることで、アプリケーションやプラットフォームの価値が上がります。「ということは、もうすでにプラットフォームビジネスの勝負はついている。日本はこのおいしいビジネスに参入できない。もう終わりだ」とみなさんがおっしゃいます。でも、私は、今からでもチャンスはあると申し上げたい。
今だからできる失われた20年からの大転換 インデックス
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第1章 日本が発展しないのは、新しい技術を使わないから
2012年01月24日 (火)
-
第2章 絶好調な企業は「情報のプラットフォーム」を構築している
2012年01月26日 (木)
-
第3章 TwitterとFacebookを始めるだけでは、絶対に儲からない
2012年01月27日 (金)
-
第4章 Amazonに学ぶ、情報プラットフォームのつくり方
2012年01月30日 (月)
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第5章 「買わせる」から「買いたいと思わせる」マーケティングへ
2012年01月31日 (火)
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第6章 忘れられた2つのカイゼン。今やれば、営業利益はアップする
2012年02月02日 (木)
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第7章 デジタルマーケティングが組織と人材のマインドセットを変える
2012年02月03日 (金)
該当講座
academyhills + Hills Life presents 知の人、知の時間
今だからできる失われた20年からの大転換 ~企業と人を成長させる新しい発想~
石黒不二代 (ネットイヤーグループ株式会社 代表取締役社長兼CEO)
石黒 不二代(ネットイヤーグループCEO)
インターネットの普及でグローバル化が進み、更にビジネス環境の変化が激しくなった時代に、日本企業と個人にとっていま求められる経営戦略と教育、そしてマインドセットとは何か?いま最も元気な女性起業家の一人といわれる石黒氏に伺います。
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