六本木ヒルズライブラリー

【東大EMP×アカデミーヒルズ企画対談】
経済は平和を守れるのか?~第一次世界大戦の原因を探る~
(19:30~21:00)

【スピーカー】小野塚 知二(東京大学経済学研究科 教授)
       中村 尚史(東京大学社会科学研究所 教授)

ライブラリーイベント

【六本木/アークヒルズ/平河町ライブラリーメンバー対象】
 ※マイページよりお申込みください。
【会場】アカデミーヒルズ(六本木ヒルズ森タワー49階)

日時

2015年04月27日 (月)  19:30~21:00
終了しています

内容

経済的関係が良好ならば、平和は保たれ、戦争は発生しないのか?

これは、現在の東アジアに突き付けられた問いです
東アジアの経済は互いに深く結びつき、切り離しがたい関係にあるのは周知の通りでしょう。他方で、東アジア諸国の間にはさまざまな外交的・軍事的な問題があり、人々の間には反感や不信感がくすぶっています。
実は、これとまったく同じ構図が、100年以上前の世界に存在しました。第一次世界大戦前のヨーロッパです。当時のヨーロッパでは、通信技術の向上によって世界の情報が瞬時に行き来し、互いに相手国のことをよく知っていました。物流網の発展は、かつてない密接な国際分業体制を出現させ、各国・各地域がそれぞれに経済発展を遂げていたのです。

しかし、それは戦争を防ぐ力にはなりませんでした。ヨーロッパは結局、第一次世界大戦へと突入し、最初のグローバル経済の時代(1914年以前の数十年間の国際金本位制・多角的決済システム)は開戦によって断ち切られ、完全に破壊されてしまったのです。なぜ、こうした緊密な関係であったにも関わらず、対立や不信が醸成され、実際の戦争にまで立ち至らざるをえなかったのでしょうか。
この問題を考える事は、現在のアジアに生きる私たちに突きつけられた、喫緊の課題です。

本対談では、昨年末に刊行された『第一次世界大戦開戦原因の再検討 —国際分業と民衆心理—』の編者である小野塚知二氏(東京大学経済学研究科 教授)に、同書に込められた意図をお話いただくと同時に、近現代日本経済史・経営史の中村尚史氏(東京大学社会科学研究所 教授)が日本とアジアにとっての第一次世界大戦の意味を論じていただくことで、冒頭に示した問いの意味を、会場の皆さんと共に考えてみたいと思います。

参考:
『第一次世界大戦開戦原因の再検討 —国際分業と民衆心理—』

■50名様限定で特別にご招待いたします■

アカデミーヒルズの会員制ライブラリーのメンバー対象のイベントですが、50名様限定で特別にご招待いたします。
ご希望の方は、こちらよりお申込ください。
※先着順。50名になりしだい募集を終了いたします。

小野塚 知二氏 プロフィール

東京大学大学院経済学研究科 教授
東京大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士課程単位取得。経済学博士。

東京大学社会科学研究所助手、横浜市立大学商学部専任講師、同大学商学部助教授、東京大学大学院経済学研究科助教授を経て2001 年から現職。政治経済学・経済史学会理事代表、社会経済史学会理事。
主な研究テーマは、近現代イギリス社会経済史とイギリス労務管理史・労使関係史で、そのほかに、機械産業史、音楽社会史、食文化史、兵器産業・武器移転史、ヨーロッパ統合史、などの諸分野でも仕事をしている。

中村 尚史氏 プロフィール

東京大学社会科学研究所 教授
九州大学大学院文学研究科史学専攻博士課程修了、博士(文学、九州大学。

東京大学社会科学研究所助手、埼玉大学経済学部助教授、東京大学社会科学研究所助教授・准教授を経て2010 年より現職。
専門は日本経済史・経営史。とくに明治期の鉄道業史や地域経済史を研究している。また最近は、オーラル・ヒストリーの手法を用いた戦後史に注力しており、『中内功回顧録』(2006年、流通科学大学)のような経営者の研究や、『汽笛の記憶: 鉄道員のオーラル・ヒストリー』(2006 年、鳥栖市)、『激動期の労使関係: 釜石製鉄所労政・労組のオーラル・ヒストリー』(2010年、東京大学社会科学研究所)といった作業現場の研究を手がけている。