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活動レポート

米倉教授の2時間講義—そもそもビジョンに、根拠なんていらない—

キリンも入る!?新空間で日本元気塾セミナー開催しました

更新日 : 2011年10月12日 (水)

[アカデミーヒルズ スタッフの活動レポート]

日本元気塾セミナー 未来をつくるイノベーションシリーズ 
第1回 米倉教授の「創発的破壊」2時間講義 ~世界・歴史から学ぶパラダイムチェンジ~
開催日:9月28日(木)19:00~21:00@六本木クロスポイント
講師:米倉誠一郎(日本元気塾塾長/一橋大学イノベーション研究センター長・教授)

文/さの 写真/アカデミーヒルズスタッフ


TOYOTA「Winglet」で颯爽と登場!どよめく会場。


米倉誠一郎教授(日本元気塾塾長/一橋大学イノベーション研究センター長・教授)
満員の観衆に語りかけ、対話した2時間

9月28日、六本木の新たなオフィスビル(特長は、キリンも入ってしまう?!高い天井!)「六本木 クロスポイント」で、米倉教授の熱い、2時間講義が幕を開けました。

米倉教授は、TOYOTAのパーソナルモビリティー「Winglet」に乗って登場!この新たなモビリティも然り、日本にはもの凄くポテンシャルの高いものが存在するんだ!という話で口火を切りました。
しかし、今の日本は物事に関心や好奇心を抱いたところで、様々な規制によって想いを断たれてしまう。そうこうしているうちに、世界ではiPhoneやクラウドが沸き立ち、日本は完全に遅れをとっている。そして問題なのは、内向きで受け身なメンタリティ。他国のモチベーションに負けている、と。

今回のテーマは「歴史・世界から学ぶパラダイムチェンジ」。
日本は戦後、「日本はこういう国になる、こういう国にしよう」という時代感を共有し、さあやってやろうという若い志ある人々が活躍して、鉄鋼・メーカー・ホテル業などが発展したという歴史があります。さらに「そもそもビジョンに根拠なんていらない」という、1961年にケネディ大統領がアポロ計画の発端となる演説(月へ行く計画は、技術的に裏づけのない状態だった)を例にあげます。アポロ計画のミッションを成功させたチームの平均年齢は28歳位だったといいます。ケネディの声に賛同した若者がNASAに入り、ケネディ亡き後ミッションを成功させる。つまり、アポロ計画は、優秀なリーダーの力ではなく、個々の力が集まり、総和となって大きな力を発揮し成功させた、まさに「創発」の成果だと。

開放的な空間で、米倉教授との対話の中から、今の日本に必要なことは、リーダーが何もやってくれないと嘆き、批判するのではなく、戦後の日本を押し上げたような、アポロ計画を推し進めた若者たちのような、個の力の強化にある、私たちが頑張らなければ!と気持ちを強くした2時間講義でした。

次回、米倉教授がモデレーターをつとめる日本元気塾セミナーは10月17日に開催します。
震災直後に世界中の祈りを集めたTwitterまとめサイト「Prayforjapan.jp」を作った20歳の新鋭クリエーターと、個人間での支援物資マッチングサイト「Toksy(トクシー)」の生みの親をゲストに、ビジョンを形にするヒントや、継続的なビジネスとして成り立つ社会貢献の形を探ります。

関連リンク

  10/17には、米倉教授がモデレーターをつとめる「日本元気塾セミナー」開催!

山下博巨(株式会社オンザボード最高情報責任者)、鶴田浩之(株式会社Labit代表取締役)
米倉誠一郎(日本元気塾塾長/一橋大学イノベーション研究センター長・教授) 
『Toksy』『prayforjapan.jp』、3.11東日本大震災後に立ち上がった2つの「日本を元気にする」WEBサービスの、生みの親である二人をゲストにお招きします。「技術力」という強い武器をもつお二人の、プロデューサー的視点、周りを巻き込むリーダーシップ、プロジェクトの進め方や、人の役に立つモノづくりへのこだわりを通じて、自分自身の強みをどう生かしたら「アイデアを形にする」ことができるのか考えていきます。

関連書籍

創発的破壊 未来をつくるイノベーション

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米倉誠一郎
ミシマ社