オピニオン・記事
活動レポート
日本の常識は、世界の非常識
~日本国籍グローバル企業コマツ・坂根会長のぶれない言葉~
日本元気塾活動レポート
[アカデミーヒルズ活動レポート]
日本元気塾第3期プレセミナー 今こそ攻めろ!ダントツのコマツ経営構造改革の真髄から学ぶ開催日:2月13日(月)19:00~20:00
ゲストスピーカー:坂根正弘(コマツ取締役会長)
モデレーター:米倉誠一郎(日本元気塾塾長/一橋大学イノベーション研究センター長・教授)
文/さの 写真/御厨慎一郎

熱い想いや志を持つイノベーティブな人を招いて開催する日本元気塾セミナー。5月に開講する日本元気塾第3期のプレセミナーとして、コマツ会長・坂根正弘さんをゲストにお迎えしました。
講演では、コマツのビジネスの動きから世界の基本的変化をとらえ、代を重ねるごとに強くなる会社をめざすコマツの取組み、さらに日本はどうやって生きていくのか?という大局的な見地からお話いただきました。
「トップリーダーとは、リスクをとる決断を必ずしなければならない。だからこそ、自分で分析して確信を持たないと決断できない。経営者はアナリストであるべきだ。」
「顧客にとってコマツで無いと困る度合いを高め、パートナーとして選ばれ続ける存在となること=企業価値を高めることが重要。」
「座右の銘は、『知行合一』」(真に知ることは必ず実行を伴う。知と行とは表裏一体だという陽明学の思想)
講演では、コマツのビジネスの動きから世界の基本的変化をとらえ、代を重ねるごとに強くなる会社をめざすコマツの取組み、さらに日本はどうやって生きていくのか?という大局的な見地からお話いただきました。
「トップリーダーとは、リスクをとる決断を必ずしなければならない。だからこそ、自分で分析して確信を持たないと決断できない。経営者はアナリストであるべきだ。」
「顧客にとってコマツで無いと困る度合いを高め、パートナーとして選ばれ続ける存在となること=企業価値を高めることが重要。」
「座右の銘は、『知行合一』」(真に知ることは必ず実行を伴う。知と行とは表裏一体だという陽明学の思想)

思い切った経営構造改革で、V字回復を成し遂げたコマツを牽引した坂根さんが、実際にリスクをとった経験から発せられる言葉は重く、参加者の心にトップリーダーの役割、実行プロセスはこうあるべきだということを強く印象づけました
「弱みの議論では何も生まれない。強みを磨く事こそ大切」
「日本は“ものづくり”で負けることは絶対にない。しかし、日本は技術で勝って、ビジネスで負ける。早い段階で技術をビジネスにつなげることは、トップの役割」
「何を犠牲にするか決断できるのは社長だけ」
具体的に、コマツのダントツに勝つ商品のポイントは、環境・安全・ICT技術にこだわったモノづくりだと決め、国内でしか売れないものは作らない、世界シェアが1位~2位の商品だけに絞るといった選択と集中にあります。
また コマツの強さ、強さを支える信念、基本的な心構え、それを実行に移す行動様式を明文化した「コマツウェイ」を全世界の社員で共有する取組からは坂根さんのコマツは「日本国籍グローバル企業になる」という強い想いが伝わってきました。
「弱みの議論では何も生まれない。強みを磨く事こそ大切」
「日本は“ものづくり”で負けることは絶対にない。しかし、日本は技術で勝って、ビジネスで負ける。早い段階で技術をビジネスにつなげることは、トップの役割」
「何を犠牲にするか決断できるのは社長だけ」
具体的に、コマツのダントツに勝つ商品のポイントは、環境・安全・ICT技術にこだわったモノづくりだと決め、国内でしか売れないものは作らない、世界シェアが1位~2位の商品だけに絞るといった選択と集中にあります。
また コマツの強さ、強さを支える信念、基本的な心構え、それを実行に移す行動様式を明文化した「コマツウェイ」を全世界の社員で共有する取組からは坂根さんのコマツは「日本国籍グローバル企業になる」という強い想いが伝わってきました。

そして、米倉先生との対談のなかで語られたトップリーダーならではの悩みとその改善策は、大きく納得させられるものでした。
Good news is No news,
No news is Bad news,
Bad news is Good news.
「トップには成功したニュースしか入ってこなくなり、悪いニュースが入らなくなる。全く情報が上がってこない(隠すこと)はもってのほか。悪いニュースこそ、トップが打つべき手を考えられるという意味でいいニュース。」
いくら口で言っても、やはりいいニュースが先に入ってきてしまうので、トップは悪いニュースがきちんと上がってくる“仕組み”を作ること大切だといいます。コマツでは世界の拠点からの報告書のフォーマットを決め、最初にBad newsを書くように決めたことで、情報の優先順位を見える化したそうです。これはどんな組織でも見られる現象なので、すぐにでも取り入れられることだと感じました。
Good news is No news,
No news is Bad news,
Bad news is Good news.
「トップには成功したニュースしか入ってこなくなり、悪いニュースが入らなくなる。全く情報が上がってこない(隠すこと)はもってのほか。悪いニュースこそ、トップが打つべき手を考えられるという意味でいいニュース。」
いくら口で言っても、やはりいいニュースが先に入ってきてしまうので、トップは悪いニュースがきちんと上がってくる“仕組み”を作ること大切だといいます。コマツでは世界の拠点からの報告書のフォーマットを決め、最初にBad newsを書くように決めたことで、情報の優先順位を見える化したそうです。これはどんな組織でも見られる現象なので、すぐにでも取り入れられることだと感じました。

坂根さんの言葉・姿勢から、リーダーが「ぶれずに自分の言葉で繰り返し語ること」「魂を入れて取り組むこと」が、周囲を動かすための絶対条件であり、これを日本のリーダー(の立場の人々)にも聞いてもらいたい・・・という思いが頭をかすめたのは会場で私だけではないでしょう。一体この国を「どうしたいのか?」ということを本気で考え、リスクをとって決断するリーダーと、私たち一人ひとりも傍観者・批判者ではなく、当事者になって取り組むこと事で、日本の問題解決を目指していくことが重要なのだと、改めて感じた2時間セッションでした。
★坂根さんの最新著書『言葉力が人を動かす—結果を出すリーダーの見方・考え方・話し方』(東洋経済新報社)が2月24日に発売されました。人の心を捉え行動を引き出す坂根さんのコミュニケーション術。必読です!
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該当講座
今こそ攻めろ!ダントツのコマツ経営構造改革の真髄から学ぶ
【日本元気塾第3期プレセミナー】
坂根正弘 (株式会社小松製作所 取締役会長)×米倉誠一郎(日本元気塾塾長/一橋大学イノベーション研究センター長・教授)
2012年こそ、内向き志向を打破!800億円の赤字(2002年3月期)という、どん底から大胆な経営構造改革で、V字回復を成し遂げたコマツ。本セミナーでは、絶対にやりぬくという経営者としての強い意思をもつコマツ取締役会長、坂根正弘氏から、他の追随をゆるさないダントツの経営手法について伺いながら、世界で戦える国、企業、人材づくりについて考えていきます。
日本元気塾
経営戦略 政治・経済・国際

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