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宇宙的視座で考える

グローバルの視点で考え議論する [Global Agenda Seminar 2013] 開催レポート

更新日 : 2013年11月06日 (水)

Global Agenda Seminar 2013 セミナーの様子

Session 5
多国籍のクルーたちとミッションを遂行する宇宙飛行士に学ぶ
~Collaborating with Multinational Crew Members in the Space~

ファシリテーター:石倉洋子(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授)
ゲスト講師:向井千秋 (宇宙航空研究開発機構(JAXA) 有人宇宙環境利用ミッション本部 宇宙医学研究センター長、宇宙飛行士、医師・医学博士)

文/小林麻実 写真/スクール事務局




地球規模の視座を持ち、さまざまな問題をグローバルに考え、提言していくことを目的とするグローバル・ゼミ(GAS)。5回目のセッションでは、地球を越えて、宇宙開発の問題まで英語でディスカッションをすることとなりました。

本テーマについてお話頂いたゲスト講師は、日本人女性初の宇宙飛行士・向井千秋氏。現在は宇宙航空研究開発機構(JAXA)で宇宙医学研究センター長を務められています。まさに、誰もが宇宙についてお話を聞いてみたいと思う方ではないでしょうか? 子どもの頃から宇宙に強い関心があったという、石倉洋子・慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授も、いつもにも増してエネルギッシュに向井氏をお迎えしました。

今年、2013年は、世界史上初めての女性宇宙飛行士テレシコワが宇宙飛行を行ってから50年目にあたる記念すべき年なのだそうです。「子どもの頃は宇宙飛行士になるなんて考えもしなかった。医者になることだけを望んでいた…」と話し始めた向井氏の語り口はとても明るくポジティブ。参加者はその魅力的なオーラにひきつけられていきます。

「無重力の宇宙に行くことは想定していたけれど、また地球に戻って重力のある世界を経験したのもエキサイティングだった」等のさまざまなエピソードとともに、現在従事されている「究極の予防医学」という宇宙医学の役割について等、ふだんの生活ではなかなか知ることのできない専門的なお話を伺うことができました。

向井氏からゼミ生に事前出題されていた課題は「日本は有人宇宙開発を推進すべきか? Yes、Noで答えなさい」など、3題ありました。それらを「政策立案者」、「民間企業」等の立場からグループで発言させ、他のグループとの違いを際立たせていく石倉教授のファシリテーションは、いつ見ても感心させられます。論理的で真剣なディスカッションでありながらも、時折笑いもこぼれる和気藹々とした雰囲気の中で、ゼミ生たちは積極的に議論を進めていきます。このあたり、グローバル・ゼミがスタートした4か月前とは、かなり違った感じになってきたように思えます。

次回はいよいよ最終回。グループごとに半年間考えてきた提案をプレゼンテーションします。