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動的書房 ~生物学者・福岡伸一の書棚

目利きの読み手でもある生物学者の福岡伸一が、六本木ヒルズライブラリーのために、特別に選んだ“これだけは読んでおきたい本”“ いま読むべき本”を陳列した書棚「動的書房」が今月よりスタート。ここでは、今月届いた福岡セレクションをご紹介。読書からはじまる知の冒険へと誘います。




「生命」「進化」とは何か。
生物学者・福岡伸一が、 ダーウィンの足跡をたどり、生命の本質に迫る。
絶海の孤島で繰り広げられる大自然の営みと進化の不思議を、ユーモア溢れる文章と美しい写真で描き出す、ガラパゴス航海記。
 
「生命とは何か」を追求し続け、「生命は変わらないために、変わり続けている」という福岡伸一(生物学者)が、進化論の島・ガラパゴス諸島フィールドワークの中から、新たなる生命観を導き出す。
絶海の孤島に生息する奇妙な生物たちはどこから来たのか? 特殊な進化を遂げたのはなぜか? なぜ生物たちは人間を恐れないのか? 陸と海に分かれて生息するようになったイグアナ、飛ぶための羽を諦めたコバネウ……ガラパゴスの生物たちの謎を解き明かす。島の大自然を全身で感じながら、“進化の現場”と、その驚くべき生命の姿を生き生きと克明に綴った紀行ノンフィクション。
集合団地で出会った“掃除のおじさん”とのささやかな交流から書き始められる序章はちょっとした小説風の味わいがある。そこから立ち上がった著者の思索は、ネグリとハートの「帝国」の中に漂う腐敗の臭いをかぎ、幼児教育の祖フレーベルが恩物と名づけた積み木を巡り、またチャペックやカズオ・イシグロの未来小説にまで行き着く。著者の専門は、農業史、食の思想史。ナチス・ドイツの環境政策などを研究してきた。その意識の基層には土の哲学がある。

「土壌は、地球の球面に貼り付く薄皮である。だが、その薄皮こそが全地上生物の生命を支えているのである」と。
 
暗い土の中でひっそりと進行しているのは腐敗であり、積木くずしであり、解体である。それは破壊でなく、未来を創造する行為なのだ。分解がなければ合成はなく、分解と合成のサイクルがなければ環境の循環はなく、環境の循環がなければ生命はない。つまりそこには時間もない。

(初出「AERA」2020年2月17日号)
 

(生物学者:福岡伸一)



せいめいのれきし

ヴァ−ジニア・リ−・バ−トン
岩波書店

ダーウィンの「種の起源」—はじめての進化論

サビーナ・ラデヴァ
岩波書店

十五少年漂流記

ジュール・ヴェルヌ
新潮社

生命海流 GALAPAGOS

福岡伸一
朝日出版社

分解の哲学—腐敗と発酵をめぐる思考

藤原辰史
青土社

侠気の生態学

船木拓生
ぷねうま舎

WHAT IS LIFE?(ホワット・イズ・ライフ?)生命とは何か

ポール・ナース
ダイヤモンド社

ゲッチョ先生と行く沖縄自然探検

盛口満
岩波書店

ぼくの昆虫学の先生たちへ

今福龍太
筑摩書房

ポストコロナの生命哲学

福岡伸一、伊藤亜紗、藤原辰史
集英社


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