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ここがヘンだよ日本人?外国人との議論から見えた個人の課題

~石倉洋子のグローバル・ゼミ同窓会~

活動レポートグローバル政治・経済・国際キャリア・人
更新日 : 2019年04月16日 (火)



2月最後の土曜日。石倉洋子のグローバル・ゼミ(Global Agenda Seminar/GAS)の卒業生が同窓会に参加するためにアカデミーヒルズに集まりました。今回は2010年から2018年までの卒業生だけでなく、議論に多様性を反映させるために多数の外国人ゲストの方々にもご参加いただき、ディスカッションを実施。あらゆる国籍の外国人とともにGASアラムナイが議論したこととは?

講師:石倉洋子(一橋大学名誉教授)
開催日:2019年2月23日(土)
文/清水 写真/田山達之 

ここがヘンだよ日本人!?

最初に、石倉教授から2010年に始まったGASの経緯、アラムナイと外国人ゲストへのwelcomeのご挨拶がありました。

その後、あらゆる国籍の外国人をゲストとして今回お迎えした目的、「日本で最もおかしいと思うことは何か」というテーマでグループに分かれて議論をした後に、What とWhy で答えていく方式を取ることの説明が続きます。

この会にご参加いただいた外国人の方々の国籍は、マレーシア、ベトナム、ネパール、スリランカ、香港などのアジアだけでなく、アメリカ、カナダ、オランダ、ドイツ、そしてイスラエル・・・と幅広く、ダイバーシティに富んだ場となりました。

外国人から見た「ここがヘンだよ日本人」を日本人であるGASアラムナイの人々と一緒にディスカッションするという初めての試みです。

予め決められた8つのグループに分かれて行ったディスカッションでは、日本人のGASアラムナイ、外国人ゲストたちがそれぞれの視点から意見が飛び交い、笑い声も飛び交い、議論が大いに盛り上がりました。

議論の先にあるもの:総合的に考え、問題の本質を捉える

白熱した議論の後は、各グループから「What」と「Why」についてのレポートバックの時間です。

しかし、「What」と「Why」の結論に入る前に、長く色々と説明してしまうグループがあったことから、石倉教授が「最初からあなたのチームの『What』と『Why』を明確にしてレポートしてください。」という場面も。

また、「What」をいくつかリストアップして、それに該当する「Why」のリストをレポートしたチームもあり、石倉教授からは次のような指摘がありました。

「双方をリストアップするのは典型的な方法ですが、それでは何の解決にもなりません。それぞれの事項を挙げた後に、全体を俯瞰してみて、総合的に何が問題の本質なのかを考えない限り、ただリストアップしただけに終わってしまいます。」

「議論を通じて総合的に何を問題と感じ、どうしたらいいのか。そこまで考えて初めて議論する意義があるのです。」

議論の先に見えてくる問題の本質をどう捉えるのか?同窓会とはいえ、ピリリとした知的緊張感が部屋を包みます。

「調和を好み、多様性がないことが問題。それはこれまでの歴史と居心地の良さが原因。しかし居心地の良さからはイノベーションは生まれない」

「 教育が日本の問題であると認識した。なぜなら、私たちが考えた日本でおかしいと思うことの原因は、全て教育に行きつくから。」

石倉教授の指摘を受けてレポートバックを改善してきたグループの発表は、メッセージがぐっと明確になりました。

懇親会で新たなチャレンジを共有

頭に汗を書いた”知的筋トレ”をした後は、お楽しみの懇親会のお部屋へと場所を移して交流タイム。

全て英語で行われ、参加者によるアウトプットに重きが置かれたディスカッションもさることながら、新しいことにチャレンジしている卒業生が自分の活動の紹介をして仲間を募る時間も設けた交流会もGASらしさ満載です。

「GASには行動力のある人々が多いので、私にとって、とても大切なネットワークです。」という石倉教授の言葉通り、約300名のアラムナイのネットワークはGASの魅力の一つです。

GASは2019年も6月に開講を予定しており、現在受講生を募集中です!
今回の同窓会でもアラムナイに実感していただいた「ダイバーシティ」がGAS2019のテーマです。

GAS2019のプログラムへのエントリーは、公式WEBサイトからどうぞ!