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上海・東京グローバル・コンファレンス

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更新日 : 2010年07月22日 (木)

第9章 グローバル・アジェンダの解決には、私たちの関与が必要

上海・東京グローバルコンファレンス 会場の様子

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竹中平蔵: 最後に、みなさんから一言ずつお願いします。

黒川清: 「変わろう」という人が、社会の各セクター、つまり企業、政府、政治、大学等々の各レイヤーに少なさ過ぎます。進取の気性の溢れる社会という意味でのアントレプルナーシップが大事です。今週(2009年11月16日~23日)はグローバル・アントレプレナーシップ・ウィークです。「Global Entrepreneurship Week/JAPAN」というウェブサイトを見てください。さまざまなプログラムをやっています。

大西隆: 日本と中国で一番大きな変化は「ビジット・ジャパン・キャンペーン」に乗って、訪日外国人、中国人が増えているということです。来年(2010年)までに訪日外国人を1,000万人、さらにその先に3,000万人にしようとしています。

日本に3,000万人が訪れると、大半は中国人になります。それを不安に思っている日本人もたくさんいます。歴史をどう考えているのか、日本と中国の文化をどう理解したらいいのかという議論もやって、真の相互理解を進めることが重要です。

周牧之: 私の自宅の近くに「三鷹の森 ジブリ美術館」があります。そこに毎日、中国人を含め、たくさんの外国人観光客が来ています。

このように、これからは世界の人々の心にきちんと響くような文化産業をメインにして発展させたらどうでしょう。そうすれば、都市はさらに魅力を増して、皆さんが幸せを感じられるような社会になっていくと思います。

竹中平蔵: どの時代、どの社会でもそうですが、結局は比較的少数の人が頑張って時代を切り開いてきました。しかし今は以前に比べると、頑張れる可能性がある人も増え、政府の中にもたくさんの民間人が入るようになって、重要な役割を果たすようになりました。

一方で、昔よりリスクが少なくなっていながら、なかなか変化できない状況でもあります。日本と中国は交流を通して、互いに活性化していくことが求められています。グローバル・アジェンダは政府だけでは解決できません。やはり私たち一人ひとりが問題意識をシェアし、関与していくことが必要だと思います。

今、スカイツリー(第二東京タワー)がつくられています。映画『ALWAYS 三丁目の夕日』には、建設中の東京タワーが出てきますが、この映画を見たときに、「ああ、こうして頑張った時代があったのか」と思いました。私はスカイツリーが出来上がっていくのを毎日見ていこうと思っています。50年後、「あのとき頑張ったから、今日があるんだ」と思えるように。みなさん、本日はありがとうございました。(終)

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