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世界中の誰にでもメッセージを伝えられるとしたら、誰に何を言いますか?

~石倉洋子のグローバル・ゼミ(GAS)2018 最終回セッション~

活動レポートグローバル政治・経済・国際キャリア・人
更新日 : 2018年09月28日 (金)

最終セッション:ファイナルアウトプット/世界に伝わる自分だけのメッセージ
講師:石倉 洋子(一橋大学名誉教授)
文/小林 麻実   写真/アカデミーヒルズ
開催日:2018年9月17日(月・祝)



2018年6月に開講したグローバルゼミ(GAS)2018も、最終回を迎えました。
ファシリテーターの石倉洋子・一橋大学名誉教授は、まず、受講生に次のように問いかけました。
「この講座のスタート時、私は皆さんに、"3か月半後の終了時に自分がどうなっていたいか、イメージして下さい"と言いました。皆さんはその時に思い描いた姿になっていますか?GASに費やした時間、コストは、そんな皆さんの進歩に見合ったものでしたか?」
それを聞く受講生たちはちょっと神妙な面持ち。この数か月の学びを振り返っているようです。




最終回の課題は、「世界中の誰にでもメッセージを伝えられるとしたら、誰に何を言いますか?」
一人一人が英語で3分間のスピーチを行いました。が、各人それぞれに石倉教授から厳しい指摘を受けました。
「"誰に"の誰がどんな人かを、受講生の皆に説明する必要はありません。調べたことを説明するのではなく、あなたがその人に言いたいこと、メッセージに注力しなさい。」「スライドに不必要なものを入れると、聞き手は混乱します。もっとシンプルに。」「あなたはこの人にお礼を伝えたいと言いますが、それよりも新たな提案をすることが真のメッセージでは? 反対意見を伝えたいのではありませんか?」



よくよく物事を考え抜かないと、「誰かに何かを言う」という課題はクリアできないことを、受講生の皆さんは気づき始めたようです。セッションの開始時とは雰囲気が違ってきました。とくに、「誰に対してのメッセージでもよい」と言われると、かえって、「誰に」を厳しく選択しなければいけないことがわかり難いようでした。そのため曖昧なメッセージになる人が目立ちました。が、そもそもメッセージとは、常に「誰に対して何を言うか」がクリアでなければなりません。


「ポジションを取って、世界中の他の誰にも言えない、あなただけのメッセージを作りなさい。ユニークな個性がなければ、日本の外では尊敬されません。世界ではこれまでの常識も変わり、テクノロジーを使って誰が何を言ってもいい世の中になっているのです。」石倉教授がそのように受講生を応援するメッセージは、皆さんにしっかり届いたようでした。

場所を変えて懇親会が行われ、翌日には「サマーダボス(WEFー世界経済会議による年次会議)」のために中国・天津に向かうという教授も参加。ネットワーキングも充実したGAS2018でした。