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朝8時から90名が参加! <ケロッグ・モーニングセッション>
~マーケティングと脳科学で読み解く、行動のなぜ?~

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更新日 : 2017年03月06日 (月)

ケロッグ経営大学院 モーニング・セッション
「脳科学、マーケティング、エピジェネティクス」スタッフレポート 

開催日:2016年9月16日(金)8:00~9:30
講師:中野 信子 (脳科学者/医学博士/認知科学者)
鳥山正博 (立命館大学経営大学院専任教授)


9月16日に脳科学者の中野信子氏と立命館大学経営大学院の鳥山正博氏をお迎えし、ケロッグ大学大学院モーニング・セッション「脳科学、マーケティング、エピジェネティクス」が開催されました。

脳科学でもっとマーケティングの領域に踏み込みたいという想いのあった中野氏と、今のマーケティングの定義や領域を広げていくべきという鳥山氏。両氏の問題意識から今回の講座が実現し、“脳科学とマーケティング”双方の領域の最新情報が得られる学びの多い朝となりました。

最新の認知科学研究でみているものは?



脳科学、エピジェネティクスという言葉を耳にしたことはあっても、なかなかピンと来る方は少ないのではないでしょうか。

まずはじめに中野氏より、その歴史や発展過程を初学者にも分かりやすく紹介いただきました。脳科学と社会の接点を辿り、興味深い脳科学研究の世界を垣間見ることができました。

脳科学とは、神経科学、認知科学、計算機科学といった分野で構成されますが、一般的に私たちが考えたり、メディアなどで「脳科学」と呼ばれていることが多いものは認知科学の領域に属するそうです。そして認知科学の最先端の研究では、“血流”をみているそうで、血流と行動との関係性のお話には、驚いた参加者も多かったようです。

マーケティング上の素朴な疑問を脳科学で解く



つづいて、中野氏と鳥山氏の対談形式で従来のマーケティングでは、説明できない状況を脳科学のアプローチで解説していきます。

「ネットゲームにはまってしまうのはなぜ?」「SNSに投稿したくなるのはなぜ?」「歳をとるとだまされやすくなるのはなぜ?」など、身近な疑問についてお答えいただきました。これらの行動にはまっているときは、脳の働きや神経伝達物質も違う現象が起きていることや、いわゆる私たちが脳がやっていると考えるということを司る前頭前野は、歳をとるにつれ委縮していくことなど、説明を伺うと「なるほど!」と納得しました。

また、クロスボーダービジネスでのマーケティングの違いはよく指摘されることですが、単なる文化や国民性の違いではなく「生物学的」な違いが指摘されているという、脳科学研究の最新研究もご紹介いただきました。


朝時間で学びと交流を!
※サンドイッチ・コーヒー付

参加者からの質疑応答を受けて1時間半、「講座は思いの外短かく、朝から新しい世界を垣間見ることができた」「最先端の研究テーマに触れると、仕事にもいろいろなヒントがあり、良い刺激になった」などの感想をいただきました。仕事の都合も、夜より朝のセミナーの方が都合がつきやすいという方もいらっしゃるようです。

該当講座

「脳科学、マーケティング、エピジェネティクス」
「脳科学、マーケティング、エピジェネティクス」

脳科学者の中野信子氏と立命館大学ビジネススクールの鳥山正博教授をお迎えし、脳科学とマーケティングをテーマに開催します。「流行商品は流行している時にはあんなに欲しいのに流行が終わるとダサく感じるのか」等、脳科学をベースにマーケティングのフレームを考えると何が変わって来るのでしょうか。マーケティングから脳科学への「素朴な疑問」を投げかけ、一緒に考える対話セッションです。


次回のケロッグ経営大学院 モーニング・セッション

「経営におけるガバナンスとはどうあるべきか?」
「経営におけるガバナンスとはどうあるべきか?」

今回のモーニング・セッションでは、経営・ガバナンスに関わるいくつかの重要な立ち位置を経験されてきたソニー㈱社友の青木昭明氏をお迎えします。
ナビゲーターはコーポレートガバナンスを専門分野とする伊藤武志博士。
「ガバナンスとはどのようなものか? これからの日本の企業経営はどうあるべきか?」を、日本有数の実践者である青木氏との対談のなかで、現代的な経営・ガバナンスを浮き彫りにし、多くの方が持っているであろうガバナンスについての素朴な疑問にも触れていきます。