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活動レポート

六本木天文クラブ 「暗黒の宇宙、光輝く星」を開催!

~宇宙は98%が暗黒で満たされている~

セミナー

アカデミーヒルズ スタッフの活動レポート
文・写真/かわかみ


2010年は山崎直子さんがスペースシャトル・ディスカバリー号による国際宇宙ステーションの組立・補給ミッションを終え帰還、2003年に打ち上げられた「はやぶさ」が小惑星イトカワから土壌サンプルを持ち帰るなど、多くの人に夢と希望を与えた出来事が続きました。
そして2011年。巨大な有人実験施設:国際宇宙ステーションの日本人初のコマンダーとして、若田光一さんが滞在期間中の指揮をとることが決定するなど、天文ファンには嬉しいニュースが飛び込んできました。

最先端の研究や実験によって少しずつ解き明かされている宇宙。今回の六本木天文クラブセミナーでは、スーパーコンピュータを用いて宇宙の進化や暗黒物質の謎を解明している東京大学 数物連携宇宙研究機構の吉田直紀さんをスピーカーにお招きし、「暗黒の宇宙、光輝く星」を開催しました。

☆宇宙観測からわかった最新成果を紹介☆

会場には100名を越える方が集まりました
会場には100名を越える方が集まりました
スピーカーの吉田直紀さん
スピーカーの吉田直紀さん
137億年前のビッグバンから宇宙最初の星の種が誕生するまでの様子を、最新のコンピューターシミュレーションを使用して再現することに成功した吉田さん。セミナーでは、様々なシュミレーションを使い、普段聞き慣れない用語や単語もわかりやすい例えを交えながらお話くださいました。

宇宙を構成する物質は、74%が暗黒エネルギー、22%が暗黒物質(ダークマター)、残りの4%は元素で構成されていると最新の観測からわかっています。宇宙を形づくる暗黒物質、宇宙をどんどん引き伸ばしていく暗黒エネルギー。
ファーストスターの解明などから、この2つの「暗黒」の正体は近年その役割や性質が少しずつ明らかになっているそう。
もしかしたら数年後にはその正体も明らかになるかもしれないと吉田さんは話します。

多くの科学者を魅了し続けている宇宙。宇宙を解明することは、私達生命のはじまりを知ることにつながります。


今後の六本木天文クラブでは、宇宙と生命などのテーマも取り上げる予定です!
是非、お楽しみに!

関連書籍

宇宙137億年解読—コンピューターで探る歴史と進化

吉田直紀
東京大学出版会