六本木ヒルズライブラリー
トピックス
六本木ライブラリーで働く“ライブラリアン”の仕事をご紹介!
更新日 : 2013年06月05日
(水)
六本木ライブラリーでは、日々書籍に関する業務を「ライブラリアン」が行っています。今回は、六本木、平河町、そして7月にオープンするアークヒルズライブラリーの書籍をつかさどるライブラリアン・結縄さんに、ライブラリアンの仕事について、そして本にまつわる質問にお答えいただきました。
ライブラリアンの仕事、徹底解剖!
■ライブラリアンの仕事について教えてください

毎日、新しい本を入荷しています。
(蔵書は12000冊)
(蔵書は12000冊)
書籍の発注、そして届いた本を登録し、配架する仕事が基本です。それらの本を書棚に配架し、メンバーさんが読んだ本を書棚に戻します。いつも同じ本ばかりが並んでいる、ということのないように、本の並びを入れ替えることを心がけています。
新刊の棚に配架する時期が過ぎたものについては、ライブラリー各所のジャンル分けされた棚に本を割り振っていきます。メンバーの方の著書や、イベントのある書籍についてはPOPを作成して積極的にご紹介します。メンバーの方から書籍についての問い合わせがあった場合に、本を探すお手伝いもしています。
新刊の棚に配架する時期が過ぎたものについては、ライブラリー各所のジャンル分けされた棚に本を割り振っていきます。メンバーの方の著書や、イベントのある書籍についてはPOPを作成して積極的にご紹介します。メンバーの方から書籍についての問い合わせがあった場合に、本を探すお手伝いもしています。
■ライブラリアンの仕事の面白さはなんですか?
多くの本に目を通すことで、知らないことを多く知ることができることです。自分が全く興味がない分野についての本もライブラリーには多数入荷されるので、そういったジャンルの本を手に取り(この「手に取る」というのが重要です)目を通すことで、新たな視点を得たり、未知の回路が開いたりするような感覚を得る、ことが面白いです。
■本に携わる仕事に就いて、以前と変わったことはありますか?

興味の幅が広がりました。この仕事に就いて3年になるのですが、それ以前にどれだけ限定的な、狭小的な視野で世界を見ていたかということに今改めて気付きます。
自分の全く興味の無かった本を手に取ることにより、そういった世界があることを知る、例えば以前『小石、地球の来歴を語る』という題名の本を入荷したのですが、それは「1個の小石に宇宙を見る」という壮大なお話で、本に携わる仕事をしていない限り、自分の興味の外側にあるこういった本を手に取ることは果たしてなかったと思います。
そのような世界観があるのか、という(大げさですが)感動と共に興味の幅が広がり、様々な視点を得ることで、あるひとつの物事を見る際にも見え方が変わってきます。小石を小石と見るのか、宇宙と見るのか。まあ小石は小石なんですけど。
自分の全く興味の無かった本を手に取ることにより、そういった世界があることを知る、例えば以前『小石、地球の来歴を語る』という題名の本を入荷したのですが、それは「1個の小石に宇宙を見る」という壮大なお話で、本に携わる仕事をしていない限り、自分の興味の外側にあるこういった本を手に取ることは果たしてなかったと思います。
そのような世界観があるのか、という(大げさですが)感動と共に興味の幅が広がり、様々な視点を得ることで、あるひとつの物事を見る際にも見え方が変わってきます。小石を小石と見るのか、宇宙と見るのか。まあ小石は小石なんですけど。
■六本木ライブラリーでよく見られている本の特徴はありますか?
2,3年前までは資格取得などの本が多く読まれていましたが、昨今は資格よりも考え方、働くスタイル、についての本がよく読まれている印象です。他にも「つながり」「共有」というワードの絡む本も多く読まれています。
今回インタビューした、ライブラリアン:結縄久俊さん
■プロフィール

本を探すお手伝いをします。
お気軽にお声掛けください。
お気軽にお声掛けください。
この仕事に就く前は、俳優やダンス、舞踏などの舞台活動をしていました。
職歴としては、IT関連企業での業務や、文章校正、学習教材の編集業務など。他にも塾講師や結婚式の映像撮影、焼き鳥屋の店長として働いていたこともありました。
職歴としては、IT関連企業での業務や、文章校正、学習教材の編集業務など。他にも塾講師や結婚式の映像撮影、焼き鳥屋の店長として働いていたこともありました。
■好きな本

下記の4冊をご紹介いただきました。
この中でも『ジャコメッティ』は特にお薦めとのことです。
(写真左から)
・『狂人日記』色川武大 著(講談社/2004)
・『ジャコメッティ』矢内原伊作 著(みすず書房/1996)
・『季節の記憶』保坂和志 著(中央公論新社 /1999)
・『一千一秒物語』稲垣足穂 著(筑摩書房/2008)
この中でも『ジャコメッティ』は特にお薦めとのことです。
(写真左から)
・『狂人日記』色川武大 著(講談社/2004)
・『ジャコメッティ』矢内原伊作 著(みすず書房/1996)
・『季節の記憶』保坂和志 著(中央公論新社 /1999)
・『一千一秒物語』稲垣足穂 著(筑摩書房/2008)
■座右の銘
「ただ、一切は過ぎて行きます」というのが最初に浮かび、これは何の言葉だろうかと調べてみたら、太宰治の『人間失格』でした。しかしこれではちょっと寂しいので、「現代は過去よりも必ずしも幸福ではない」でしょうか。これは好きな本『ジャコメッティ』に出てくる言葉です。つまり「未来は今よりも必ずしも幸福であるとは限らない」ということです。
未来は現在と地続きでやってくるわけですが、未来の幸福を求めて現在を生きながらも未来の幸福は必ずしも約束されたものではありません。「昔はよかった」みたいな言い方も普遍的にありますが、そうやって語られる昔というのは未来においての現在であり、「結局は今が最高によいのでは」と思うことで、たくさんの嘆かわしい事象や事態にも抗うことのできる身構え/居方ができるのではないかと思います。まあでもやはり、一切は過ぎていきます。
未来は現在と地続きでやってくるわけですが、未来の幸福を求めて現在を生きながらも未来の幸福は必ずしも約束されたものではありません。「昔はよかった」みたいな言い方も普遍的にありますが、そうやって語られる昔というのは未来においての現在であり、「結局は今が最高によいのでは」と思うことで、たくさんの嘆かわしい事象や事態にも抗うことのできる身構え/居方ができるのではないかと思います。まあでもやはり、一切は過ぎていきます。
■ライブラリーメンバーの皆さんへ
時折メンバーの方に「○○みたいな本はありますか?」と問いあわせを受けることがあり、できる限りの応対をするように心がけていますが、まだまだ力量至らずご要望にお応えすることが叶わぬこと多々です。より本に関する知見を広め、より良きご案内ができるように鋭意邁進したく思います。あと最近メンバーの方で、気軽に「最近面白い本ってある?」みたいな風に尋ねてくれる方もいて、そういうところからいろいろな話をすることも楽しいことです。どうぞお気軽にお声掛けください。
インタビューを終えて・・・
ライブラリーには、一般の図書館と異なり、様々なジャンルの本が独自に配架されています。お探しの本があれば、是非ライブラリアンにお声がけください。
探していた本の隣に、新たな世界を魅せてくれる本との出会いが待っているのも、ライブラリーの魅力の一つ。
六本木、平河町、そして7月にオープンするアークヒルズライブラリーで素敵な本との出会いを楽しんでみてはいかがでしょうか。
探していた本の隣に、新たな世界を魅せてくれる本との出会いが待っているのも、ライブラリーの魅力の一つ。
六本木、平河町、そして7月にオープンするアークヒルズライブラリーで素敵な本との出会いを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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