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日本元気塾第6期プレセミナー
レジリエンス(resilience)~自らの手で道を拓く力~

更新日 : 2018年01月16日 (火)

第8章 レジリエンスは鍛えられる?<会場との質疑応答>

参加者: 中竹さんが補欠から4年生で主将になった経緯を教えてください。

中竹竜二: 監督はスーパースターを主将にしようとしたのですが、同期が「中竹がキャプテンにならないなら」と、ボイコットしたんです。監督は大激怒、OB会や大学側も激怒しました。揉めに揉めるなか、結局、私が主将になったのですが、同期からは「お前をキャプテンにするけど、試合には出さないから」と言われました(爆)。

参加者: レジリエンスは鍛えられるものでしょうか。

藤森義明: 本人の気持ちが先だと思いますね。レジリエンスを日本のことわざに置き換え「七転び八起き」、絶対諦めない気持ちがあるかどうか、です。ビジネスでもよくあるのですが、成功する直前まで来ているのに、本人はそれに気づかず、あと一歩で成功できないことがある。だから絶対諦めないことです。日本人は歴史的にそれをずっとやってきた。だからレジリエンスが強いと思います。

楠木: 私も能力よりメンタリティの問題だと思います。ただ、僕は無痛症なので、回復力も必要ない(笑)。僕はそういう構えですが、それぞれの構えの問題だと思います。

中竹竜二: 「逆境だ」と思うと緊張します。だから、ゲーム中のレジリエンシィを上げるには「今だけに集中すること」。もうひとつ、私はよく人から叩かれたり、怒られたり、舌打ちされたりしますが(笑)、そんなときは客観的に自分を観ます。「そりゃそうだろうな、私でも舌打ちするよな」と思えば怒らないし、落ち込みもしない。自分自身の認知の問題だと思います。

米倉誠一郎: レジリエンスは学べるし、鍛えられると思います。僕自身は三日坊主なので、鍛えつづけることは簡単ではないとは思いますが…。

参加者:  皆さんの今の目標を教えてください。

中竹竜二:  コーチング・ディレクターとして世界で活躍することです。

楠木: 目標は持ちません(笑)。でも、結果は出るので、気づいたら割合遠くまできたなと思えるといいなと思っています。

藤森義明: 人間には、企業(組織)の中で活躍するタイプと自分を張って勝負していくタイプがいます。僕は大企業のなかでやってきましたが、自分を張ってどこまで新しいものをつくれるか、試してみようと思っています。

米倉誠一郎: 日本はいい国だと思いますが、自殺率は世界で9番目に高い。もっとひとりひとりが自分を解放させ、自由に楽しめるように意識転換することが大切だと思います。来期、日本元気塾に集う人たちが「人生って面白いな」と気づいて元気で自由になり、それが世の中に伝播してくことが、僕の目下の目標です。

参加者: 藤森さんは「これから起こることを予測して動く」とおっしゃいましたが、これからどんなことが起こるのでしょう。

藤森義明: 第4次産業革命、中国の台頭、世界レベルの老齢化です。そのなかでも第4次産業革命が企業経営に一番大きな影響を与えるでしょう。労働体系も大きく変わると思います。この流れに対応するために、私個人としてはデジタルリテラシーを徹底的に磨いています。経営者としては、どういう人材をどうやって育てるかが最大の興味であり、課題です。

参加者: 楠木さんがおっしゃるように好きなことだけをすると、失うものもあると思うのですが…。

楠木: もちろんあります。時間もその他の資源もすべて有限であり、トレードオフの関係です。いずれにせよ全部は手に入らないのですから、失うことは気にしません。

参加者: 皆さんが一番ワクワクするのはどんなときですか。

藤森義明: 若くて意欲に溢れている人や、自分よりもっとワクワクしている人と話しているときです。

楠木: 面白いロジックを着想したとき。ものすごくワクワクするし、精神の高揚を感じます。傍からみると、ただ座っているだけですけれどね(笑)。

中竹竜二: 「大人がどう学ぶか」に興味があります。コーチングしていて、怒られたり、嫌なことを言われたりしたとき、実はスイッチが入ります。いろいろ話すうちに、相手の認知が変わる瞬間があります。その瞬間が一番ワクワクします。

米倉誠一郎: 「溢れる教養」の楠木君が見抜いたように、僕は人にスイッチを入れるのが何より好き。相手にスイッチが入った瞬間を観るとものすごくワクワクします。

楠木: 僕も米倉さんにスイッチを入れてもらった。米倉さんがいなかったら、今の僕はなかったです。

米倉誠一郎: えっ、もう一度言って!(爆笑)。こんなメンバーですが、というか、こんなメンバーだから、きっと6期も面白くなります。僕たちと一緒に元気になりましょう。(了)



該当講座


レジリエンス(resilience)~自らの手で道を拓く力~
レジリエンス(resilience)~自らの手で道を拓く力~

米倉誠一郎×藤森義明×楠木建×中竹竜二
困難に直面したときに「できない」と考えるか、「どうやったらできるか」と考えるか。それによって、物事の展開は大きく変わります。どんな時代、環境であっても、自らの手で道を切り拓くために必要なことは何か?どのように逆境に立ち向かってきたのか、それぞれの経験から語ります。