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ライブラリアンの書評    2019年12月

毎日続々と新刊書籍を入荷するライブラリー。その数は月に200~300冊。
その書籍を司るライブラリアンが、「まさに今」気になる本は何?



力強いではなさそうな、筋肉ではなく「しなやかさ」。


健康維持、パフォーマンスの向上、とにかく勝ちたい、そのためにはまず筋トレだ!と、まるで当たり前のように思っていました。が、それは単純思考の思考停止。そうではない、と本書に諭され。ただ筋力を求めるだけでは必ずしもパフォーマンスは良くはならず、むしろ筋肉が邪魔になるのです。

元ラグビー日本代表を務めた著者が、自身の選手生活・指導者としての経験・そして科学的知見をもとに「脱・筋トレ主義」を説く本書。キモは「身体の感覚世界—身体知」。ただ鍛えるのではなく、しなやかで「機嫌のいい」身体がほしい、そのための身体感覚とは?


例えば「コツ」と「カン」。

バスケットボールでは、
「コツ」—ドリブルする(繰り返し地面にボールを叩きつける)際に、ただ手のひらでボールを叩くのではなく、手に吸い付くようにボールを扱うことができるようになること。
「カン」—ドリブルをしながら周囲のプレーヤーを意識し、パスを出すか、あるいはシュートを打つかという状況判断をすること。

パフォーマンスの向上は、ただ筋力をつければ良いというものではなく、実際に練習やプレイを通して身体が感知していく「コツ」や「カン」の集積によります。必要以上の筋トレではなく、思考それ自体にも一辺倒ではないしなやかさが必要です。


頭と身体と分けて考えるのではなく、心身は一致しているという全身協調性の感覚。身体感覚に素直に耳を傾けることの大切さ。筋トレしないに越したことはないですが、一辺倒ではない「しなやかさ」を身体にも思考にも持ちたいと思いました。








  (ライブラリアン:結縄 久俊)


脱・筋トレ思考

平尾剛
ミシマ社


 

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