六本木ヒルズライブラリー
書 籍
ライブラリアンの書評 2021年12月
毎日続々と新刊書籍を入荷するライブラリー。その数は月に200~300冊。
その書籍を司るライブラリアンが、「まさに今」気になる本は何?
・聞いたことをあっという間に忘れる。
・無関係な話を長時間、何度もしてしまう。
・家の中で物が無くなる。
自分自身にもよくあることだなぁと思いながらも、本書を読みながら怖くなってきました。これはもしかしたら認知症のはじまりか…。
そもそも認知症とはどのようなものなのでしょう?
“「認知機能が働きにくくなったために、生活上の問題が生じ、暮らしづらくなっている状態」のこと。
そして認知機能とは、「ある対象を目・耳・鼻・舌・肌などの感覚器官でとらえ、それが何であるかを解釈したり、思考・判断したり、計算や言語化したり、記憶に留めたりする働き」のことです。“ —P.9より
本書は認知症の症例を、
「乗るとだんだん記憶をなくす ~ ミステリーバス」
「時計の針が一定のリズムでは刻まれない ~ トキシラズ宮殿」
「距離も方角もわからなくなる ~ 二次元銀座商店街」
と、遊び心に溢れたネーミング、やわらかなイラストとわかりやすいストーリーでご紹介。実際に症状がある方の体験談を交えながら、認知症に迫ります。
症状は軽度なものから生活に支障をきたすものまで様々。ひとくくりにできるものではなく、人それぞれに違います。それは誰にでも、自分にも大切な家族にも訪れるかもしれないことです。
大切なのは「周囲の理解・共感」。困っている人がいたら、寛容に受け止め、共感し、困らない手立てを考える。そして「認知症とともに生きる社会」=「認知症フレンドリーな社会」を可能にしていく。そのためにはまず、「知る」ことからです。
(ライブラリアン:結縄 久俊)
認知症世界の歩き方—認知症のある人の頭の中をのぞいてみたら?
筧裕介ライツ社
注目の記事
-
03月26日 (火) 更新
動的書房 ~生物学者・福岡伸一の書棚
目利きの読み手でもある生物学者の福岡伸一による、六本木ヒルズライブラリーのための選書書棚「動的書房」。2024年3月に新たに21冊が並びまし....
-
03月26日 (火) 更新
本には、人生を変え、時代を創るパワーがある!
2023年4月から2024年2月まで全6回で開催したシリーズ「編集者の視点〜時代を共に創る〜」。モデレーターの干場弓子さんと何度も企画会....
シリーズ編集者の視点〜時代を共に創る〜 <編集後記>
-
03月26日 (火) 更新
【重要】「アカデミーヒルズ」閉館のお知らせ
「アカデミーヒルズ」は、2024年6月30日をもって閉館させていただくこととなりました。これまでのご利用ありがとうございました。閉館までの間....
現在募集中のイベント
-
開催日 : 05月08日 (水) 19:00~20:30
多様な個性が育むナラティブパワー
「⾃分の物語(ナラティブ)」を語り、社会との関係性や「私たち」の目指す世界につなげていくことで、何か問題があっても、人々の共感を得て社会を変....
~人を巻き込み協働するための本質とは?~
-
開催日 : 05月21日 (火) 12:00~12:45 / 05月21日 (火) 19:00~19:45
ゆる~くつながろう!メンバー雑談
テーマなし!年齢制限なし!ライブラリーメンバーなら誰でも参加できる雑談イベントです。肩の力を抜いて楽しく、そしてリラックスした45分を過ごし....
-
開催日 : 05月02日 (木) 見学ツアー11:00〜12:00/オルガン・プレコンサート13:40~/コンサート14:00〜16:00頃
【メンバー対象イベント】日本フィル&サントリーホール
平日2時のクラシックコンサート「にじクラ~トークと笑顔と、音楽と」のリハーサルを体験しませんか?俳優・高橋克典さんがナビゲーターとなり、上質....
「にじクラ」リハーサル見学・ロビーツアー&昼公演鑑賞