山田昌弘(やまだ・まさひろ)
中央大学 文学部 教授
プロフィール

専攻は家族社会学・感情社会学。
愛情やお金を切り口として、親子・夫婦・恋人などの人間関係を社会学的に読み解く試みを行っている。
「パラサイト・シングル」という言葉の生みの親で、精緻な社会調査をもとに「学卒後も親と同居し、基礎的生活条件を親に依存している未婚者=パラサイト・シングル」の実態や意識について分析した著書『パラサイト・シングルの時代』ちくま新書(1999年)は話題を呼んだ。
政治・経済の領域と同じように、家族においても「今までと同じやり方ではうまくいかない」という現実を見つめ、戦略的思考で家族生活のリスクマネージメントを行うべき時代だと説いている。1990年代後半から日本社会が変質し、若者の多くから希望が失われていく状況を「希望格差社会」と名づけ、格差社会論の先鞭をつけた。2006年のユーキャン新語流行語大賞トップ10に選ばれる。また、「婚活(結婚活動)」の名付け親でもある。
著書は『近代家族のゆくえ』新曜社(1994年)、『家族というリスク』勁草書房(2001年)、『家族ペット』文春文庫(2004年)、『希望格差社会』ちくま文庫(2004年)、『迷走する家族』有斐閣(2005年)、『新平等社会』文藝春秋(2006年)-日経BP社BizTech図書賞受賞、『少子社会日本』岩波新書(2007年)、『婚活時代』共著、ディスカヴァー21(2008年)など多数。近著に『ワーキングプア時代』文藝春秋(2009年)、『幸福の方程式』共著、ディスカヴァー21(2009年)、『なぜ若者は保守化するのか』東洋経済新報社(2009年)など多数。
読売新聞人生案内回答者、週刊東洋経済「コンパス」レギュラー、テレビ朝日報道ステーション・ゲストコメンテーターを務める。
現在、内閣府男女共同参画会議民間議員など公職を歴任。
関連講座
2010年06月
20世紀から21世紀の「幸福の方程式」へ
~消費と幸福の新しい関係~
講座開催日:2010年06月07日 (月)
山田 昌弘(中央大学 文学部 教授)
袖川 芳之(株式会社電通 ソーシャル・プランニング局 プランニング・ディレクター)
いま、「幸せ」ブームと言われています。戦後、長い間「消費によって豊かな家族をつくるということ=幸福」という図式を誰もが共有していました。しかし価値観が多様化し、不況を迎えたいま、新しい「幸福の方程式」が求められています。本セミナーでは、「パラサイト・シングル」「格差社会」「婚活」など数多くのブームの火付け役となった気鋭の社会学者である山田氏とマーケターの袖川氏が、幸福観の変化から読み解く新しいライフスタイルと消費のカタチについて語ります。

著作書籍
希望格差社会—「負け組」の絶望感が日本を引き裂く
山田昌弘筑摩書房
なぜ若者は保守化するのか
山田昌弘東洋経済新報社
幸福の方程式—新しい消費のカタチを探る
山田昌弘ディスカヴァー・トゥエンティワン
ワーキングプア時代—底抜けセーフティーネットを再構築せよ
山田昌弘文藝春秋
「婚活」現象の社会学—日本の配偶者選択のいま
山田昌弘東洋経済新報社
なぜ日本は若者に冷酷なのか - そして下降移動社会が到来する
山田昌弘東洋経済新報社
結婚クライシス
山田昌弘東京書籍
悩める日本人「人生案内」に見る現代社会の姿
山田昌弘ディスカヴァ−・トゥエンティワン
結婚不要社会
山田昌弘朝日新聞出版
新型格差社会
山田昌弘朝日新聞出版
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