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活動レポート
FITビジネスは成り立つか?
[Global Agenda Seminar 2012]開催レポート
更新日 : 2012年10月24日
(水)
テーマ:環境とビジネスを両立させる ~Solving environmental problems through business~
ファシリテーター:石倉洋子(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授)
文/小林麻実 写真/スクール事務局
![GAS第3ターム風景](/note/report/2012/tqe2it00000ine1f-img/tqe2it00000ine96.jpg)
![石倉洋子](/note/report/2012/tqe2it00000ine1f-img/tqe2it00000ine9d.jpg)
FITー電力等の固定買取制度ーをご存じですか?
太陽光や風力による発電等の普及のために、それらによって作られたエネルギーの買取価格を保証するものです。
このFITについて、「FITビジネスは成り立つか? その功罪を両方挙げて下さい」というのが、[グローバル・アジェンダ・ゼミナール2012] 第3タームの2回目の課題でした。前回のゲスト講師の中西武志・カーボンフリーコンサルティング代表取締役のレクチャーを踏まえ、参加者たちは十分なリサーチを行い、当日に臨みました。
今回のセッションで、ゼミ生は事前にFITの肯定派と否定派に立場を変えながら、どちらからでもロジカルに英語で議論していくことが求められていました。個人の思いとは別に、あえて反対側からの立場からの主張も構築していくディベート。これは、グローバルな機会に効果的な発言をするうえで、欠かせないプラクティスです。18名の参加者は3つのチームに分かれ、入念に論理構成を固めてきました。
ところがセッション当日、ファシリテーターの石倉洋子・慶応大学大学院メディアデザイン研究科教授は、皆の想定を超えるような状況を設定します。
「FITに、ただYES、NOを言うのではなく、それを“誰に言うのか”を踏まえて議論するように」というのです。
具体的には…、東北で福島原発事故に関する国会事故調査委員会が報告書を説明するタウンミーティングを開く。そこの出席者として、FITビジネスを肯定する側と否定する側に分かれ議論する。というのが、最初の状況設定でした。どちらのチームが肯定するのかは、石倉教授に指定されます。
こうなると、「東北のタウンミーティングの出席者」に賛同してもらえるような論理を、その場でチームごとに作っていかなくてはなりません。唖然とする暇も与えられぬまま、必死で短時間のうちにチームの戦略を再びまとめ、議論を開始する参加者を尻目に、石倉教授はにこやかにクラスをリードしていきます。
その後も"IMF/世界銀行の総会のために海外から来日中の金融関係者に対してFITの功罪を主張する"、"新総理が決まったとして、FITの可能性をビジネス関係者からヒアリングしたいとしたら?"と、次々状況が投げかけられ、「誰もが必ず発言すること!」という石倉教授の方針ともあいまって、参加者はまったく気を緩めることさえできません。
「何をどのようにロジカルに言うか、だけでなく、誰に向かっていうのか、ということも考える必要があるのですね」「ステークホルダーによって、自分自身の論旨があまりにも変わっていくことに驚いてしまいました」という声が聞こえるなど、「苦しいけれど面白い。他では得られない経験」に、多くの参加者がグローバル・アジェンダ・ゼミナールと石倉教授の魅力に、また一段と魅せられたセッションでした。こういった自分の知力を引き出される楽しさを存分に味わうことのできるのが、[グローバル・アジェンダ・ゼミナール 2012] の魅力のひとつです。
さて、次回は何が起こるのでしょうか?
太陽光や風力による発電等の普及のために、それらによって作られたエネルギーの買取価格を保証するものです。
このFITについて、「FITビジネスは成り立つか? その功罪を両方挙げて下さい」というのが、[グローバル・アジェンダ・ゼミナール2012] 第3タームの2回目の課題でした。前回のゲスト講師の中西武志・カーボンフリーコンサルティング代表取締役のレクチャーを踏まえ、参加者たちは十分なリサーチを行い、当日に臨みました。
今回のセッションで、ゼミ生は事前にFITの肯定派と否定派に立場を変えながら、どちらからでもロジカルに英語で議論していくことが求められていました。個人の思いとは別に、あえて反対側からの立場からの主張も構築していくディベート。これは、グローバルな機会に効果的な発言をするうえで、欠かせないプラクティスです。18名の参加者は3つのチームに分かれ、入念に論理構成を固めてきました。
ところがセッション当日、ファシリテーターの石倉洋子・慶応大学大学院メディアデザイン研究科教授は、皆の想定を超えるような状況を設定します。
「FITに、ただYES、NOを言うのではなく、それを“誰に言うのか”を踏まえて議論するように」というのです。
具体的には…、東北で福島原発事故に関する国会事故調査委員会が報告書を説明するタウンミーティングを開く。そこの出席者として、FITビジネスを肯定する側と否定する側に分かれ議論する。というのが、最初の状況設定でした。どちらのチームが肯定するのかは、石倉教授に指定されます。
こうなると、「東北のタウンミーティングの出席者」に賛同してもらえるような論理を、その場でチームごとに作っていかなくてはなりません。唖然とする暇も与えられぬまま、必死で短時間のうちにチームの戦略を再びまとめ、議論を開始する参加者を尻目に、石倉教授はにこやかにクラスをリードしていきます。
その後も"IMF/世界銀行の総会のために海外から来日中の金融関係者に対してFITの功罪を主張する"、"新総理が決まったとして、FITの可能性をビジネス関係者からヒアリングしたいとしたら?"と、次々状況が投げかけられ、「誰もが必ず発言すること!」という石倉教授の方針ともあいまって、参加者はまったく気を緩めることさえできません。
「何をどのようにロジカルに言うか、だけでなく、誰に向かっていうのか、ということも考える必要があるのですね」「ステークホルダーによって、自分自身の論旨があまりにも変わっていくことに驚いてしまいました」という声が聞こえるなど、「苦しいけれど面白い。他では得られない経験」に、多くの参加者がグローバル・アジェンダ・ゼミナールと石倉教授の魅力に、また一段と魅せられたセッションでした。こういった自分の知力を引き出される楽しさを存分に味わうことのできるのが、[グローバル・アジェンダ・ゼミナール 2012] の魅力のひとつです。
さて、次回は何が起こるのでしょうか?
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