六本木ヒルズライブラリー
トピックス

【エントランス・ショーケース】
「Living With Books~本のある生活空間」

更新日 : 2018年05月31日 (木)



現在アカデミーヒルズのエントランス・ショーケース展示スペースでは、「Living With Books」と題して、「本のある生活空間」をテーマとした展示を開催しています。
 
 
わたしたちはふだん、いろいろな物(物品、設備・施設、習慣・制度)に囲まれて生活しています。ある広告代理店はそれらを「生活部品」ととらえ、具体的な物と個人とのかかわりの密度を調べました。
するとその調査では、非常に多くの人が「‘本’がある生活は素敵」「‘本’が身近にないと不安」とし、「‘本’を読むことが私の今後の力点」と感じていることがわかりました。
 



展示の最初を飾るのは『読む時間』という一冊。アンドレ・ケルテスによる「本を読む人々の姿」が収められた写真集です。読む姿に共通する静けさは、あらためて「読む」行為の特別さを感じさせてくれます。
 
 『いまこの瞬間この地球という星の上で
  いったい何人の女や男が子どもや老人が
  紙の上の文字を読んでいるのだろう』
〔 谷川俊太郎「読むこと」(『読む時間』巻頭詩)〕
 



本が好きな方であれば、部屋の中が「いつの間にか本でいっぱい」になってしまうことでしょう。あるとき一念発起、「えいっ」と断捨離することもありますが、長く生活を共にしている本を手放すことは難しく、手にすればつい読みふけり、「お別れするのはまた今度」と、ついつい本は積み重なってしまいます。




本を置いておく場所といえば、やはり図書館・書店。国内の図書館は2500館、書店は15000店以上存在します。図書館・書店は、新たな本との出合いや、捨ててしまった本との再会の場を提供してくれます。
 
 『…ぼくにとって本棚とは「読み終えた本」を保管しておくものではなく、まだ読んでいない本を、その本を読みたいと思ったときの記憶と一緒に並べておくものだ。「この本を読みたい」と思ったその瞬間こそ、この世でいちばん愉しいときではなかろうか…』
〔クラフト・エヴィング商會『おかしな本棚』(著者・吉田篤弘の緒言より)〕
 
 


ある時あなたと出合い、手に取って、今では自宅のあちらこちらに置かれた本。思い出したように手に取り、ページをめくっては思い出し、再び元の場所に戻す。
私たちはそうやって、同じ生活空間で本と共に生きていることになるのですが、工夫次第ではより素敵な「本がある生活空間」を醸し出すことができるのかもしれません。

 

<展示企画・監修>
澁川 雅俊 (六本木ライブラリーフェロー)

※エントランス・ショーケースは会員制ライブラリー施設内にありますので、閲覧をご希望の際には必ずメンバーズ受付へお立ち寄りください。