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ライブラリアンの書評    2019年11月

毎日続々と新刊書籍を入荷するライブラリー。その数は月に200~300冊。
その書籍を司るライブラリアンが、「まさに今」気になる本は何?




様々なアート関連の書籍を紹介する「秋 アートを楽しむ27冊」。みなさんご覧いただけましたか。絵画、音楽、建築、ビジネス。アートの切り口も多種多様。ぜひ心地の赴くままに「アート」の扉を開いてください。


さて今回ご紹介するのは、江戸時代の絵師・円山応挙についての一冊。18世紀後半の京都で活躍し、中国や日本の伝統、さらには西洋画の知識もとりいれ、斬新な手法で数多くの作品を残しました。筆致の繊細さ、あるいは大胆さは見れば見るほど驚かされ、時代を問わない力強さを感じさせます。


2016年、青山にある根津美術館での展示会が私にとっての初めての応挙体験だったのですが、間近で見る作品の迫力に圧倒された記憶が今でも鮮やかです。やはり作品は生で、目の前で。信じられないくらいの細い線に目を奪われ、あるいは太い墨を大胆に叩きつけた粗暴さに心を奪われました。描かれていないはずの空気までが感じられ、一体応挙とはなんなのだ?と思ったことを覚えています。

それはちょうど秋の深まる季節、作品を観終えて出た根津美術館の庭園の樹々が、応挙作品を経てきたせいで、まるで違って見えたものです。見上げる樹木の造形、あるいは紅葉一枚一枚の繊細さ。応挙作品という「アート」を通して、自然が新たに開かれて見えた、そんな心地がしたものでした。


空想上の生きものも、行ったことのない場所も、まるで見てきたかのよう。人物、動物、自然の風景。あるいは「かわいさ」「こわさ」「リアルさ」といった切り口。応挙の魅力を存分に紹介する本書で応挙に出会い、本物を見たくなる!心地のままに、作品鑑賞に足を運んでみては。



  (ライブラリアン:結縄 久俊)


いちからわかる円山応挙

岡田秀之
新潮社


 

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