記事・レポート
活動レポート
日本にジャーナリズムは存在するのか?
グローバルな視点で議論した、[Global Agenda Seminar 2013]開催レポート
更新日 : 2013年08月21日
(水)
Session3
変動する世界と日本のメディアを読み解く~Changing Media Landscape~
ファシリテーター:石倉洋子(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授)
ゲスト講師:牧野洋(フリーランスジャーナリスト/翻訳家)
文/小林麻実 写真/スクール事務局
日本で生活していると当然に思っていることも、実は、海外から見てみると、異なったように見えることがあります。
マスメディアやジャーナリズムのあり方もそのひとつ。
第3回目のグローバル・ゼミナール(GAS)では、米カリフォルニアで活動なさっていたジャーナリストの牧野洋氏をお迎えし、「変化するメディアとジャーナリズムのあり方」について議論しました。
これまでの2回のセッションでは、ロジカル・シンキングや英文のライティングなど、いわばディスカッションのツールを学んできました。いよいよ今回からは各界のゲストを迎え、グローバルなテーマを考えていくことになります。
伝統と格式のある新聞社でさえ、「紙からデジタルへ」の転換期にあり変化を迫られる米メディア界。どこも財政状況は厳しそうです。その中でも変わらない、米国憲法修正第一条に支えられた「権力の監視」のために存在するジャーナリズム。長く日本の新聞社で記者、編集委員として活躍されてきた牧野氏が、事例をあげて丁寧に話される日米の違いは、驚くことばかりでした。牧野氏の卒業されたコロンビア大学大学院ジャーナリズムスクールの授業内容も、参加者にとっては新鮮です。
日米メディアの差異をふまえ、石倉洋子・慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授は、「日本のメディアもこれからは変わる、と思う人は?」と、各自の意見をはっきりさせるよう求めます。挙げられた手の数を見ると、「日本ではメディアは変わらない」と悲観的な参加者が3分の2。石倉教授は、なぜそう思うのか? を問うだけでは終わらせません。悲観論の受講者と楽観論の受講者の両方が理由を述べた後、さらに「相手の主張を聞いて、あなたの意見は変わったか? 変わらない部分はあるか?」と重ねて訊ねるなど、新しい情報を得てものごとを違う角度から考える力を求めていきました。
先の衆院選でも話題になった最高裁裁判所判事の国民審査。どの判事がどのような人なのかもわからずに、審査しなくてはいけない日本に比べ、どのような判決を支持したのかを日常的に読者に理解させるのが、米国の新聞でありジャーナリズム。司法・立法・行政を監視する「第四の権力」という言葉が、日本の外では実際に意味があるのだ、ということを痛感しました。
次回の実践編は、谷家衛氏をゲスト講師に開催する予定です。
マスメディアやジャーナリズムのあり方もそのひとつ。
第3回目のグローバル・ゼミナール(GAS)では、米カリフォルニアで活動なさっていたジャーナリストの牧野洋氏をお迎えし、「変化するメディアとジャーナリズムのあり方」について議論しました。
これまでの2回のセッションでは、ロジカル・シンキングや英文のライティングなど、いわばディスカッションのツールを学んできました。いよいよ今回からは各界のゲストを迎え、グローバルなテーマを考えていくことになります。
伝統と格式のある新聞社でさえ、「紙からデジタルへ」の転換期にあり変化を迫られる米メディア界。どこも財政状況は厳しそうです。その中でも変わらない、米国憲法修正第一条に支えられた「権力の監視」のために存在するジャーナリズム。長く日本の新聞社で記者、編集委員として活躍されてきた牧野氏が、事例をあげて丁寧に話される日米の違いは、驚くことばかりでした。牧野氏の卒業されたコロンビア大学大学院ジャーナリズムスクールの授業内容も、参加者にとっては新鮮です。
日米メディアの差異をふまえ、石倉洋子・慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授は、「日本のメディアもこれからは変わる、と思う人は?」と、各自の意見をはっきりさせるよう求めます。挙げられた手の数を見ると、「日本ではメディアは変わらない」と悲観的な参加者が3分の2。石倉教授は、なぜそう思うのか? を問うだけでは終わらせません。悲観論の受講者と楽観論の受講者の両方が理由を述べた後、さらに「相手の主張を聞いて、あなたの意見は変わったか? 変わらない部分はあるか?」と重ねて訊ねるなど、新しい情報を得てものごとを違う角度から考える力を求めていきました。
先の衆院選でも話題になった最高裁裁判所判事の国民審査。どの判事がどのような人なのかもわからずに、審査しなくてはいけない日本に比べ、どのような判決を支持したのかを日常的に読者に理解させるのが、米国の新聞でありジャーナリズム。司法・立法・行政を監視する「第四の権力」という言葉が、日本の外では実際に意味があるのだ、ということを痛感しました。
次回の実践編は、谷家衛氏をゲスト講師に開催する予定です。
注目の記事
-
04月18日 (木) 更新
【重要】「アカデミーヒルズ」閉館のお知らせ
「アカデミーヒルズ」は、2024年6月30日をもって閉館させていただくこととなりました。これまでのご利用ありがとうございました。閉館までの間....
-
03月26日 (火) 更新
動的書房 ~生物学者・福岡伸一の書棚
目利きの読み手でもある生物学者の福岡伸一による、六本木ヒルズライブラリーのための選書書棚「動的書房」。2024年3月に新たに21冊が並びまし....
-
03月26日 (火) 更新
本には、人生を変え、時代を創るパワーがある!
2023年4月から2024年2月まで全6回で開催したシリーズ「編集者の視点〜時代を共に創る〜」。モデレーターの干場弓子さんと何度も企画会....
シリーズ編集者の視点〜時代を共に創る〜 <編集後記>
現在募集中のイベント
-
開催日 : 05月28日 (火) 19:00~20:30
メタバースは私たちの「学び」に何をもたらす?
いま注目されているメタバースでの学び。メタバースだからこそ得られる創造的な学びとは何でしょうか? バーチャル技術を活用した学びを牽引するN高....
~学びの本質を見つめ、未来を展望する~
-
開催日 : 05月08日 (水) 19:00~20:30
多様な個性が育むナラティブパワー
「⾃分の物語(ナラティブ)」を語り、社会との関係性や「私たち」の目指す世界につなげていくことで、何か問題があっても、人々の共感を得て社会を変....
~人を巻き込み協働するための本質とは?~
-
開催日 : 05月21日 (火) 12:00~12:45 / 05月21日 (火) 19:00~19:45
ゆる~くつながろう!メンバー雑談
テーマなし!年齢制限なし!ライブラリーメンバーなら誰でも参加できる雑談イベントです。肩の力を抜いて楽しく、そしてリラックスした45分を過ごし....