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ライブラリアンの書評    2020年2月

毎日続々と新刊書籍を入荷するライブラリー。その数は月に200~300冊。
その書籍を司るライブラリアンが、「まさに今」気になる本は何?



「アルゴリズム」とは元々コンピューター用語で、プログラムを作るときに用いる、問題を解決するための手順・計算方法のこと。問題を解決し、より豊かに生きていくためのテクノロジーですが、VUCAと呼ばれる先行き不透明な現代において、アルゴリズムに覆われる世界はまるで霧の深さが増しているような気さえします。
 
GAFAをはじめとする巨大プラットフォームがいつの間にか日常に入り込んでいる中、私たちの生活は良し悪しに関わらずアルゴリズムに左右されています。amazonのおすすめ商品を購入したり、Youtubeの次の動画をクリックするのもアルゴリズムによるもの。趣味嗜好を踏まえての提案に、気付けばすっかり知らない場所に導かれることもあるでしょう。
 
 
ではますますアルゴリズムに覆われていくであろう世界における指針は何かといえば、それは「フェアネス」。自分自身がいかにフラットにニュートラルに、フェアにいられるか。興味深いトピックから、著者はフェアネスについて語ります。
 
・イギリスのブレグジット(EUからの離脱)、その根底にあるフェアネス
・優秀なエンジニアはフェアネスを志向する
・ブロックチェーンがもたらす非中央集権的社会
 
決して悲観するわけでなく、そこにあるのは未来に対するワクワク感。アルゴリズムがどのような提案をするにしても、私たちが持っておくべき「フェアネス」の軸を知ることができます。
 
 
そして本書に引用される「一隅を照らす、これ即ち国宝なり」という言葉が印象的。今自分がいる場所、身の回り、そしてまさに今を大切に、自分の役割を全うすることこそが国宝であるとする、比叡山を開いた最澄の言葉です。
 
今だからこそやれることがある。霧の深さが増す中で、おぼろな未来の輪郭が姿を現すように思えます。
 



  (ライブラリアン:結縄 久俊)


アルゴリズムフェアネス—もっと自由に生きるために、ぼくたちが知るべきこと

尾原和啓
KADOKAWA


 

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