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活動レポート
<講座体験レポート> 「一日で学ぶ 会計力と戦略思考力 演習講座」
~企業の数字と戦略を結びつけるプロセスを身につける~
決算書を分析し的確な意思決定するために、どう数字を読み、戦略立案に結びつけていけば良いのか?
活動レポートビジネススキルアカウンティング・ファイナンス
更新日 : 2017年10月17日
(火)
【講座体験レポート】今回の活動レポートは、受講した方の声をお届します。
「なぜ受講しようと思ったのか?」「受講して学ばれたこと」など、実際に受けられてどのように感じられたのでしょうか?講座名:アダットシリーズ「一日で学ぶ 会計力と戦略思考力 演習講座」
~企業の数字と戦略を結びつけるプロセスを身につける~
開催日:2017年2月4日(土)10:00~17:00
講師:大津広一 (株式会社オオツ・インターナショナル代表取締役)
体験者・文:小笹 文(イベントレジスト株式会社 最高業務執行責任者/COO)
<この講座を受講したいと思った理由>

私は取締役としてIT系ベンチャー企業の経営に携わっているのですが、実は会計に関する知識を体系的に学んだことがなく、日々の業務や会計事務所とのやり取りの中で覚えていきました。
果たしてそれで必要な知識が身についているか少し不安になることもありましたし、事業戦略を立案する上で会社の会計情報をより戦略的に考える視点を身につけたいと思い、受講しました。
果たしてそれで必要な知識が身についているか少し不安になることもありましたし、事業戦略を立案する上で会社の会計情報をより戦略的に考える視点を身につけたいと思い、受講しました。
論理的思考力を導くために大事な2つのポイント

講義資料

講義風景

大津広一講師
講座は10:00-17:00。前半では損益計算書(PL)/貸借対照表(BS)/キャッシュフローについてじっくりと読み、後半はそれを元に戦略面について考えていきます。途中でランチタイムを挟みながらの一日講座。途中で発言の機会や、グループディスカッションをする時間もあるので、あっという間に時間が過ぎていきました。今回は経理・財務系の受講者は少数で、ベンチャー企業の経営者や営業系のお仕事の方など様々な職種の方が集まっていたようです。
まず前半の損益計算書(PL)/貸借対照表(BS)/キャッシュフローについてから。
まず先生から、論理的思考力を導くために大事な2つのポイントについてレクチャーがありました。1つめに、「WHY(なぜそうなのか?)/SO WHAT?(だから何が言えるのか?)/HOW?(どのように解決していくのか?の視点を忘れないこと)」。そして2つめに、「様々なステークホルダー目線で見てみること」。本質的な原因や問題解決を行うための分析をしなければ、目だった数字のみに着目して誤った判断をしてしまう可能性があることに気付きました。そして問題解決はどのステークホルダーを相手にするのかによってストーリーが異なることを最初に頭に入れ、実際に損益計算書(PL)を見ていきました。
数社分の具体的な損益計算書(PL)を見ながら、それがどの会社のものなのかを考えます。とても実践的だと思ったのは、まず自分で予想を立て、さらに参加者でグループに分かれディスカッションをする点。様々なバックグラウンドの方が集まっているので、グループディスカッションをすることで、違った切り口の視点に気づくことができました。そしてその推察を元に、先生が具体的にPLのどこを見て判断していけば良いのかを解説。単に数字を見るだけではなく、様々な業界のPL上の特徴や、どういう視点で数字を見るとその会社の状態を分析することができるのかなどがわかり、業界の特性やビジネスモデルを鑑みながら分析する必要性を実感しました。
続いて貸借対照表(BS)に進みます。個人的には、PLはよく見るものの、BSはあまり日々細かく見て分析することはないため、苦手意識を持っていました。先生は「いきなり細かい項目を見ずに塊で見るように。優先順位をつけて目的をつけるか大きな数値から見るように。そして先に見てから考えずに、考えてから読むように。」と、BSのあるべき読み方を説明。PLと同様、もちろん表面的に数字を見るだけでは分析はできないですし、対策も取ることはできないですね。BSの基本的に知っておくべき用語とそれが企業会計の何を指すかを確認し、具体的な企業を例に挙げ、BS構造仮説立てた上で、実際のBSを確認していきました。
PL分析の時もそうでしたが、BSも、その会社の事業構造や投資状況、例えばその会社の売上はどういった軸で構成されているのか、どのような資産が大きそうなのかなど、仮説を立ててから実際に読むと、その会社が実質借金をしているのかどうか、投資が適正であるか、キャッシュフローに余裕があるかどうかなど、その会社の健康状態を適切に把握できることがわかりました。
まず前半の損益計算書(PL)/貸借対照表(BS)/キャッシュフローについてから。
まず先生から、論理的思考力を導くために大事な2つのポイントについてレクチャーがありました。1つめに、「WHY(なぜそうなのか?)/SO WHAT?(だから何が言えるのか?)/HOW?(どのように解決していくのか?の視点を忘れないこと)」。そして2つめに、「様々なステークホルダー目線で見てみること」。本質的な原因や問題解決を行うための分析をしなければ、目だった数字のみに着目して誤った判断をしてしまう可能性があることに気付きました。そして問題解決はどのステークホルダーを相手にするのかによってストーリーが異なることを最初に頭に入れ、実際に損益計算書(PL)を見ていきました。
数社分の具体的な損益計算書(PL)を見ながら、それがどの会社のものなのかを考えます。とても実践的だと思ったのは、まず自分で予想を立て、さらに参加者でグループに分かれディスカッションをする点。様々なバックグラウンドの方が集まっているので、グループディスカッションをすることで、違った切り口の視点に気づくことができました。そしてその推察を元に、先生が具体的にPLのどこを見て判断していけば良いのかを解説。単に数字を見るだけではなく、様々な業界のPL上の特徴や、どういう視点で数字を見るとその会社の状態を分析することができるのかなどがわかり、業界の特性やビジネスモデルを鑑みながら分析する必要性を実感しました。
続いて貸借対照表(BS)に進みます。個人的には、PLはよく見るものの、BSはあまり日々細かく見て分析することはないため、苦手意識を持っていました。先生は「いきなり細かい項目を見ずに塊で見るように。優先順位をつけて目的をつけるか大きな数値から見るように。そして先に見てから考えずに、考えてから読むように。」と、BSのあるべき読み方を説明。PLと同様、もちろん表面的に数字を見るだけでは分析はできないですし、対策も取ることはできないですね。BSの基本的に知っておくべき用語とそれが企業会計の何を指すかを確認し、具体的な企業を例に挙げ、BS構造仮説立てた上で、実際のBSを確認していきました。
PL分析の時もそうでしたが、BSも、その会社の事業構造や投資状況、例えばその会社の売上はどういった軸で構成されているのか、どのような資産が大きそうなのかなど、仮説を立ててから実際に読むと、その会社が実質借金をしているのかどうか、投資が適正であるか、キャッシュフローに余裕があるかどうかなど、その会社の健康状態を適切に把握できることがわかりました。

次に、キャッシュフローの読み方に移ります。PL上の利益は実際に受け取っているお金ではないので、キャッシュフロー上で実際に受け取っていないケースもある。BS上で回収状況や在庫状況などを確認する必要がある。利益とキャッシュフローは異なり、この視点がないと黒字倒産となるリスクがあることを、題材を見ながら確認。その後、キャシュフロー計算書について、その見方を学びました。
PL、BS、キャッシュフローの読み方を一通り理解し、いよいよそれらを元にどう戦略思考力を培っていくか、実践を交えてトレーニングします。資料では、とある業績が芳しくない企業の決算推移を読み、PL、BSを元に、どこがネックとなっているのかを探りました。さらに別のケーススタディとして、小売業大手2社の状況を比較。
この時にまず2社のビジネスをまず想像し書き出したのですが、マーケティングの4P(Price / Product / Place / Promotion )などのフレームワークを活用すると有効という話がありました。2社の特徴を4P軸で出し、実際の数字を見て検証。その後見方をバリューチェーンに置き換え、再度それが数字上ではどう示されているのかを確認し、講座は終了しました。
* * *
決算書を分析して的確な意思決定をしていくために、どう数字を読み、戦略立案に結びつけていけば良いのかを、1日で体系立てて学ぶことができました。今までなんとなく経験値でやってきたことが正しい方法だったことを確認することができましたし、同時に、これまで見落としていた側面や、戦略を立てる上で落とし穴となりそうな部分を把握することができたので、早速自分の会社の状態を客観的に見直し、戦略の妥当性を検証してみようと思います。
アカデミーヒルズスクールが開催する休日の1日講座は初めて参加しましたが、49Fにある落ち着いた環境で晴れた外の景色も楽しむことができ、間にランチタイムもあり、終始落ち着いた環境で集中して取り組むことができました。
自分の興味ある分野の専門性を高めるためにアカデミーヒルズに通う…そんな休日の過ごし方も良いなと思いました。(了)
PL、BS、キャッシュフローの読み方を一通り理解し、いよいよそれらを元にどう戦略思考力を培っていくか、実践を交えてトレーニングします。資料では、とある業績が芳しくない企業の決算推移を読み、PL、BSを元に、どこがネックとなっているのかを探りました。さらに別のケーススタディとして、小売業大手2社の状況を比較。
この時にまず2社のビジネスをまず想像し書き出したのですが、マーケティングの4P(Price / Product / Place / Promotion )などのフレームワークを活用すると有効という話がありました。2社の特徴を4P軸で出し、実際の数字を見て検証。その後見方をバリューチェーンに置き換え、再度それが数字上ではどう示されているのかを確認し、講座は終了しました。
* * *
決算書を分析して的確な意思決定をしていくために、どう数字を読み、戦略立案に結びつけていけば良いのかを、1日で体系立てて学ぶことができました。今までなんとなく経験値でやってきたことが正しい方法だったことを確認することができましたし、同時に、これまで見落としていた側面や、戦略を立てる上で落とし穴となりそうな部分を把握することができたので、早速自分の会社の状態を客観的に見直し、戦略の妥当性を検証してみようと思います。
アカデミーヒルズスクールが開催する休日の1日講座は初めて参加しましたが、49Fにある落ち着いた環境で晴れた外の景色も楽しむことができ、間にランチタイムもあり、終始落ち着いた環境で集中して取り組むことができました。
自分の興味ある分野の専門性を高めるためにアカデミーヒルズに通う…そんな休日の過ごし方も良いなと思いました。(了)
実際に講座を受講して得た<気づきポイント>
● 一方通行に講義を受けるのではなく、ディスカッションなどを交え、自分で考えながら理解を深めていくことができた
● 実際の企業の財務諸表を元にしたケーススタディを数多く取り上げ、具体的・実践的に学ぶことができた
● 自分が携わる業界以外の会計上の特性や構造についても把握できたことで、かえって自分の携わる業界の会計上の特性も際立ち、見るべきポイント、注意すべきポイントなど頭に入った
● 実際の企業の財務諸表を元にしたケーススタディを数多く取り上げ、具体的・実践的に学ぶことができた
● 自分が携わる業界以外の会計上の特性や構造についても把握できたことで、かえって自分の携わる業界の会計上の特性も際立ち、見るべきポイント、注意すべきポイントなど頭に入った

講座を受講する小笹文さん(左)/アカデミーヒルズからの景色
次回の「一日で学ぶ 会計力と戦略思考力 演習講座」

一日で学ぶ 会計力と戦略思考力 演習講座
大津 広一(株式会社オオツ・インターナショナル代表取締役 早稲田大学ビジネススクール客員教授)
ビジネスの現場では、会計数値を読み解く力「会計力」と、経営戦略を考察する力「戦略思考力」の両方が必要です。本講座では、この二つの能力をバランスよく使いこなすためのフレームワークを学習した上で、演習を通して、両者のスキルを実践的に学んでいきます。
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