セミナー・イベント

経営者に聞く!見えない次元の競争戦略
見えない次元で価値を創造する タワーレコードの挑戦

日時

2006年03月09日 (木)  19:00~21:00
終了しています

内容

最近、パッケージソフトとしての音楽の小売ビジネスは構造的に難しい状況におかれています。これには、(1)そもそもパッケージソフトを必要とせず、音楽をデジタルデータとしてダウンロードして聴く人が増えている(iPodの例)、(2)パッケージソフトを買うとしても、店舗ではなくてオンラインで買う人が増えている(アマゾンの例)、という2つの大きな理由があります。
その中で、タワーレコードの基本戦略は一貫して「音楽ソフトそのものを売るのではなくて、No Music No Lifeな人々に、自分が好きな音楽を見つける最良の場を提供する」という次元の見えない価値の本質をつきつめ、独自のブランドを構築することにあるといえます。昨年8月には、これまでの店舗での小売に加えて、ナップスターとの連携で、 新しい音楽配信ビジネスにも乗り出しました。ここでも「音楽を見つけ、楽しむ」という見えない次元の上での差別化が意図されています。
本講座では、iTunesの音楽配信やAmazonのソフトの小売とは一味違う価値創造を目指した戦略とビジネスモデルの本質に迫ります。

講義の内容と特徴
・ MBAの教科書には載っていない全く新しい戦略論です。
・今日、どの業界においても企業競争は、スペックや価格といった可視性が高い「次元の見える競争」から、 サービスやソリューションといったような価値の把握や比較がしにくい「次元の見えない競争」へと移っています。 具体的な企業経営におけるケースを取り上げ、新たな競争戦略の構造を検証します。
・経営や戦略に携わるゲストスピーカーを招き、新たな戦略論に関する情報収集の場とゲストスピーカーや参加者との交流を通し、自身のビジネスの経営あるいは戦略への活用を試みます。
・一橋大学楠木教授が毎回モデレーターを務め、ゲストスピーカーの話を引き出すとともに、 ゲストスピーカーと参加者との間で活発な意見交換ができるよう講座を進行します。

講師紹介

ゲストスピーカー
伏谷博之 (ふしたに・ひろゆき)
タワーレコード株式会社 代表取締役社長兼CEO

昭和41年(1966年)8月9日生 39歳 島根県出身
平成3年(1991年)3月 関西外国語大学外国語学部英米語学科卒業
平成2年(1990年)9月 タワーレコード株式会社入社
平成6年(1994年)5月 同社 新宿ルミネ店店長
平成8年(1996年)5月 同社 デジタルビジネス事業部部長
平成13年(2001年)5月 同社 マーケティング本部本部長
平成15年(2003年)7月 同社 執行役員マーケティング担当
平成16年(2004年)2月 株式会社NMNL 代表取締役社長
平成17年(2005年)3月 タワーレコード株式会社 代表取締役社長
兼 グループCEO 兼  株式会社NMNL 代表取締役社長(現任)
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会社概要
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モデレーター
楠木建 (くすのき・けん)
一橋ビジネススクール教授

一橋ビジネススクール教授。専攻は競争戦略。企業が持続的な競争優位を構築する論理について研究している。大学院での講義科目はStrategy。一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。一橋大学商学部専任講師(1992)、同大学同学部助教授(1996)、ボッコーニ大学経営大学院(イタリア・ミラノ)客員教授、一橋大学大学院国際企業戦略研究科助教授(2000)を経て、2010年から現職。1964年東京都目黒区生まれ。

著書として『絶対悲観主義』(2022、講談社)、『逆・タイムマシン経営論』(2020、日経BP、杉浦泰との共著)、『「仕事ができる」とはどういうことか?』(2019、宝島社、山口周との共著)、『室内生活:スローで過剰な読書論』(2019、晶文社)、『すべては「好き嫌い」から始まる:仕事を自由にする思考法』(2019、文藝春秋)、『「好き嫌い」と才能』(2016、東洋経済新報社)、『好きなようにしてください:たった一つの「仕事」の原則』(2016、ダイヤモンド社)、『「好き嫌い」と経営』(2014、東洋経済新報社)、『戦略読書日記』(2013、プレジデント社)、『経営センスの論理』(2013、新潮新書)、『ストーリーとしての競争戦略:優れた戦略の条件』(2010、東洋経済新報社)、Dynamics of Knowledge, Corporate Systems and Innovation (2010, Springer, 共著)、Management of Technology and Innovation in Japan (2006、Springer、共著)、Hitotsubashi on Knowledge Management (2004, Wiley、共著)、『ビジネス・アーキテクチャ』(2001、有斐閣、共著)、『知識とイノベーション』(2001、東洋経済新報社、共著)、Managing Industrial Knowledge (2001、Sage、共著)、Japanese Management in the Low Growth Era: Between External Shocks and Internal Evolution(1999、Spinger、共著)、Technology and Innovation in Japan: Policy and Management for the Twenty-First Century (1998、Routledge、共著)、Innovation in Japan (1997、Oxford University Press、共著)などがある。

「楠木建の頭の中」というオンライン・コミュニティで、そのときどきに考えたことや書評を毎日発信している。
  オンライン・コミュニティ「楠木建の頭の中」

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講座趣旨

企業間競争が激化する中で、競争はハードからソフトへ、機能からデザインへ移り、高付加価値やデザイン重視の商品が求められています。 つまり、価格、性能、品質といった「次元の見える競争」は限界を迎えつつあり、焦点はデザインやブランドといった「価値の次元が見えない競争」へとダイナミックに転換しているのです。例えば、自動車産業において基本性能が充分な水準を達した今日、競争の焦点は、 クルマを買ったら生活がどのように変わるかといったコンセプトとそれを体現したデザインに移りつつあります。
では、どうしたら「見えない次元」の上に差別化を実現し、それを維持することができるのでしょうか。それには、古い戦略論に捕らわれてはいけません。
つまりこれまでの次元的な競争のルールそのものを破壊しなければなりません。「コンセプト」を創造する力、「その製品やサービスは顧客にとって何なのか、何のためにあるのか」を見出し、顧客に見せる組織能力と構想力が求められているのです。
本講座では、競争の新しいフェーズを切り拓き市場を捉えている企業の経営者あるいは実務家をゲストに招き具体的な事業戦略を伺うとともに、モデレーターである楠木氏が成長の課題に鋭く切り込み、新たな戦略の構造を明らかにします。加えて、見えない次元の競争において鍵となるコンセプト創造力、構想力とはいかなるものかを学びます。第一線のプレイヤーはもちろん参加者との幅広いネットワーク構築も魅力です。


開催実績

大久保清彦 (株式会社インターナショナル・ラグジュアリー・メディア 取締役
オーシャンズ 兼 ローリングストーン日本版 発行人/編集長
セブンシーズ総研株式会社 取締役副社長)
楠木建 (一橋ビジネススクール教授)
開催日 :  2006/04/25 (火)

井手光裕 (株式会社リアラス代表取締役社長 兼 CEO)
楠木建 (一橋ビジネススクール教授)
開催日 :  2006/01/25 (水)

募集要項

日時 2006年03月09日 (木)  19:00~21:00
受講料 18,000円

※事前入金となります


定員 50名

※定員になり次第締め切らせていただきます

主催
  • アカデミーヒルズ
会場 アカデミーヒルズ49(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー49階)

未来自分会議<キャリア×時間>
六本木アートカレッジ